Outlook Web App の URL を簡略化する

 

適用先: Exchange Server 2010 SP2, Exchange Server 2010 SP3

トピックの最終更新日: 2012-07-23

Microsoft Office メールボックスへのユーザー アクセスに使用される Outlook Web App Microsoft Exchange Server 2010 の URL を簡略化するには、インターネット インフォメーション サービス (IIS) マネージャーを使用することをお勧めします。

下記の最初の手順を実行すると、Web サーバーのルート (https://サーバー名) に送信された要求が、Exchange 仮想ディレクトリにリダイレクトされるように構成されます。たとえば、https://server/ への要求は、https://server/owa にリダイレクトされます。

2 番目の手順では、https://server への要求が https://server/owa にリダイレクトされます。クライアントとサーバー間で送信される情報をセキュリティ保護するために、インストール時に既定の Web サイトは SSL (Secure Sockets Layer) を必要とするように設定されます。ユーザーの Outlook Web App へのアクセスを簡略化するために、通常 IIS 内の既定の Web サイトである Outlook Web App Web ページを、自動的にユーザーを https にリダイレクトするように構成することができます。

Windows Server 2008 の最上位ディレクトリにリダイレクトを構成すると、その設定は下位レベルのディレクトリに伝達されます。例えば、[既定の Web サイト] のリダイレクトを /owa 仮想ディレクトリに構成すると、/Autodiscover、/Exchange、および /Public などのすべての仮想ディレクトリを表示する [HTTP リダイレクト] ページにも構成する設定が表示されます。したがって、リダイレクト対象のディレクトリを除くすべての仮想ディレクトリからリダイレクト指定を削除する必要があります。

Outlook Web App URL に関連する他の管理タスクについては、「Outlook Web App URL の管理」を参照してください。

SSL が要求されない場合に、IIS マネージャーとメモ帳を使用して Outlook Web App の URL を簡略化する

この手順を実行する際には、あらかじめアクセス許可を割り当てる必要があります。必要なアクセス許可の一覧については、以下を参照してください。「クライアント アクセス許可」の「IIS マネージャー」。

  1. IIS マネージャーを起動します。

  2. ローカル コンピューターを展開し、[サイト] を展開して、[既定の Web サイト] をクリックします。

  3. [既定の Web サイトのホーム] ウィンドウの下部の [機能ビュー] がまだ選択されていない場合は、このオプションをクリックします。

  4. [IIS] セクションで、[HTTP リダイレクト] をダブルクリックします。

  5. [このリダイレクト先に要求をリダイレクト] チェック ボックスをオンにし、「/owa」と入力します。

  6. [リダイレクト動作] で、[要求をこのディレクトリのコンテンツにのみリダイレクト (サブディレクトリにはリダイレクトしない)] チェック ボックスをオンにします。

  7. [状態コード] ボックスの一覧で、[検出 (302)] をクリックします。

  8. [操作] ウィンドウで、[適用] をクリックします。

  9. IIS マネージャーを閉じます。

  10. クライアント アクセス サーバー上で Outlook Web App の Web.config ファイルを見つけます。既定の場所は、<ドライブ>\Program Files\Microsoft\Exchange Server\<バージョン>\ClientAccess\Owa です。

  11. ファイルのバックアップ コピーを作成します。

  12. メモ帳などのエディターを使用して元のファイルを開きます。IIS マネージャーを使用して Web.config ファイルを編集しないでください。

  13. httpCookies httpOnlyCookies="false" requireSSL="true" domain="" を検索して、requireSSL フラグを false に変更します。

  14. ファイルを保存して閉じます。

    注意

    Outlook Web App が、SSL の負荷分散のためにプレーンテキスト HTTP にのみ構成されている場合は、この web.config ファイルを変更する追加の手順は必要ありません。

  15. 新しい設定を有効にするために、コマンド プロンプト ウィンドウを開き、iisreset /noforce と入力して IIS を再起動します。

注意

SSL が要求される場合は、HTTP を HTTPS にリダイレクトしたうえで、さらに /owa 仮想ディレクトリにリダイレクトする必要があります。これをしないと、ユーザーが仮想ディレクトリを指定せずに Outlook Web App にアクセスしようとした場合にエラー メッセージが表示されます。それには、次の手順を実行します。

SSL が要求される場合に、IIS マネージャーを使用して Outlook Web App の URL を簡略化する

この手順を実行する際には、あらかじめアクセス許可を割り当てる必要があります。必要なアクセス許可の一覧については、以下を参照してください。「クライアント アクセス許可」の「IIS マネージャー」。

  1. IIS マネージャーを起動します。

  2. ローカル コンピューターを展開し、[サイト] を展開して、[既定の Web サイト] をクリックします。

  3. [既定の Web サイトのホーム] ウィンドウの下部の [機能ビュー] がまだ選択されていない場合は、このオプションをクリックします。

  4. [IIS] セクションで、[HTTP リダイレクト] をダブルクリックします。

  5. [このリダイレクト先に要求をリダイレクト] チェック ボックスをオンにします。

  6. /owa 仮想ディレクトリの絶対パスを入力します。たとえば、「https://mail.contoso.com/owa」と入力します。

  7. [リダイレクト動作] で、[要求をこのディレクトリのコンテンツにのみリダイレクト (サブディレクトリにはリダイレクトしない)] チェック ボックスをオンにします。

  8. [状態コード] ボックスの一覧で、[検出 (302)] をクリックします。

  9. [操作] ウィンドウで、[適用] をクリックします。

  10. [既定の Web サイト] をクリックします。

  11. [既定の Web サイト] のホーム ウィンドウで、[SSL 設定] をクリックします。

  12. [SSL 設定] で、[SSL を要求] のチェックボックスをオフにします。

    注意

    [SSL を要求] のチェックボックスをオフにしないと、ユーザーがセキュリティで保護されていない URL を入力した場合にリダイレクトされません。ユーザーにはアクセス拒否のエラーが表示されます。

  13. 新しい設定を有効にするために、コマンド プロンプト ウィンドウを開き、iisreset /noforce と入力して IIS を再起動します。

オフライン アドレス帳の web.config ファイルのアクセス許可を変更する

[既定の Web サイト] のリダイレクトを構成した後は、オフライン アドレス帳の web.config ファイルのアクセス許可を編集する必要があります。この手順を完了しないと、ユーザーは Outlook を使用してオフライン アドレス帳をダウンロードすることができません。

  1. クライアント アクセス サーバー上で、オフライン アドレス帳の Web.config ファイルを検索します。既定の場所は、<ドライブ>\Program Files\Microsoft\Exchange Server\<バージョン>\ClientAccess\oab です。

  2. ファイルを右クリックし、[プロパティ] をクリックします。

  3. [セキュリティ] タブをクリックします。

  4. [編集] をクリックします。

  5. [グループ名またはユーザー名] で、[Authenticated Users] を選択します。[Authenticated Users のアクセス許可] の下の [読み取りと実行] をクリックします。

  6. [OK] を 2 回クリックし、変更を保存してプロパティ ウィンドウを閉じます。

IIS マネージャーを使用して仮想ディレクトリからリダイレクト指定を削除する

この手順を実行する際には、あらかじめアクセス許可を割り当てる必要があります。必要なアクセス許可の一覧については、以下を参照してください。「クライアント アクセス許可」の「IIS マネージャー」。

仮想ディレクトリからリダイレクト指定を削除するには、次の手順に従います。

  1. IIS マネージャーを起動します。

  2. 仮想ディレクトリに移動します。

  3. 仮想ディレクトリの [機能] ビューで、[HTTP リダイレクト] アイコンをダブルクリックします。

  4. [このリダイレクト先に要求をリダイレクト] チェック ボックスをオフにします。

  5. [操作] ウィンドウで、[適用] をクリックします。

  6. 新しい設定を有効にするために、コマンド プロンプト ウィンドウを開き、iisreset /noforce と入力して IIS を再起動します。

仮想ディレクトリから、/Exchange、/Exchweb、または /Public といった物理的なパスを持たないリダイレクトを削除するのに、上記の手順が使用できない場合があります。仮想ディレクトリから、IIS マネージャーに表示されないリダイレクトを削除するには、以下の手順を使用します。

  1. コマンド ウィンドウを開く

  2. <Window ディレクトリ>\System32\Inetsrv に移動する

  3. 次のコマンドを実行します。

    1. appcmd set config "Default Web Site/autodiscover" /section:httpredirect /enabled:false -commit:apphost

    2. appcmd set config "Default Web Site/ecp" /section:httpredirect /enabled:false -commit:apphost

    3. appcmd set config "Default Web Site/ews" /section:httpredirect /enabled:false -commit:apphost

    4. appcmd set config "Default Web Site/owa" /section:httpredirect /enabled:false -commit:apphost

    5. appcmd set config "Default Web Site/oab" /section:httpredirect /enabled:false -commit:apphost

    6. appcmd set config "Default Web Site/powershell" /section:httpredirect /enabled:false -commit:apphost

    7. appcmd set config "Default Web Site/rpc" /section:httpredirect /enabled:false -commit:apphost

    8. appcmd set config "Default Web Site/rpcwithcert" /section:httpredirect /enabled:false -commit:apphost

    9. appcmd set config "Default Web Site/Microsoft-Server-ActiveSync" /section:httpredirect /enabled:false -commit:apphost

  4. コマンド iisreset/noforce を実行して完了します。

最上位ディレクトリからのリダイレクトを構成する場合、web.config ファイルは <ドライブ>\Program Files\Microsoft\Exchange Server\<バージョン>\ClientAccess\oab の下に作成される場合があります。この場合に後でリダイレクトを削除すると、ユーザーが [送受信] をクリックした場合に Outlook 2007 および Outlook 2010 がフリーズする可能性があります。リダイレクトを削除した後でこの現象を回避するには、<ドライブ>\Program Files\Microsoft\Exchange Server\<バージョン>\ClientAccess\oab から web.config ファイルを削除します。

その他のタスク

Outlook Web App の URL を簡略化した後で、必要に応じて Outlook Web App で明示的なサインインを有効にする も実行してください。

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