BPOS Standard サポートのサービス レベル目標と構成リクエスト可能項目
マイクロソフトではサービスの品質と、それを支えるサポートの品質に継続的に力を入れています。直近の取り組みとしては、昨年 9 月のサービス正常性ダッシュボードの公開、10 月の日本人スタッフによるテクニカル サポートの 24 時間 365 日化、今年 1 月に発表されたビジネスおよび開発者向けのサポート ライフサイクルの発表などが挙げられます。また、同時に、サポートで取り扱われるサポート リクエストに適用される基準や、リクエストができる内容等についても、なるべく分かりやすく情報を公開することを進めています。この記事では、お客様からサポートに関するお問い合わせをよくいただく 2 つの項目、サポート リクエストに適用される深刻度の基準と初回応答時間、および構成リクエストとして可能な内容についてご紹介します。
サポート リクエストの深刻度と初回応答時間
マイクロソフトは、お客様から報告された深刻度レベルに応じてサービス リクエストに優先順位を付けます。ガイドラインとして以下の表 1 の定義を参照してください。サービス リクエストの対応期間中、お客様はいつでも Microsoft Online Services のサポート チームに連絡し、深刻度レベルの変更を依頼できます。表 1 では、問題の深刻度ごとに、マイクロソフトおよびお客様の双方による対応速度と、継続的な連絡頻度の目安を示しています。
Microsoft Online Services は、サービスの可用性に影響する、深刻度が 1 または A のサービス リクエストについて正式な対応プロセスを定めています。このプロセスは、サービス停止時間を最小限に抑えることを目標とします。これは、可用性のサービス レベル契約 (SLA) の達成度に影響します。Microsoft Online Services では、サービスの可用性に影響を与える可能性のあるサービス リクエストは、深刻度 1 または A に分類されます (表 1 を参照)。
表 1: サービス リクエストの深刻度の割り当て
深刻度
業務およびサポートの定義
初回の応答時間の目標
お客様に更新情報を通知する頻度の目標
致命的
(深刻度 1)
すべてのサービスにアクセスが不可能で、運用または収益に影響を及ぼしている。複数の企業またはユーザーが、すべてのサービスの機能を使用できないことを報告している。データのセキュリティ、プライバシーや規制に関する違反が発生または発生する可能性がある。
15 分以内
1 時間以内
A (重大)
1 つまたは複数のサービスに影響がある。運用、業務、または展開の期限に深刻な影響を与えるか、運用または収益に深刻な影響を与える。複数のお客様、ユーザー、またはサービスが部分的に影響を受けている。
1 時間以内
2 時間
B (緊急)
状況による業務への影響は中程度で、業務時間帯に対応が可能。サービスの使用は継続されているが、不完全な状態である。単一のユーザー、お客様、またはサービスが部分的に影響を受けている。
2 時間
24 時間
C (重要)
状況による業務への影響は小さい。問題は重要ではあるが、お客様の現在のサービスまたは生産性に重大な影響は生じていない。単一のユーザーに対する部分的な中断があるが、許容可能な回避策がある。
4 時間
72 時間
D (勧告)
この深刻度は設計変更要求、機能要求、研究活動、および他の同様の項目のために使用される。お客様の業務への影響はない。
48 時間
必要に応じて
BPOS Standardのサポートおよびサービス管理についてのより詳しい情報、および最新の情報は「Microsoft Online Standard サービスの説明」の『Microsoft Online Services サポートとサービス管理の説明』を参照してください。
テクニカル サポートへの構成リクエストが可能な項目
管理センターや PowerShell 等、お客様がアクセス可能な方法で変更することができない設定の中には、テクニカル サポートに構成リクエストをサービス リクエストの形で出すことで変更できる項目があります。構成リクエストは、通常のテクニカル サポートと同様、追加コストが発生しません。
構成リクエストは、Microsoft Online Services 管理センターのサービス リクエスト機能を使用して Microsoft Online Services オペレーション チームに送信します。サービス構成リクエストには、標準と非標準の 2 種類があります。標準リクエストは、BPOS Standard のすべてのお客様が利用できます。非標準リクエストは、リクエストが Microsoft Online Services サポート チーム側で吟味されます。リクエストが 100% 承認されるとは限りません。
表 2 は、BPOS Standard のお客様が利用できるサービス構成リクエストを示しています。
表 2: 標準および非標準サービス構成リクエスト
構成リクエスト名
種類
領域
サービス リクエストに含めるもの
制限
BPOS サブスクリプションに関連付けられた Windows Live ID の変更
標準 (※)
カスタマー ケア
新しい Windows Live ID。
ジャーナリングの有効化
標準
Exchange Online
「Exchange Online でExchange Hosted Archive を使うための構成ガイド」で定める内容。
外部メール転送 (サーバー側)
標準
Exchange Online
ユーザーおよび電子メール アドレスのリストと、ターゲット アドレスを提供する。
POP 接続の有効化
標準
Exchange Online
ユーザーおよび電子メール アドレスのリストを提供する。
ユーザーをアクティブ化したらリクエストする必要があります。
切り離されたメールボックスの再接続
標準 (※)
Exchange Online
会議室メールボックス サイズの増加
標準 (※)
Exchange Online
メールボックスのリストを提供する。
最大 100 MBです。(既定値は 50 MB)
カスタムのフッターおよび免責事項の追加
標準
Exchange Online
送信メールのフッターまたは免責事項に含めるテキスト。
"Send-As" アクセス権の付与
標準
Exchange Online
特定の配布リストまたは連絡先の非表示
標準
Exchange Online
対象となる配布リストまたは連絡先のリストを提供する。
ディレクトリ同期を利用していない場合にのみリクエスト可能です。
ドメイン確認の省略
非標準
Exchange Online
対象となる独自ドメイン名と CNAME の値。
500 ユーザー以上のお客様に制限されます。
また、お客様自身で CNAME の設定ができない強い理由がある場合に限ります。
Outlook Web Access の無効化
非標準
Exchange Online
ユーザーおよび電子メール アドレスのリストを提供する。
500 ユーザー以上のお客様に制限されます。
メール保持ポリシーの設定
非標準
Exchange Online
サポートより提供されるフォームに必要事項を記入する。
メールボックスまたは特定のフォルダーについて 30 日/60 日/90 日に設定可能。
既定のフォルダー (受信トレイ、予定表、削除済みアイテムなど) のみに適用。
FOPE ポリシーの追加または修正
標準
Forefront Online
Protection for Exchange
X ヘッダーの追加による FOPE/BPOS Standard スパム検疫メールボックスの無効化
標準
Forefront Online
Protection for Exchange
対象の組織名を提供する。
FOPE 管理センターへの限定された権限の付与
標準
Forefront Online
Protection for Exchange
管理者にするユーザーと権限 (下記から選択) の情報を提供する
- レポート ユーザー
- 管理者 (読み取り専用)
- 検疫メールボックス管理者
- アカウント マネージャー
記載以外の管理権限は提供できません。
FOPE レポートのリクエスト
非標準
Forefront Online
Protection for Exchange
500 ユーザー以上のお客様に制限されます。
代わりにレポート ユーザー権限を取得してお客様自身で FOPE 管理センターにて操作をしていただくことができます。
Active Directory オブジェクトの制限値の増加
非標準
ID およびユーザーのプロビジョニング
必要なオブジェクト数を提供する。
オブジェクト数が 20,000 を超える場合に申請します。
organizationName 属性の設定
標準
ID およびユーザーのプロビジョニング
ユーザーおよび電子メール アドレスのリストを提供する。
DirSync を使用しているお客様のみ利用できます。
監査ログ詳細のリクエスト
非標準
ID およびユーザーのプロビジョニング
監査するユーザー名と電子メール アドレスを提供する。
500 ユーザー以上のお客様に制限されます。
ユーザー アカウントの追加/削除、セキュリティ グループの追加/削除、パスワード変更、およびプライマリ所有者以外のユーザーによるメールボックスへのアクセスに制限されます。
配布リストのセキュリティ グループへの変換
標準 (※)
ID およびユーザーのプロビジョニング
対象となる配布リストの名前または電子メール アドレスのリストを提供する。
サービス アカウント用に無期限パスワード
非標準
ID およびユーザーのプロビジョニング
対象となるサービス アカウント。
500 ユーザー以上のお客様に制限されます。
サービス アカウントに限定されます。
また、間違ってパスワードを変更すると無期限属性は解除されます。
Microsoft ActiveSync ポリシーのカスタマイズ
非標準 (※)
モビリティ
カスタマイズできる範囲には制限があります。
次のポリシーのみカスタマイズが可能です。
- DeviceEncryptionEnabled
(既定値 = FALSE) - RequireStorageCardEncryption
(既定値 = FALSE) - DevicePasswordEnabled
(既定値 = FALSE) - MaxInactivityTimeDeviceLock
(既定値 = 15:00) - MaxDevicePasswordFailedAttempts
(既定値 = 8) - RequireDeviceEncryption
(既定値 = FALSE)
ActiveSync サービスの無効化
標準 (※)
モビリティ
無効にするユーザーのリスト。全ユーザーを無効にするリクエストも可能。
標準の BlackBerry Enterprise Server ポリシーの追加または修正
標準
モビリティ
カスタムの BlackBerry Enterprise Server ポリシーの追加または修正
非標準
モビリティ
変更するポリシーの内容。
500 ユーザー以上のお客様に制限されます。
パスワード長の変更は受け入れ可能ですが、種類によっては設定不可能なものもあります。
マルチテナントの BlackBerry Enterprise Server サービスの有効化
標準
モビリティ
BlackBerry デバイスのワイプ
標準
モビリティ
ユーザー名と電子メール アドレスを提供する。
BlackBerry デバイスの追加/削除/リセット
標準
モビリティ
対象となるユーザー名。追加の場合は利用するポリシーも提供する。
削除したサイト コレクションの復元
標準
SharePoint Online
バックアップは 12 時間ごとにとっているため、最大 12 時間前の状態で復元されることがあります。
BPOS Standard で受けられる構成リクエストの一覧についての最新の情報は「BPOS Standard 展開ガイド」の『付録: サービス構成のリクエスト』、および「Microsoft Online Standard サービスの説明」の『Microsoft Online Services サポートとサービス管理の説明』の『付録 C: 標準のサービス リクエスト』を参照してください。