シリアル アドレス オブジェクトの作成
シリアル アドレス オブジェクトの作成
ここでは、IDirectPlay8Address メソッドを使って、シリアル サービス プロバイダ用の典型的なアドレス オブジェクトを作成する方法について説明する。
アドレス オブジェクトを作成するための最初の手順は、CoCreateInstance を呼び出して IDirectPlay8Address オブジェクトを作成することである。このパラメータには、アドレス オブジェクトのクラス識別子 (CLSID_DirectPlay8Address)、インターフェイスの識別子 (IID_IDirectPlay8Address)、IDirectPlay8Address インターフェイスへのポインタのアドレスが含まれる。次のサンプル コードは、アドレス オブジェクトを作成する方法を示している。
IDirectPlay8Address* g_pDeviceAddress;
.
.
.
hr = CoCreateInstance( CLSID_DirectPlay8Address, NULL,
CLSCTX_INPROC_SERVER,
IID_IDirectPlay8Address,
(LPVOID*) &g_pDeviceAddress );
CoCreateInstance の使い方については、「COM オブジェクトの作成」を参照すること。
アドレス オブジェクトの作成後は、少なくともサービス プロバイダのコンポーネントを設定する必要がある。そのためには、IDirectPlay8Address::SetSP を呼び出す。次のサンプル コードは、サービス プロバイダに Microsoft® DirectPlay® シリアル サービス プロバイダを設定する方法を示している。
hr = g_pDeviceAddress->SetSP(&CLSID_DP8SP_SERIAL );
EnumHosts、Connect、Host の各メソッドには、OKTOQUERYFORADDRESSING フラグ (DPNENUMHOSTS_OKTOQUERYFORADDRESSING、 DPNCONNECT_OKTOQUERYFORADDRESSING、 DPNHOST_OKTOQUERYFORADDRESSING) があり、このフラグによって DirectPlay はサービス プロバイダ コンポーネントを超えるアドレスで不足している情報をユーザーに求めることができる。しかし、ほとんどのアプリケーションでは、ユーザーの使い勝手を向上させるために、これら標準のダイアログをオーバーライドすることが予想される。以下では、シリアル サービス プロバイダに使う共通のコンポーネントと必要なコンポーネントを示す。
デバイス アドレス
ローカル プレーヤのデバイス アドレスを作成し、シリアル サービス プロバイダを使う場合は、次のコンポーネントを設定する必要がある。
- ボー レート
- ストップ ビット
- パリティ
- フロー制御
- デバイス (設定により異なる)
設定できるその他のデータの一覧については、「データ値の概要」を参照すること。
ボー レート
次のサンプル コードは、IDirectPlay8Address::AddComponent メソッドを使ってボー レートを設定する方法を示している。
DWORD dwBaudRate;
// Set dwBaudRate
hr = g_pHostAddress->AddComponent( DPNA_KEY_BAUD, //pwszName
&dwBaudRate, sizeof(dwBaudRate), //lpvData, dwDataSize
DPNA_DATATYPE_DWORD ); //dwDataType
この例では、dwBaudRate 変数に、dpaddr.h で定義された任意の DPNA_BAUD_RATE 定数を含めることができる。
ストップ ビット
次のサンプル コードは、IDirectPlay8Address::AddComponent メソッドを使ってストップ ビットを設定する方法を示している。
size_t cb;
hr = StringCbLengthW(DPNA_STOP_BITS_ONE, MAX_PATH, &cb);
hr = g_pHostAddress->AddComponent( DPNA_KEY_STOPBITS, //pwszName
DPNA_STOP_BITS_ONE, //lpvData
cb, //dwDataSize, in bytes
DPNA_DATATYPE_STRING ); //dwDataType
この例では、dpaddr.h で定義された DPNA_STOP_BITS_ONE 定数の使用によって示されるように、ストップ ビット設定は 1 となる。
パリティ
次のサンプル コードは、IDirectPlay8Address::AddComponent メソッドを使ってパリティを設定する方法を示している。
size_t cb;
hr = StringCbLengh(DPNA_PARITY_NONE, MAX_PATH, &cb);
hr = g_pHostAddress->AddComponent(DPNA_KEY_PARITY, //pwszName
DPNA_PARITY_NONE, //lpvData
cb, //dwDataSize, in bytes
DPNA_DATATYPE_STRING ); //dwDataType
この例では、dpaddr.h で定義された DPNA_PARITY_NONE 定数の使用で示されるように、パリティ設定はない。
フロー制御
次のサンプル コードは、IDirectPlay8Address::AddComponent メソッドを使ってフロー制御を設定する方法を示している。
size_t cb;
hr = StringCbLengh(DPNA_FLOW_CONTROL_RTSDTR, MAX_PATH, &cb);
hr = g_pHostAddress->AddComponent(DPNA_KEY_FLOWCONTROL, //pwszName
DPNA_FLOW_CONTROL_RTSDTR, //lpvData
cb, //dwDataSize, in bytes
DPNA_DATATYPE_STRING ); //dwDataType
この例では、dpaddr.h で定義された 定数の使用で示されるように、DPNA_FLOW_CONTROL_RTSDTR フロー制御は RTS/DTR に設定される。
デバイス
各 OKTOQUERYFORADDRESSING フラグを EnumHosts、Connect、または Host に渡さない場合、デバイスの設定が必要になることがある。
利用可能なデバイスの一覧を取得するには、EnumServiceProviders メソッドを使う。次のサンプル コードは、pguidServiceProvider パラメータに CLSID_DP8SP_SERIAL を設定して EnumServiceProviders メソッドを呼び出し、利用可能なシリアル デバイスの一覧を取得する方法を示している。
DWORD dwSize;
DWORD dwItems;
PDPN_SERVICE_PROVIDER_INFO pSPInfoBuffer;
hr = g_pDP->EnumServiceProviders(&CLSID_DP8SP_SERIAL, //pguidServiceProvider
NULL, pSPInfoBuffer, //pguidApplication, pSPInfoBuffer
&dwSize, &dwItems, 0 ); //pcbEnumData, pcReturned, dwFlags
pSPInfoBuffer パラメータはバッファのアドレスであり、呼び出しが成功した場合、DirectPlay はサービス プロバイダのデバイス情報を配置する。通常、EnumServiceProviders は 2 回呼び出される。 1 回は必要なバッファ サイズを取得するため、もう 1 回はバッファに実際にデータを格納するためである。
利用可能なデバイスを列挙したら、次に示すように IDirectPlay8Address::AddComponent メソッドを使ってシリアル デバイスを選択する。
GUID pGuid;
// Set pGuid
hr = g_pDeviceAddress->AddComponent( DPNA_KEY_DEVICE, //pwszName
pGuid, sizeof(GUID), //lpvData, dwDataSize
DPNA_DATATYPE_GUID); //dwDataType
この例では、pGuid は選択されたシリアル デバイスを表すグローバル一意識別子 (GUID) のアドレスである。
ホスト アドレス
シリアル ホストのアドレスには、シリアル プロバイダ コンポーネントを超える追加情報を含める必要はない。