Microsoft 管理コンソールのステップバイステップ ガイド
トピック
はじめに
コンソールを作成する
コンソールでスナップインの表示をカスタマイズする: 新規ウィンドウ
コンソール タスクパッドを作成する
コンソール ファイル オプションを設定する
補足情報
はじめに
Microsoft® 管理コンソール (MMC) を使うと、システム管理者は非常に柔軟なユーザー インタフェースを作成し、管理ツールをカスタマイズすることができます。このステップバイステップ ガイドでは、これらの新機能をいくつか紹介します。
MMC は、日常的なシステム管理作業を一元化、簡略化するためのツールです。いくつのもツールを含み、それらをコンソールとして表示します。これらのツールは 1 つまたは複数のアプリケーションから構成され、スナップインと呼ばれるモジュールによって作られています。スナップインにはさらに拡張スナップインが含まれることもあります。MMC は Microsoft の管理戦略の中心であり、Windows® 2000 (以下 Windows 2000) オペレーティング システムに含まれています。さらに、Microsoft 開発グループでは、将来的な管理アプリケーションにも MMC を使うことを予定しています。
Microsoft 管理コンソールを使えば、システム管理者は特定の管理作業をユーザーやグループに委任するための特別なツールを作成することができます。オペレーティング システムには、ユーザーが日常的な管理作業を実行するための標準的なツールが用意されています。これらはコンピュータの All Users プロファイルに含まれており、[スタート] メニューの [管理ツール] グループ内にあります。カスタム ツールを MMC コンソール (.msc) ファイルとして保存し、電子メールで送信したり、ネットワーク フォルダに置いて共有したり、または Web 上に置いたりすることができます。また、システム ポリシーの設定によって、ユーザーやグループ、コンピュータに割り当てることもできます。ツールの機能を拡張または縮小し、オペレーティング システムにシームレスに統合し、再パッケージ化し、カスタマイズすることができます。
MMC を使うと、システム管理者は部下やワークグループ マネージャが使う独自のコンソールを作成することができます。システム ポリシーを使って彼らにツールを割り当てたり、ファイルを電子メールで配布したり、ファイルをネットワーク上の共有場所に置いたりすることができます。ワークグループ マネージャが .msc ファイルを開くと、システム管理者が用意したツールにだけアクセスできることになります。
MMC の標準ユーザー インタフェースを使って独自のツールを作成するのは、とてもわかりやすい作業です。既存のコンソールを基に、要件に合わせてコンポーネントを変更したり追加します。あるいは、まったく新しいコンソールを作成することもできます。次に示す例では、新しいコンソールを作成し、その管理コンポーネントを別のウィンドウに配置する方法を説明します。
対象読者とシステム要件
この文書の読者についての制限はありません。このガイドの手順を実行する前に、ほかのステップバイステップ ガイドを読了している必要はありません。システム要件としては、Windows 2000 Professional または Windows 2000 Server を稼動する 1 台のコンピュータが必要です。ハードウェア要件とサーバー、クライアント、周辺機器の互換性の最新情報についてはWindows 2000 Web サイトの「Check Hardware and Software Compatibility」ページを参照してください。
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コンソールを作成する
MMC を起動する最も一般的な方法は、あらかじめ定義されているコンソールを [スタート] メニューから選ぶ方法です。しかし、MMC の柔軟性を理解するためには、コンソール ファイルを初めから作成した方がよいでしょう。このバージョンの MMC の新しい機能である、タスクの委任機能を使う場合も、コンソール ファイルを新しく作成すると便利です。
新しいコンソール ファイルを作成する
[スタート] メニューの [ファイル名を指定して実行] をクリックし、「MMC」と入力して [OK] をクリックします。図 1 に示すように、Microsoft 管理コンソールで空のコンソール (管理ツール) が表示されます。空のコンソールには、スナップインを追加するまでは管理機能がありません。Microsoft 管理コンソール ウィンドウの上部にあるメニュー バー上の MMC メニュー コマンドは、コンソール全体に適用されます。
図 1: コンソール ウィンドウを起動する
タイトルバー [コンソール 1] の下の [コンソール] をクリックします。[コンソール] メニューから [スナップインの追加と削除] をクリックします。[スナップインの追加と削除] ダイアログ ボックスが開きます。このダイアログ ボックスで、拡張スナップインを有効にしたり、コンソール ファイルに追加するスナップインを構成したりできます。スナップインの追加先を指定するには、[スナップインの追加先] ドロップダウン ボックスから選択します。ここでは既定の [コンソール ルート] をそのまま使用します。
[追加] をクリックします。すると [スタンドアロン スナップインの追加] ダイアログ ボックスが表示され、コンピュータにインストールされているスナップインの一覧が表示されます。
スナップインの一覧で [コンピュータの管理] をダブルクリックし、コンピュータの管理ウィザードを開きます。
[ローカル コンピュータ] をクリックし、[コマンド ラインから起動したときは、選択されたコンピュータを変更できるようにする] チェック ボックスをオンにします。
[完了] をクリックして [スナップインの追加と削除] ダイアログ ボックスに戻ります。[閉じる] をクリックします。
次の図 2 に示す [拡張] タブをクリックします。[すべての拡張を追加する] チェック ボックスをオンにすると、そのコンピュータにローカルにインストールされているすべての拡張が使われます。このチェック ボックスをオフにすると、別のコンピュータでコンソール ファイルを開いたときに、選択されているすべての拡張スナップインがロードされます。
図 2: すべての拡張を選択する
[OK] をクリックして [スナップインの追加と削除] ダイアログ ボックスを閉じます。これで、[コンソール ルート] ウィンドウの [コンソール ルート] フォルダに[コンピュータの管理]スナップインが追加されます。
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コンソールでスナップインの表示をカスタマイズする: 新規ウィンドウ
スナップインを追加したら、さまざまな管理ビューをコンソールに表示するためのウィンドウを追加することができます。
ウィンドウを追加するには
次に示す図 3 のツリー ビューの左側のペインで、[コンピュータの管理] の横の [+] をクリックします。次に [システム ツール] をクリックします。
図 3: コンソール1: システム ツール
表示された [イベント ビューア] フォルダを右クリックし、[ここから新しいウィンドウ] をクリックします。次の図 4 に示すとおり、[コンピュータの管理] の [イベント ビューア] 拡張スナップインをルートとする新しい [イベント ビューア] ウィンドウが開きます。
図 4: イベント ビューア
ツールバー上の [ウィンドウ] をクリックし、[コンソール ルート] をクリックします。
[コンソール ルート] ウィンドウで [サービスとアプリケーション] をクリックし、左側のペインで [サービス] を右クリックし、[ここから新しいウィンドウ] をクリックします。次の図 5 に示すとおり、[コンピュータの管理] の [イベント ビューア] 拡張スナップインをルートとする新しい [サービス] ウィンドウが開きます。新しいウィンドウで、ツールバー上の [コンソール ツリーとお気に入りの表示/非表示] ボタンをクリックして、コンソール ツリーを隠します。このボタンは、次の図 5 で赤い円で示してあります。
図 5: [コンソール ツリーとお気に入りの表示/非表示] ボタン
コンソール ルートを表示している元のウィンドウを閉じます。
[ウィンドウ] メニューから [上下に並べて表示] をクリックします。コンソール ファイルが表示され、上記の図 4 と図 5 の情報が表示されます。
新しく作成した MMC コンソールを保存します。[コンソール] ウィンドウで [コンソールの保存] アイコンをクリックし、コンソールに名前を付けます。このコンソールが .msc ファイルとして保存されるので、MMC ツールを使ってコンピュータを構成するユーザーに配布できます。
メモ 2 つの小さなウィンドウには、それぞれボタンとドロップダウン メニューを表示したツールバーがあります。各ウィンドウのツールバー ボタンとドロップダウン メニューは、そのウィンドウにしか影響しません。ウィンドウの左側のペインで選択したスナップインに応じて、ウィンドウのツールバー ボタンとメニューが変わります。[表示] メニューをクリックすると、使用可能なツールバーの一覧を見ることができます。
ヒント モニタの解像度を高くしてフォントを小さく設定すると、ウィンドウが見やすくなります。
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コンソール タスクパッドを作成する
ほかのユーザーのためのコンソール ファイルを作成する場合には、一部のタスクしか使用できない簡単な画面を作成するととても便利です。このような場合にはコンソール タスクパッドが役立ちます。
コンソール タスクパッドを作成するには
[ウィンドウ] メニューから [新しいウィンドウ] をクリックします。2 つのウィンドウを閉じます (この手順の最後で新しいコンソール ファイルを保存します)。残ったウィンドウを最大化します。
左側のペインで [コンピュータの管理] フォルダの横の [+] をクリックし、次に [システム ツール] フォルダの横の [+] をクリックします。[イベント ビューア] フォルダの横の [+] をクリックし、[システム] をクリックし [システム] を右クリックして、[新しいタスクパッド表示] をクリックします。
すべての既定値を受け入れてウィザードのページを進みます。新しいタスク ウィザードを自動的に開始するために、最後のページのチェック ボックスをオンにします。
新しいタスク ウィザードで既定値をそのまま使用し、図 6 に示すページまで進みます。そしてリスト ビュー タスクを選択し、[プロパティ] をクリックします。
図 6: 新しいタスク ウィザード
[次へ] をクリックして、残りの画面では既定値をそのまま使用します。イベントを選択して [プロパティ] をクリックすると、そのイベントのプロパティ ページを開くことができます。
最後の画面で [完了] をクリックすると、コンソールは次に示す図 7 のようになります。
図 7: システム イベント ログを表示した新しいコンソール
ツールバー上の [コンソール ツリーとお気に入りの表示/非表示] ボタンをクリックします。
[表示] メニューから [カスタマイズ] をクリックし、[説明バー] 以外をすべてクリックして、すべてのツールバーを隠します。
次の節では、ユーザーが限られたビューしか見ることができないように、コンソール ファイルをロックする方法を説明します。この時点では、コンソール ファイルは次に示す図 8 のようになっています。
図 8: カスタマイズしたビュー
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コンソール ファイル オプションを設定する
ほかのユーザーのためのコンソール ファイルを作成する場合には、そのユーザーがそれ以上コンソール ファイルをカスタマイズできないようにすると便利です。このためには、[オプション] ダイアログ ボックスを使います。
コンソール ファイル オプションを設定するには
[コンソール] メニューから [オプション] をクリックします。
ドロップダウン ボックスで [ユーザー モード - 制限付きアクセス、単一のウィンドウ] を選択して、コンソール モードを変更します。こうすると、ユーザーがコンソール ファイルに新しい スナップインを追加したり、ウィンドウを再編成したりすることができなくなります。
コンソール名を "コンソール 1" 以外に変更することもできます。[OK] をクリックします。
コンソール ファイルを保存します。コンソール ファイルを次に開くと、変更内容が反映されます。
ここで紹介したのは、Microsoft 管理コンソールを使用して情報と機能をグループ化する方法の一例にすぎません。以前であれば、このような作業を行うためには、コントロール パネルを開き、さらに 2 つの別々の管理ツールを使わなければなりませんでした。MMC のモジュール アーキテクチャのおかげで、管理上の負荷を減らしながら、システム ネットワーク管理者がプラットフォームを活用して、スナップイン アプリケーションを簡単に作成できるようになりました。
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補足情報
Windows 2000 ネットワーク オペレーティング システムの最新情報については、Microsoft の Windows 2000 Web サイトを参照してください。
Windows 2000 のインストール方法と使用方法の詳細については、Windows 2000 Professional オンライン ヘルプと Windows 2000 Server オンライン ヘルプを参照してください。
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M2.doc
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