| Microsoft Office 2000/Visual Basic プログラマーズ ガイド | |
Microsoft Script Editor が Office アプリケーションに追加されたため、HTML コード、DHTML オブジェクト、および Office アプリケーション内で Office ドキュメントのスクリプトを使用できます。Script Editor を開くには、[ツール] メニューの [マクロ] をポイントし、[Microsoft Script Editor] をクリックしてください。
メモ Microsoft Script Editor は、Microsoft Outlook では使用できません。Outlook でスクリプトを使用するには、Outlook スクリプト エディタを使用してください。Outlook スクリプト エディタの使用方法の詳細については、第 4 章「Office のオブジェクトおよびオブジェクト モデルを理解する」を参照してください。
Script Editor は、Visual Basic Editor と同様に使用できるようデザインされています。Visual Basic Editor との相違点は、Script Editor のインスタンスは一度に 1 つのみ開かれる点で、Script Editor の プロジェクト エクスプローラ を使用することにより、開いている Office ドキュメントで、Script Editor も開いているすべてのドキュメントにアクセスできます。
Script Editor で Office ドキュメントを表示すると、Web ページとしてレンディングされた際、このドキュメントを構成する HTML および XML コードが表示されます。
Office ドキュメントの XML コードについて
Script Editor またはほかの HTML エディタで Office ドキュメントを表示すると、典型的な HTML ドキュメントには見られない情報が多く含まれている場合がありますが、多くの場合、これらは Office アプリケーションによりドキュメントに追加された XML (Extensible Markup Language) 要素と呼ばれるものです。Office ドキュメントにおける <XML> タグ間の情報が、XML コードとなります。
既定で Office ドキュメントに表示される XML データは、ドキュメントの作成に使用したアプリケーションによって異なります。Microsoft Excel、Microsoft PowerPoint、および Word の XML データは、ドキュメント プロパティ、またはオプション設定など、ドキュメントに固有の情報を保存するために使用され、Office アプリケーションで開く際、Office ドキュメントとしてページが正確に整えられます。Access データ アクセス ページの XML データは、非表示となっている Microsoft Office のデータ ソース コントロール (MSODSC) へのデータ供給に使用されます。HTML エディタを使用する場合、Office ドキュメントに表示される XML コードを操作する必要はありません。
注意 アクセス データ アクセス ページ内のデータ ソース コントロールに関連する XML コードの操作は行わないでください。
この章では、XML については詳しく解説されていません。XML の詳細については、Microsoft Site Builder Workshop の Web サイト https://www.microsoft.com/workshop/c-frame.htm#/xml/default.asp を参照してください。
Script Editor のユーザー環境について
Script Editor では、エディタ ウィンドウ下の [ソース] タブにより、Office ドキュメント内の HTML コードおよびスクリプトを使用します。Office のホスト アプリケーションに切り替え、または Web ブラウザにドキュメントを表示することなく、[クイック ビュー] タブを使用してページの作業結果を確認することができます。
メモ Script Editor には [デザイン] タブも表示されていますが、Office ドキュメントでの作業中にデザイン ビューを使用することはできません。
ドキュメントの異なるビューをタブで切り替える以外に、エディタ ウィンドウの左側にあるツールボックス、[HTML アウトライン] ウィンドウ、および [スクリプト アウトライン] ウィンドウを利用することも可能です。Visual Basic Editor の UserForms で作業する場合と同様、Script Editor のツールボックスを使用してページ上の HTML コードにコントロールを追加します。ページにおける HTML オブジェクトの階層を確認するには、[HTML アウトライン] ウィンドウを使用します。また、ドキュメント内の様々な DHTML オブジェクトを確認するには、[スクリプト アウトライン] ウィンドウを使用します。Visual Basic Editor と同様、Script Editor の [ソース] ビューには、利用可能なオブジェクトおよび関連するメソッドとプロパティを表示するドロップダウン リストと共に、色分けされたドキュメントの HTML コードが含まれています。
メモ 詳細なScript Editor のユーザー環境のドキュメントについては、Script Editor の [ヘルプ] メニューの [目次] をクリックしてください。
Script Editor を使用してイベント プロシージャを追加する
[スクリプト アウトライン] ウィンドウにより、Office ドキュメントへ簡単にイベント プロシージャを追加できます。たとえば、document オブジェクトの onclick イベントにイベント プロシージャを追加するには、[スクリプト アウトライン] ウィンドウ内の document オブジェクト横にある [+] 記号をクリックし、onclick をダブルクリックします。Script Editor により、ドキュメントの VBScript <SCRIPT> ブロックを挿入し、図 12.2 で示されているように、onclick イベント プロシージャを追加します。
図 12.2 Microsoft Script Editor 内の [スクリプト アウトライン] ウィンドウ
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Office ドキュメントに Script Editor でイベント プロシージャを追加した場合と、Visual Basic Editor で追加した場合とでは、その結果が大きく異なり、Script Editor では括弧または必須の引数 (該当する場合) がイベント プロシージャの最後に追加されません。
引数を必要としないイベント プロシージャでは、空のかっこがない場合でも、ページがブラウザに表示されるとスクリプトが実行されますが、引数を必要とするイベント プロシージャでは、かっこがないと、プロシージャで欠如している引数を使用しない場合でもスクリプトが実行されません。この点を認識していない場合、引数の欠如がスクリプトをデバッグする際の障害となります。
追加の引数を必要とするイベント プロシージャ、およびそのプロシージャに必要な引数を決定します。決定後、引数を手動で追加します。オブジェクトに関連するイベント プロシージャについての詳細な解説については、オブジェクトのヘルプ ファイルを参照するか、またはオブジェクト ブラウザを使用してください。次の例は、Office スプレッドシート コントロールの Calculate イベントに使用するイベント プロシージャで、Script Editor では追加されない引数が必要となります。
Sub Spreadsheet1_Calculate(EventInfo)
document.all("txtTotal").value = formatNumber(document _
.all("Spreadsheet1").Range("A7").value, 2, TristateTrue, TristateTrue)
End Sub
この例にあるかっこおよび EventInfo 引数は手動で追加され、引数の情報は Office スプレッドシート コントロールのヘルプ ファイルにある Calculate イベントについてのヘルプ トピックから取得されています。ここで使用した EventInfo は、実際にヘルプ ファイルにある引数名ですが、名前の変更は可能です。各引数にプレースホルダがある限り、引数に同じ名前を使用する必要はありません。