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Power BI Report Builder でのレポートのデザインに関するヒント

適用対象: Power BI Report Builder Power BI Desktop

Power BI Report Builder でページ分割されたレポートをデザインする際に、次のヒントを活用できます。

レポートのデザイン

適切にデザインされたレポートでは、具体的な行動につながる情報が伝達されます。 レポートで回答できる質問を特定します。 レポートをデザインする際は、その質問に注意してください。

  • 効果的なデータの視覚化をデザインするために、レポートのユーザーが理解しやすい方法で情報を表示することを検討します。 視覚化するデータに適したデータ領域を選びます。 たとえば、要約および集計情報を伝達するには、詳細な情報を含む多数のページにまたがるテーブルよりもグラフの方が効果的です。 任意のデータ領域内にデータセットのデータを視覚化できます。これには、Tablix に基づくさまざまなグリッド レイアウト内のグラフ、マップ、インジケーター、スパークライン、データ バ―、および表形式データが含まれます。

  • レポートを特定のエクスポート形式で配信する場合は、デザイン時の早い段階でエクスポート形式をテストします。 使用するレンダラーによって、サポートされる機能が異なります。

  • 複雑なレイアウトは段階的に構築します。 四角形をコンテナーとして使用して、レポート アイテムを整理できます。 デザイン画面でデータ領域を直接構築することで、作業領域を最大化できます。 次に、それぞれが完成したら、四角形のコンテナーにドラッグします。 四角形をコンテナーとして使うことで、コンテナー内のすべてのコンテンツを 1 回の手順で配置できます。 四角形を使用すると、各ページにレポート アイテムを表示する方法を制御することもできます。

  • レポートを見やすくするために、特定のレポート アイテムに条件付き表示を使用して、そのアイテムを表示するかどうかをユーザーが選択できるようにすることを検討します。 表示/非表示は、パラメーターまたはテキスト ボックスの切り替えに基づいて設定できます。 条件によって非表示になるテキスト ボックスを追加して、式の中間結果を表示することができます。 レポートに予想外のデータが表示された場合に、それらの中間結果を表示して式をデバッグすることができます。

  • Tablix セルまたは四角形内の入れ子になったアイテムを操作する場合、コンテナーやそこに含まれているアイテムに対して異なる背景色を設定することができます。 既定の背景色は [色なし] です。 特定の背景色のアイテムは、背景色が [色なし] に設定されたアイテムを透過して見えます。 Tablix セル上の境界線を表示するかどうかなどの表示プロパティを設定する際は、この方法を利用すると、対象となるアイテムを的確に選択することができます。

レポートをデザインする際の考慮事項の詳細については、Report Builder でのレポートの計画に関する記事を参照してください。

レポート、データ ソース、およびデータセットの名前付け規則

データ ソースとデータセットの場合は、データのソースを文書化する名前付け規則を使います。

  • データ ソース: セキュリティ上の理由から実際のサーバーまたはデータベースの名前を付けたくない場合は、ユーザーにデータのソースを示す別名を使います。

  • データセット: どのデータ ソースが基になっているかを示す名前を使用します。

データの処理

最初の手順として、[レポート データ] ペインに表示して操作するすべてのデータを取得します。 レポートで回答を示すための疑問を検討するときに、レポートのデータセット内のデータを必要なものだけに限定する方法を検討します。

  • 一般的には、レポートに表示するデータのみを含めます。 データセット クエリでクエリ変数を使って、レポートに表示するデータをユーザーが選択できるようにします。 共有データセットを作成する場合は、レポート パラメーターに基づくフィルターを用意して、同じ機能を提供します。

  • クエリの作成経験が豊富であり、データ量が中程度の場合、クエリではなく、レポートのデータをグループ化することをお勧めします。 グループ化をすべてクエリで実行すると、レポートというよりは、クエリの結果セットをそのまま表示したような体裁になりがちです。 一方で、大量のデータの集計値をグラフまたはマトリックスで表示する場合は、詳細データを含める必要はありません。

  • 必要に応じて、レポート データ ソースの名前や場所、データセット クエリ コマンド テキスト、およびパラメーター値をレポートに表示できます。 新しいユーザーの多くはデータの出元を知りたいものです。 この種の情報を含んだテキスト ボックスは条件によって非表示にし、表示するかどうかをユーザーが選択できるようにすることで、雑然としたレポートとなるのを防ぐことが可能です。 この情報は、レポートの最後のページに追加するようにしてください。 テキスト ボックスの表示/非表示は、ユーザーによる変更が可能なパラメーターに基づいて設定します。

レポート デザイン画面を操作する

レポート デザイン画面は WYSIWIG ではありません。 デザイン画面にレポート アイテムを配置すると、その相対的な位置により、実際のレポート ページにアイテムがどのように表示されるかが決まります。 空白は保持されます。

  • レポート デザイン画面上でアイテムを揃えたり整列したりするには、スナップ線とレイアウト ボタンを使用します。 たとえば、選択したアイテムの上端などを揃えたり、別のアイテムのサイズに合わせてアイテムを拡大したり、アイテムの間隔を調整したりできます。

  • デザイン画面で選択したアイテムの位置とサイズを調整するには、方向キーを使用します。 たとえば、次のキーの組み合わせはとても便利です。

    • 方向キー: 選んだレポート アイテムを移動します。

    • Ctrl + 方向キー: 選んだレポート アイテムを少しずつ移動します。

    • Ctrl + Shift + 方向キー: 選んだレポート アイテムのサイズを増減します。

  • 四角形にアイテムを追加するには、マウス ポインターの左上端を、四角形のコンテナー内にあるアイテムの初期位置にポイントします。 選択したオブジェクトの位置を調整するには、キーボード ショートカットを使用します。 四角形は、含まれているアイテムのサイズに合わせて自動的に拡大されます。

  • 複数のアイテムを Tablix セルに追加するには、先に四角形を追加してからアイテムを追加します。

    各 Tablix セルには、既定でテキスト ボックスが含まれます。 セルに四角形を追加すると、そのテキスト ボックスが四角形に置き換えられます。 たとえば、Tablix セル内の四角形に入れ子になったインジケーターを配置すると、そのセルを含む行の高さを変更したときにグラフやインジケーターのサイズがどのように拡大されるかを制御できます。

  • デザイン画面の表示を調整するには、 [ズーム] コントロールを使用します。 これにより、ページ全体で作業したり、対象をページの特定のセクションに絞って作業したりできます。

  • [レポート データ] ペインから [グループ化] ペインにフィールドをドラッグするときは、デザイン画面上の他のレポート アイテムの上を横切ってドラッグしないでください。これを行うと、他のアイテムが選ばれ、Tablix データ領域の選択が解除されます。 フィールドは、レポート データ ペインの下からグループ化ペインにドラッグしてください。

項目を選択する

レポート デザイン画面に表示するオブジェクトを選ぶには、ESC キー、右クリック コンテキスト メニュー、[プロパティ] ペイン、[グループ化] ペインを使います。

  • デザイン画面で 1 か所に積み重なっているレポート アイテムの選択を順番に切り替えるには、Esc キーを押します。

  • 一部のレポート アイテムでは、右クリックのショートカット メニューを使用して、必要なレポート アイテムまたはレポート アイテムの一部を選択できます。

  • [プロパティ] ペインには、現在選ばれているアイテムのプロパティが表示されます。

  • Tablix データ領域で行グループと列グループを操作するには、[グループ化] ペインからグループを選びます。

特定の種類のレポート アイテムを操作する

パラメーターを操作する

  • レポート パラメーターの主な目的は、データ ソースのデータをフィルター処理して、レポーに必要なものだけを取得することです。

  • レポート パラメーターでは、対話機能の有効化と、ユーザーが目的の結果を取得するための有用性の間で、適切なバランスを見つけます。 たとえば、パラメーターの既定値を一般的な値に設定できます。

テキストを操作する

  • テキスト ボックスに複数の行を貼り付けると、テキストは一続きのテキスト (テキスト ラン) として追加されます。 各テキスト ランでは、書式設定は 1 つのまとまりとして行うことしかできません。 各行に個別に書式設定するには、テキスト ランの中で必要に応じて Return キーを押して、新しい行を挿入します。 これにより、テキスト ボックス内の各行に個別に書式設定やスタイルを適用できます。

  • テキスト ボックスまたはテキスト ボックス内のプレースホルダー テキストで、書式設定のプロパティとアクションを設定できます。 テキストが 1 行だけある場合は、テキストよりもテキスト ボックスにプロパティを設定するほうが効率的です。

式を操作する

  • 単純式と複合式の違いを把握します。 単純な形式の式は、テキスト ボックス、[プロパティ] ペインのプロパティ、または式を入力できるダイアログ ボックス内の場所に直接入力できます。

  • 式を作成するときは、それぞれの部分を別々に作成し、その値を確認することをお勧めします。 その後で、すべての部分を結合して最終的な式を作成できます。 マトリックスのセルにテキスト ボックスを追加し、式の各部分を表示して、テキスト ボックスに条件付き表示を設定する方法が役立ちます。 テキスト ボックスが非表示の場合の罫線のスタイルと色を制御するには、まず四角形の中にテキスト ボックスを配置してから、マトリックスに適した四角形の罫線のスタイルと色を設定します。

インジケーターを操作する

  • 既定では、インジケーターは少なくとも 3 つの状態を示します。 インジケーターは、レポートに追加した後、状態を追加または削除することによって構成できます。 ユーザーが見やすいように、色と形の両方が変化するインジケーターを使用することをお勧めします。

レポート ページに表示されるレポート アイテムのレンダリングを制御する

レポート デザイン画面上のレポート アイテムは、関連付けられたデータセット、式、サブレポート、またはテキストのコンテンツに合わせて拡大されます。

  • レポート ページにアイテムを配置すると、配置したアイテムとその右側から始まるすべてのアイテム間の距離は、レポート アイテムが水平方向に拡大されたときに維持する必要がある最小限の距離になります。 同様に、アイテムとその上にあるアイテムとの距離が、上のアイテムが上下に拡大されても維持される最小距離になります。

  • レポート内のアイテムがそのデータに合わせて拡大されると、ピア アイテム (同じ親コンテナーに含まれるアイテム) が影響を受けます。その際の規則を以下に示します。

    • 各アイテムは、上にあるアイテムとの最小間隔が維持されるように下に移動します。

    • 各アイテムは、左側にあるアイテムとの最小間隔が維持されるように右に移動します。 右から左のレイアウトを使うシステムでは、各アイテムは、右側で終わるアイテムとの最小間隔を維持するように左に移動します。

    • 子アイテムが拡大されると、それに合わせてコンテナーも拡大されます。 [プロパティ] ペインで選んだアイテムでは、[親] プロパティによってアイテムのコンテナーが識別されます。 [ドキュメント アウトライン] ペインを使って、レポート アイテムの包含階層を表示することもできます。

    • [レイアウト] ツール バーには、レポート アイテムの端、中心、および間隔を揃えるためのさまざまなボタンが用意されています。 レイアウト ツールバーを有効にするには、[表示] メニューの [ツールバー] をポイントし、[レイアウト] を選びます。

.pdf ファイルとしてレポートを保存する予定の場合、レポートの幅には、エクスポート ファイルの形式で目的の結果が得られるように、明示的に値を設定する必要があります たとえば、レポートのページ幅を 7.9375 インチ、左右の余白を 0.5 インチに設定します。

レポート ビューアー ツール バーの [印刷レイアウト][ページ設定] を使用すると、レポートを印刷に対応したビューで表示できます。 不要な空白のページを削除するには、次の操作を行います。

  1. データ領域の間やレポートの端にある余分な空白をすべて削除します。

  2. [レポートのプロパティ] ダイアログ ボックスでページ余白を減らします。

  3. 四角形をコンテナーとして使って、レポート アイテムの表示方法を制御します。

  4. 列見出しで、テキスト ボックスの WritingMode プロパティを垂直方向のテキストを使うように変更します。

詳細については、「ページ分割されたレポートを印刷するときに空白のページを表示しない」を参照してください。

この動作、レポート アイテムの幅と高さのプロパティ、レポート本文のサイズ、ページの高さとページ幅の定義、親レポートの余白設定、レンダラー固有のサポートの組み合わせによって、レンダリングされるページにレポート アイテムがどのように収まるかが決まります。