Azure NetApp Files 用に NFSv4.1 ドメインを構成する

NFSv4 では、認証ドメインの概念が導入されています。 Azure NetApp Files は、現在、サービスから NFS クライアントへのルート専用ユーザー マッピングをサポートしています。 Azure NetApp Files で NFSv4.1 機能を使用するには、NFS クライアントを更新する必要があります。

ユーザー/グループ マッピングの既定の動作

NFSv4 ドメインは既定では localdomain に設定されているため、ルート マッピングの既定値は nobody ユーザーになります。 Azure NetApp Files NFSv4.1 ボリュームをルートとしてマウントすると、次のようなファイルのアクセス許可が表示されます。

Default behavior of user/group mapping for NFSv4.1

上の例に示ように、file1 のユーザーは root であるべきですが、既定では nobody にマップされています。 この記事では、idmap Domain 設定を defaultv4iddomain.com に変更することによって、file1 ユーザーを root に設定する方法について説明します。

NFSv4.1 ドメインを構成する

  1. NFS クライアントで /etc/idmapd.conf ファイルを編集します。
    #Domain をコメント解除し (つまり、行から # を削除する)、値 localdomain を次のように変更します。

    • ボリュームが LDAP に対して有効になっていない場合は、Domain = defaultv4iddomain.com を設定します。
    • ボリュームで LDAP が有効になっている場合は、Domain を NetApp アカウントの Active Directory 接続で構成されているドメインに設定します。 たとえば、contoso.com が NetApp アカウントで構成されているドメインの場合は、Domain = contoso.com を設定します。

    次の例は、変更前の /etc/idmapd.conf の初期構成を示しています。

    [General]
    Verbosity = O 
    Pipefs—Directory = /run/rpc_pipefs 
    # set your own domain here, if it differs from FQDN minus hostname 
    # Domain = localdomain 
    
    [Mapping] 
    Nobody-User = nobody 
    Nobody-Group = nogroup 
    

    次の例は、非 LDAP NFSv4.1 ボリュームの更新された構成を示しています。

    [General]
    Verbosity = O 
    Pipefs—Directory = /run/rpc_pipefs 
    # set your own domain here, if it differs from FQDN minus hostname 
    Domain = defaultv4iddomain.com 
    
    [Mapping] 
    Nobody-User = nobody 
    Nobody-Group = nogroup 
    

    次の例は、LDAP 対応の NFSv4.1 ボリュームの更新された構成を示しています。 この例では、contoso.com は NetApp アカウントで構成されているドメインです。

    [General]
    Verbosity = O 
    Pipefs—Directory = /run/rpc_pipefs 
    # set your own domain here, if it differs from FQDN minus hostname 
    Domain = contoso.com
    
    [Mapping] 
    Nobody-User = nobody 
    Nobody-Group = nogroup 
    
  2. 現在マウントされている NFS ボリュームをマウント解除します。

  3. /etc/idmapd.conf ファイルを更新します。

  4. ホストで rpcbind サービスを再起動する (service rpcbind restart) か、単にホストを再起動します。

  5. 必要に応じて NFS ボリュームをマウントします。

    Windows または Linux の VM のボリュームをマウントする」を参照してください。

次の例は、結果として得られるユーザー/グループの変更を示しています。

Screenshot that shows an example of the resulting user/group change.

この例に示すように、ユーザー/グループは nobody から root に変更されました。

他の (ルート以外の) ユーザーとグループの動作

Azure NetApp Files は、NFSv4.1 ボリューム内のファイルまたはフォルダーに関連付けられたアクセス許可を持つローカル ユーザー (ホスト上でローカルに作成されたユーザー) をサポートします。 ただし、このサービスでは、複数のノード間でのユーザー/グループのマッピングは現時点ではサポートされていません。 したがって、あるホスト上に作成されたユーザーは、既定で別のホスト上に作成されたユーザーにマップされません。

次の例で、Host1 には 3 つの既存のテスト ユーザー アカウント (testuser01testuser02testuser03) があります。

Screenshot that shows that Host1 has three existing test user accounts.

Host2 で、テスト ユーザー アカウントは作成されていないが、同じボリュームが両方のホストにマウントされていることに注意してください。

Resulting configuration for NFSv4.1

次のステップ