MessageTrace レポート

MessageTrace REST URI は、過去 30 日間に Office 365 システムを介して組織に渡された電子メール メッセージの処理に関するサマリー情報を提供します。このレポートは通常は、ユーザーからのメッセージが想定どおりに配信されなかった理由を判別するために MessageTraceDetail レポート と共に使用されます。

最終更新日: 2015年9月17日

適用対象: Office 365

REST URI

https://reports.office365.com/ecp/reportingwebservice/reporting.svc/MessageTrace[?ODATA options]

フィールド

次のフィールドは、$select、$filter、$orderby ODATA2 クエリ オプションに指定できます。$select オプションが指定されない場合、すべてのフィールドが返されます。

名前

WCF 型*

EDM 型*

[入力/出力]** 説明

値の例

提供されたバージョン

EndDate

System.DateTime

Edm.DateTime

[入力] このフィールドは、レポートの期間を制限するのに使用されます。 このフィールドを $filter クエリ オプションに使用して、レポート期間の終了日時を設定します。 EndDate を $filter オプションに指定した場合、StartDate も指定する必要があります。 このレポートでは、このフィールドは、メッセージに対して記録された最後の処理ステップの日付と時刻に対応しています。

短い形式の日付 (たとえば、03/10/2013) または引用符付きの 日付/時刻 (たとえば、"03/10/2013 4:55 PM")

2013-V1

FromIP

文字列

指定なし

[入力/出力] Office 365 電子メール システムにメッセージを送信した IPv4 または IPv6 のアドレス。

192.168.0.205

2013-V1

MessageId

文字列

指定なし

[入力/出力] メッセージのインターネット MessageID ヘッダーです (指定されている場合)。この値は明示的に null にすることもできます。

メッセージの ID が提供されていない場合、レポート データには Atom の場合は <d:MessageId m:null="true" />、JSON の場合は "MessageId":null と表示されます。

2013-V1

MessageTraceId

System.Guid

Edm.Guid

[入力/出力] 詳細メッセージ転送トレース情報を取得するために使用する識別子です。

ae4ad8f6-7613-411c-e67e-08cfc740629

2013-V1

Organization

文字列

指定なし

[入力/出力] 電子メールを処理した完全修飾ドメイン名です。

example.onmicrosoft.com

2013-V1

Received

System.DateTime

Edm.DateTime

[入力/出力] 電子メールが Office 365 電子メール システムによって受信された日付と日時です。これは最初のメッセージ トレース詳細のエントリの Date フィールドに対応します。

2013-01-09T07:32:54Z

2013-V1

RecipientAddress

文字列

指定なし

[入力/出力] メッセージの送信先ユーザーの SMTP 電子メール アドレスです。

userone@example.onmicrosoft.com

2013-V1

SenderAddress

文字列

指定なし

[入力/出力] メッセージの送信元とされているユーザーの SMTP 電子メール アドレスです。 スパムの電子メールでは送信元のアドレスを偽装することが一般的なので、それらを完全に信頼することはできません。

usertwo@example.onmicrosoft.com

2013-V1

Size

整数

Edm.Int64

[入力/出力] メッセージのサイズ (バイト数)。

39405

2013-V1

StartDate

System.DateTime

Edm.DateTime

[入力] このフィールドは、レポートの期間を制限するのに使用されます。 このフィールドを $filter クエリ オプションに使用して、レポート期間の開始日時を設定します。StartDate を $filter オプションに指定する場合は、EndDate も指定する必要があります。このレポートでは、このフィールドは、メッセージに対して記録された最後の処理ステップの日付と時刻に対応しています。

短い形式の日付 (たとえば、03/10/2013) または引用符付きの 日付/時刻 (たとえば、"03/10/2013 4:55 PM")

2013-V1

Status

文字列

指定なし

[入力/出力] Office 365 電子メール システムでのメッセージの状態です。これは、メッセージに対して記録された最後の処理ステップの Detail フィールドに対応します。

Delivered

2013-V1

Subject

文字列

指定なし

[入力/出力] メッセージの件名行です (メッセージに存在していた場合)。

Free M0ney WoN!

2013-V1

ToIP

文字列

指定なし

[入力/出力] Office 365 電子メール システムがメッセージを送信した先の IPv4 または IPv6 のアドレス。

192.168.0.215

2013-V1

*WCF 型は、 Visual Studio に Windows Communication Foundation (WCF) Service Reference を作成する場合にフィールドに割り当てられる .NET Framework データ型を参照します。EDM 型は、Atom 形式のレポートで返される ADO.NET エンティティ データ モデル (EDM) 型を参照します。

**[入力/出力] インジケータについては、「入力パラメーターとレポート出力列」のセクションを参照してください。

解説

レポート内の各エントリにはメタデータの複数のフィールドが含まれます。 詳しくは、「Office 365 レポート Web サービスが返す一般的なメタデータ」を参照してください。

Date フィールドは、メッセージが Office 365 システムで処理された日時を示し、それらのサーバーのタイム ゾーンで報告されます。

このレポートは電子メール システムを通過するメッセージの要約情報を提供します。より詳細なトレース情報が利用可能です。詳細なトレース情報を取得するために、アプリケーションは MessageTraceDetail レポートを使用できます。詳細なトレース情報を取得するには、アプリケーションが次の情報をすべて提供することが重要です。メッセージのトレースの詳細については、「方法: Office 365 で電子メール メッセージをトレースする方法」を参照してください。

  • MessageTraceIdMessageTrace レポート出力からの GUID です。

  • RecipientAddress メッセージの宛先です。

  • SenderAddress メッセージの送信者です。

  • メッセージが処理された期間を示す StartDate および EndDate。

StartDate と EndDate の使用

StartDate と EndDate フィールドは、レポート結果では有用な情報を提供しませんし、レポート出力では常に 0001-01-01T00:00:00Z に設定されます。これらは、レポート時間ウィンドウで簡単に制限を行えるようにするためのもので、「毎日」のレポートよりも細かく時間指定できるようにします。

これは、たとえば、電子メールベースのサービス拒否攻撃を時間単位で記録するときに特に役立ちます。これらのフィールドを使用する際、両方とも $filter オプションに含める必要があります。どちらもオプションですが、一方を指定した場合、もう一方も指定する必要があります。StartDate/EndDate のペアがクエリに指定されていない場合、既定のレポート期間は、前の 2 週間になります。このトピックの後ろにある「例」セクションで、StartDate フィールドと EndDate フィールドの使用方法について示します。

MessageTrace レポートでは、これらのフィールドは、$filter オプションに渡された時間を返します。 受信日時フィールドは、システムがメッセージを受信した日時を示します。失敗したメッセージの場合、この値は数日間に及ぶことがあります。

次の例は、デフォルトの期間である過去 48 時間のメッセージ トレース情報を要求する方法を示しています。

https://reports.office365.com/ecp/reportingwebservice/reporting.svc/MessageTrace?
<?xml version="1.0" encoding="utf-8"?>
<feed xml:base="https://reports.office365.com/ecp/ReportingWebService/Reporting.svc/" 
    xmlns="http://www.w3.org/2005/Atom" 
    xmlns:d="https://schemas.microsoft.com/ado/2007/08/dataservices"
    xmlns:m="https://schemas.microsoft.com/ado/2007/08/dataservices/metadata">
  <id>https://reports.office365.com/ecp/reportingwebservice/reporting.svc/MessageTrace</id>
  <title type="text">MessageTrace</title>
  <updated>2013-02-09T23:10:29Z</updated>
  <link rel="self" title="MessageTrace" href="MessageTrace" />
  <entry>
    <id>https://reports.office365.com/ecp/ReportingWebService/Reporting.svc/MessageTrace(0)</id>
    <category term="TenantReporting.MessageTrace" 
      scheme="https://schemas.microsoft.com/ado/2007/08/dataservices/scheme" />
    <link rel="edit" title="MessageTrace" href="MessageTrace(0)" />
    <title />
    <updated>2013-02-09T23:10:29Z</updated>
    <author>
      <name />
    </author>
    <content type="application/xml">
      <m:properties>
        <d:Organization>example.onmicrosoft.com</d:Organization>
        <d:MessageId>&lt;8CFD41EEA339B87-1048-248A6@servername.organization.example.com&gt;</d:MessageId>
        <d:Received m:type="Edm.DateTime">2013-02-08T14:22:55.2046427</d:Received>
        <d:SenderAddress>useone@example.com</d:SenderAddress>
        <d:RecipientAddress>usertwo@example.onmicrosoft.com</d:RecipientAddress>
        <d:Subject>Test Inbound Eicar 20130208 - 922AM</d:Subject>
        <d:Status>Failed</d:Status>
        <d:ToIP m:null="true" />
        <d:FromIP>192.168.0.1</d:FromIP>
        <d:Size m:type="Edm.Int32">3584</d:Size>
        <d:MessageTraceId m:type="Edm.Guid">4682e74e-a81a-4760-c35b-08cfd41eebc2</d:MessageTraceId>
        <d:StartDate m:type="Edm.DateTime">2013-02-07T23:10:28.6473929Z</d:StartDate>
        <d:EndDate m:type="Edm.DateTime">2013-02-09T23:10:28.6473929Z</d:EndDate>
        <d:Index m:type="Edm.Int32">0</d:Index>
      </m:properties>
    </content>
  </entry>
</feed>

入力パラメーターとレポート出力列

フィールド表の [入力/出力] という表記には次の意味があります。

  • [フィールド] 表で [入力] が付いているフィールドは、主に $filter=、$orderby= およびレポートが返すエントリを制限する他のクエリ オプションで使用するためのものです。[フィールド] 表で [入力] が付いているフィールドは、$select= オプションに含めることができ、レポート エントリに表示されますが、有用なデータは入っていません。

  • [フィールド] 表で [入力/出力] が付いているフィールドは、列選択 ($select=) およびエントリ制限 ($filter= と $orderby=) オプションの両方で使用できます。これらのフィールドを $select= オプションに含めると、レポート エントリに表示され、利用可能な場合には有用なデータが入っています。

互換性

MessageTrace レポートは、Office 365 サービス バージョン 2013-V1 で導入されました。バージョン管理の詳細については、「Office 365 レポート Web サービスのバージョン管理」を参照してください。

対応する Windows PowerShell コマンドレット

MessageTrace レポートは、Get-MessageTrace Windows PowerShell コマンドレットと同じ情報を返します。

権限

レポートにアクセスするアカウントには、その Office 365 組織の管理権限が必要です。このレポートを Office 365 コントロール パネルで表示できる場合、そのアカウントには REST Web サービスからデータを取得する権限があります。 このレポートでは、ユーザーを参照のみ可受信者の役割に割り当てる必要があります。 既定の Office 365 権限構造では、次の管理者権限があるユーザーはこのレポートにアクセスできます: 課金管理者、全体管理者、パスワード管理者、サービス管理者、ユーザー管理の管理者。詳しくは、「MailboxUsage レポート」を参照してください。

データの細分性、永続性、可用性

このレポートで使用できる情報には、各イベントの正確な日付と時刻が含まれます。StartDate と EndDate フィールドを $filter オプションに含めて、ふさわしい期間や間隔を指定できます。時刻は電子メール メッセージをスキャンするサーバーのタイム ゾーンで報告されます。

このレポートの情報は、30 日間またはサブスクリプションをキャンセルするまで利用可能です。

イベントがレポートに表示されるまで、最大で 24 時間遅れる場合があります。