Visual Studio Installer を使用したスマート タグ DLL の配布
Paul Cornell
Microsoft Corporation
April 2001
概要 : この記事は、MicrosoftR Visual StudioR Installer を使って、 Microsoft Office XP ユーザーにスマート タグ DLL (ダイナミック リンク ライブラリ) ファイルを配布する方法を説明します。
目次
はじめに
Visual Studio Installer を使ったスマート タグ DLL の配布
まとめ
はじめに
スマート タグは、Office XP で導入された新機能で、 Office XP ベースの文書内のテキストを外部リソースにリンクすること、 または Office XP ベースの文書をほかのカスタム ソリューションと連結して使用することができます。 開発者は Office XP に含まれる Microsoft Smart Tags 1.0 Type Library を応用して、 スマート タグ テクノロジを利用する DLL を作成できます。
スマート タグ DLL を配布するには、エンド ユーザーのローカル ハード ディスクに スマート タグ DLL をコピーさせる必要があり、 エンド ユーザーのコンピュータのレジストリを変更させる必要があります。 しかし、このアプローチは、エラーを生じる原因となり、後の保守が悩みの種になることがあります。
よりよいアプローチは、Visual Studio Installer などのセットアップ作成ツールを使用することです。 Visual Studio Installer は、Visual Studio 6.0 Professional Edition または Enterprise Edition ツールの ライセンスを保持するユーザーであれば、 Visual Studio Web サイトからダウンロードして利用できます。 この記事を記述している時点の Visual Studio Installer のバージョンは 1.1 です。 Visual Studio Installer のダウンロードおよびインストール方法に関する詳細については、 Visual Studio Web サイトをご覧ください。
カスタム スマート タグ DLL の作成については、この記事では説明しません。 スマート タグ DLL の作成方法に関する詳細については、スマート タグ DLL の開発 または Office XP Developer に収録されるスマート タグ SDK をご覧ください。
Visual Studio Installer を使ったスマート タグ DLL の配布
Visual Studio Installer を使ってスマート タグ DLL を配布する方法
[スタート] メニューで [プログラム]、[Microsoft Visual Studio 6.0]、 [Microsoft Visual Studio 6.0 Enterprise ツール] を順にポイントし、 [Visual Studio Installer] をクリックします。
[プロジェクトの新規作成] ダイアログ ボックスの [新規作成] タブで [Visual Studio] フォルダを展開し、[Visual Studio Installer のプロジェクト] をクリックします。
[空のインストーラ] アイコンをクリックして、 [名前] ボックスに新しいプロジェクトの名前を入力し、 [場所] ボックスに新しいプロジェクトを構築する場所を示すパスを入力します。 次に [開く] をクリックします。
[プロジェクト エクスプローラ] ウィンドウで、[レジストリ] をダブルクリックします。
[ターゲット マシン上のレジストリ] フォルダを展開し、 [HKEY_CURRENT_USER] フォルダを展開します。
[SOFTWARE] フォルダを右クリックして、 [新規作成] をポイントし、[キー] をクリックします。[New Key #1] フォルダの名前を Microsoft に変更します。
新しく作成した [Microsoft] フォルダを右クリックして、 [新規作成] をポイントし、[キー] をクリックします。[New Key #1] フォルダの名前を Office に変更します。
新しく作成した [Office] フォルダを右クリックして、 [新規作成] をポイントし、[キー] をクリックします。[New Key #1] フォルダの名前を Common に変更します。
新しく作成した [Common] フォルダを右クリックして、 [新規作成] をポイントし、[キー] をクリックします。[New Key #1] フォルダの名前を Smart Tag に変更します。
新しく作成した [Smart Tag] フォルダを右クリックして、 [新規作成] をポイントし、[キー] をクリックします。[New Key #1] フォルダの名前を Actions に変更します。
新しく作成した [Actions] フォルダを右クリックして、[新規作成] をポイントし、[キー] をクリックします。[New Key #1] フォルダの名前をスマート タグ DLL のCLSID に変更します。CLSID を取得するには、レジストリ エディタで HKEY_CLASSES_ROOT\[スマート タグ DLL の名前].[アクションのクラス ファイルの名前]\CLSID (例: HKEY_CLASSES_ROOT\MyFirstSmartTag.SmartTagAction\CLSID) を開き、値の名前 "(標準)" をダブルクリックして値のデータをコピーします。
上記の手順 9 で作成した [Smart Tag] フォルダを右クリックして、 [新規作成] をポイントし、[キー] をクリックします。 [New Key #1] フォルダの名前を Recognizers に変更します。
新しく作成した [Recognizers] フォルダを右クリックして、[新規作成] をポイントし、[キー] をクリックします。 [New Key #1] フォルダの名前をスマート タグ DLL の CLSID に変更します。CLSID を取得するには、レジストリ エディタで HKEY_CLASSES_ROOT\[スマート タグ DLL の名前].[レコグナイザのクラス ファイルの名前]\CLSID (例: HKEY_CLASSES_ROOT\MyFirstSmartTag.SmartTagRecognizer\CLSID) を開き、値の名前 "(標準)" をダブルクリックして値のデータをコピーします。
[プロジェクト エクスプローラ] ウィンドウで [ファイル] を右クリックして、 [追加] をポイントし、[ファイル] をクリックします。 エンド ユーザーのコンピュータにインストールしたいスマート タグ DLL を参照し、[開く] をクリックします。
[ビルド] メニューから、[ビルド] をクリックします。
警告 上記の手順 15 で [ビルド] をクリックしたときに "インストール ダイアログ <ようこそ> が無効です。" などのエラーが発生する場合は、Visual Studio Installer に同梱されている MergeMod.dll という名前のファイルのバージョンが一致していない可能性があります。この問題の解決方法に関する詳細情報については、サポート技術文書 Q281650: BUG: Cannot Compile VSI Project ? "Install Dialog" Errors をご覧ください。</ようこそ>
- WindowsR エクスプローラを使って、上記の手順 3 で作成したパスを参照します。そのパスで、[Output] という名前のサブフォルダを見つけます。[Output] フォルダを開き、DISK_1 という名前のサブフォルダを開きます。このフォルダで、拡張子 .msi を持つファイルが見つかります。これが、エンド ユーザーに配布する Visual Studio Installer ファイルです。スマート タグ DLL をインストールおよび登録するには、エンド ユーザーは単にその .msi ファイルをダブルクリックし、セットアップ ウィザードが推奨する既定値を受け入れるだけです。
注意: DLL を登録するには、CLSID を使用する方法と ProgID を使用する方法があります。クラスの登録に ProgID を使用すると Office アプリケーションのメニューからスマート タグの解除が行えなくなる場合があるため、実際に登録を行う場合には CLSID を使用してください。
まとめ
Visual Studio Installer は、特にスマート タグ DLL の配布時にエンド ユーザーのレジストリ設定を 操作する必要がある場合に、理想的なソリューションです。 Visual Studio Installer は、簡単に自己展開パッケージを作成できる直感的なグラフィカル ユーザー インターフェイスを持っています。 Visual Studio Installer は、さまざまなインストール ダイアログを提供し、 アンインストールまたは操作を修復するためにエンド ユーザーの [アプリケーションの追加と削除] アプレットにエントリを挿入します。 開発者は 1 行のコードも書かずにこのすべてを行うことができます。