Exchange Serverでメッセージ追跡を構成する

メッセージ追跡では、メールボックス サーバーとエッジ トランスポート サーバーのトランスポート パイプラインを介したメール フローによるメッセージ アクティビティを記録します。 メッセージ追跡ログは、メッセージ フォレンジクス、メール フロー分析、レポート作成、およびトラブルシューティングに使用することができます。

メールボックス サーバー上およびエッジ トランスポート サーバー上で、すべてのメッセージ追跡構成タスクに Exchange 管理シェル の Set-TransportService コマンドレットを使用できます。 次に例を示します。

  • メッセージ追跡を有効または無効にします。 既定では有効になっています。

  • メッセージ追跡ログ ファイルの場所を指定します。 既定の場所は です %ExchangeInstallPath%TransportRoles\Logs\MessageTracking

  • 個々のメッセージ追跡ログ ファイルの最大サイズを指定します。 既定値は 10 MB です。

  • メッセージ追跡ログ ファイルが格納されるディレクトリの最大サイズを指定します。既定値は 1,000 MB です。

  • メッセージ追跡ログ ファイルの最大保存期間を指定します。既定値は 30 日です。

  • メッセージ追跡ログで、メッセージの件名のログ収集を有効または無効にします。 既定では有効になっています。

注:

メールボックス サーバー上では、Exchange 管理センター (EAC) を使用してメッセージ追跡の有効/無効化、およびメッセージ追跡ログ ファイルの場所を指定することもできます。

はじめに把握しておくべき情報

  • 予想所要時間 : 5 分

  • オンプレミスの Exchange 組織で Exchange 管理シェルを開く方法については、「 Open the Exchange Management Shell」をご覧ください。

  • この手順を実行する際には、あらかじめアクセス許可が割り当てられている必要があります。 必要なアクセス許可を確認するには、「 メール フローのアクセス許可 」トピックの「トランスポート サービス」エントリを参照してください。

  • このトピックの手順で使用可能なキーボード ショートカットについては、「Exchange 管理センターのキーボード ショートカット」を参照してください。

ヒント

問題がある場合は、 Exchange Server、Exchange Online、Exchange Online Protection。 必要な作業 シェルを使用して送信者フィルターを有効または無効にする

EAC を使用してメールボックス サーバーのメッセージ追跡を構成する

  1. EAC を開き、[サーバー サーバー]>> に移動して、構成>するメールボックス サーバーを選択し、[編集] アイコンをクリックします。

  2. サーバーのプロパティ ページで、 [トランスポート ログ] をクリックします。 [メッセージ追跡ログ] セクションで、次の設定を変更します。

    • メッセージ追跡ログを有効にする: サーバーでメッセージ追跡を無効にするには、チェック ボックスをオフにします。 サーバーでメッセージ追跡を有効にするには、チェック ボックスをオンにします。

    • メッセージ追跡ログ パス: 指定する値は、ローカル Exchange サーバー上にある必要があります。 フォルダーが存在しない場合は、 [保存] をクリックするとフォルダーが作成されます。

  3. 完了したら、[保存] をクリックします。

Exchange 管理シェル を使用してメッセージ追跡を構成する

前述のとおり、 Set-TransportService コマンドレットを使用すると、メールボックス サーバー上およびエッジ トランスポート サーバー上のすべてのメッセージ追跡構成タスクを実行できます。 Exchange 管理シェル でのメッセージ追跡を構成するには、次の構文を使用します。

Set-TransportService [<ServerIdentity>] -MessageTrackingLogEnabled <$true | $false> -MessageTrackingLogMaxAge <dd.hh:mm:ss> -MessageTrackingLogMaxDirectorySize <Size> -MessageTrackingLogMaxFileSize <Size> -MessageTrackingLogPath <LocalFilePath> -MessageTrackingLogSubjectLoggingEnabled <$true | $false>

なお、構成先のサーバー上でコマンドを実行する場合は、Exchange サーバーを指定する必要はありません。

この例では、Mailbox01 というサーバーで次のようなメッセージ追跡ログ設定を行います。

  • メッセージ追跡のログ ファイルの場所を D:\Message Tracking Log に設定します。 なお、フォルダーが存在しない場合は、新たに作成されます。

  • メッセージ追跡ログ ファイルの最大サイズを 20 MB に設定します。

  • メッセージ追跡ログ ディレクトリの最大サイズを 1.5 GB に設定します。

  • メッセージ追跡ログ ファイルの最大保存期間を 45 日に設定します。

Set-TransportService Mailbox01 -MessageTrackingLogPath "D:\Message Tracking Log" -MessageTrackingLogMaxFileSize 20MB -MessageTrackingLogMaxDirectorySize 1.5GB -MessageTrackingLogMaxAge 45.00:00:00

注:

  • MessageTrackingLogPath パラメーターを$nullに設定すると、メッセージ追跡が効果的に無効になります。 ただし、 MessageTrackingLogEnabled パラメーターの値が である場合は $true、イベント ログ エラーが生成されます。
  • MessageTrackingLogMaxAge パラメーターを00:00:00に設定すると、メッセージ追跡ログ ファイルの有効期間が原因で自動的に削除されるのを防ぐことができます。
  • メッセージ追跡ログ ディレクトリの最大サイズは、MessageTrackingLogMaxDirectorySize パラメーターの値の 3 倍になります。 異なる 4 つのサービスによって生成されるメッセージ追跡ログ ファイルは、それぞれ異なるファイル名プレフィックスを持っていますが、モデレート転送ログ (MSGTRKMA) に書き込まれるデータの量と頻度は、他の 3 つのログに比べてごくわずかなものです。 詳細については、「 メッセージ追跡ログ ファイルの構造」を参照してください。

この例では、Mailbox01 という名前のサーバーのメッセージ追跡ログで、メッセージの件名のログを無効にします。

Set-TransportService Mailbox01 -MessageTrackingLogSubjectLoggingEnabled $false

この例では、Mailbox01 という名前のメールボックス サーバーのメッセージ追跡を無効にします。

Set-TransportService Mailbox01 -MessageTrackingLogEnabled $false

正常な動作を確認する方法

メッセージ追跡が正常に構成されたことを確認するには、Exchange 管理シェル で次のコマンドを実行します。

Get-TransportService [<ServerIdentity>] | Format-List MessageTrackingLog*

Windows エクスプローラーまたはエクスプローラーでプロトコル ログの場所を開き、ログ ファイルが存在していることや、データがファイルに書き込まれつつあること、構成した最大ファイル サイズと最大ディレクトリ サイズの値に基づいて、ファイルがリサイクルされていることを確認することもできます。