WebDAV ロックの使用方法
作成者 : Robert McMurray
発行日 : 2009 年 3 月 12 日 (作業者 : iisteam(英語))
更新日 : 2009 年 3 月 18 日 (作業者 : iisteam(英語))
はじめに
Microsoft は、Windows Server© 2008 のインターネット インフォメーション サービス 7.0 (IIS 7.0) 用に完全に書き換えられた、新しい WebDAV 拡張モジュールを作成しました。この新しい WebDAV 拡張モジュールには多くの新機能が組み込まれており、Web 作成者にはコンテンツの発行がしやすくなる環境を、Web 管理者にはより優れたセキュリティおよび構成オプションを提供します。
WebDAV 7.5 の機能の 1 つとして、コンテンツに対して WebDAV ロックを作成できることが挙げられます。これは多くの場合、Web サイトのコンテンツを更新する際にファイルをロックするために使用されます。
このドキュメントでは、新しい WebDAV モジュールを構成して、WebDAV クライアントが使用する Web サーバーで WebDAV ロックを有効にする方法について説明します。
このチュートリアルの内容
- IIS マネージャーを使用したロックの有効化
- AppCmd を使用したロックの有効化
前提条件
この記事の手順を完了するには、次の項目を満たしている必要があります。
- サーバーに IIS 7.0 以降がインストールされ、以下が構成されている必要があります。
- IIS のインストールで作成された既定の Web サイトがまだ存在する。
- インターネット インフォメーション サービス (IIS) マネージャーがインストールされている。
- 新しい WebDAV 7.5 モジュールがインストールされている必要があります。新しい WebDAV モジュールのインストールについては、次のドキュメントを参照してください。
注 : このドキュメントの手順を実行する前に、完全な管理者ユーザー権限を持っていることを確認する必要があります。そのためには、次のいずれかの方法を使用することをお勧めします。
- ローカル管理者アカウントを使用してコンピューターにログオンします。
- ローカル管理者アカウント以外の管理アクセス許可を持つアカウントを使用してログインする場合は、IIS マネージャーおよびすべてのコマンド プロンプト セッションを "管理者として実行" オプションを使用して開きます。
Windows Server 2008 では、ユーザー アカウント制御 (UAC) セキュリティ コンポーネントにより、IIS 7.0 の構成設定への管理者としてのアクセスが制限されるため、上記の条件が必要となります。UAC の詳細については、次のドキュメントを参照してください。
IIS マネージャーを使用したロックの有効化
- IIS 7.0 マネージャーの [接続] ウィンドウで、ツリー内の [サイト] ノードを展開し、[Default Web Site] をクリックします。
- 次の図で示すように、[WebDAV Authoring Rules] 機能をダブルクリックします。
- [WebDAV Authoring Rules] ページが表示されたら、[操作] ウィンドウの [WebDAV Settings] タスクをクリックします。
- [WebDAV Settings] ページが表示されたら、次のオプションを指定します。
- [Allow Locks] を [True] に設定します。
- [Lock Store] で、ドロップダウン リストから [webdav_simple_lock] を選択します。
- 目的に応じて [Require Lock for Writing] を設定します。
- 5. 手順 1. ~ 4. を完了したら、[操作] ウィンドウの [適用] をクリックします。
AppCmd を使用したロックの有効化
AppCmd.exe は、IIS 7.0 を管理するための新しいコマンドライン ツールです。このユーティリティを IIS および WebDAV で使用する方法についての追加情報は、次のドキュメントにあります。
次の手順は、AppCmd.exe ユーティリティを使用して WebDAV のロック設定を構成する方法を示しています。
注 : AppCmd.exe ユーティリティは %WinDir%\System32\InetSrv フォルダーにあります。
ロック動作の構成
WebDAV ロックの有効化
WebDAV ロックを有効にするには、次の例の構文を使用して、"authoring" セクションの "locks" コレクションで "enabled" 属性を "true" に設定します。
Appcmd.exe set config "Default Web Site" -section:system.webServer/webdav/authoring /locks.enabled:"True" /commit:apphost
WebDAV ロックを無効にするには、次の例の構文を使用します。
Appcmd.exe set config "Default Web Site" -section:system.webServer/webdav/authoring /locks.enabled:"False" /commit:apphost
WebDAV のロックの要求
複数の WebDAV クライアントが同時にコンテンツを更新することを避けるために、ロックを要求するように WebDAV を構成できます。これには、次の例の構文を使用して、"authoring" セクションの "locks" コレクションで "requireLockForWriting" 属性を "true" に設定します。
Appcmd.exe set config "Default Web Site" -section:system.webServer/webdav/authoring /locks.requireLockForWriting:"True" /commit:apphost
ロックを要求しないように WebDAV を構成するには、次の例の構文を使用します。
Appcmd.exe set config "Default Web Site" -section:system.webServer/webdav/authoring /locks.requireLockForWriting:"False" /commit:apphost
ロック プロバイダーの管理
WebDAV モジュールは、構成可能な一連のロック プロバイダーと連携するように設計されていますが、現在開発されているのは "webdav_simple_lock" という名前のプロバイダー 1 つだけです。将来的には、追加のロック プロバイダーが開発される可能性があります。
ロック プロバイダーの構成
Web サイトのロック プロバイダーを指定するには、次の構文を使用します。
Appcmd.exe set config "Default Web Site" -section:system.webServer/webdav/authoring /locks.lockStore:"webdav_simple_lock" /commit:apphost
ロック プロバイダーの削除
Web サイトのロック プロバイダーを削除するには、次の構文を使用します。
Appcmd.exe set config "Default Web Site" -section:system.webServer/webdav/authoring /locks.lockStore:""/commit:apphost
まとめ
このドキュメントでは、次の方法を使用して WebDAV ロックの設定を構成する手順について説明しました。
- IIS マネージャーの使用
- AppCmd の使用
詳細情報
WebDAV の使用方法の詳細については、次の記事を参照してください。