ダッシュボードとフィルタを計画する

  • [アーティクル]

この記事の内容 :

  • ダッシュボードとフィルタについて

  • ダッシュボードの Web パーツを計画する

  • フィルタを計画する

  • ワークシート

ダッシュボードには、組織内のビジネス データとビジネス プロセスについてのレポートと主要業績評価指標 (KPI) が表示されます。これらのレポートの表示は、自動的にフィルタ処理したり、ユーザーが選択したプロパティでフィルタ処理することもでき、組織内のデータを比較して分析できます。

Microsoft Office SharePoint Server 2007 の初期展開の計画では、ダッシュボードに共通の Web パーツ、ダッシュボードおよび他の SharePoint サイトでのフィルタの使われ方、フィルタおよびビジネス データ Web パーツの接続方法、ダッシュボードおよび他のフィルタ対応 SharePoint サイトを使用するユーザーに対するフィルタの表示方法などを、理解する必要があります。

ダッシュボードとフィルタについて

ダッシュボード (マルチレポート サマリー ページ) は、ビジネス データ Web パーツ、Excel Web Access Web パーツ、フィルタ処理により複数のソースのデータとコンテンツを統合して柔軟に表示することのできる KPI など、1 つ以上の Web パーツで構成されています。ダッシュボードに表示されるデータは、Microsoft SQL Server 2005 Reporting Services の機能を使用して、ページ レベルまたは Web パーツでフィルタ処理できます。たとえば、組織の主要ビジネス プロセスの KPI とビジネス データ Web パーツの中から特定の顧客に関係するものだけを表示する、顧客レポート ダッシュボードを作成できます。

ダッシュボードは、レポート ライブラリに追加できる 3 つのコンテンツ タイプの 1 つです。レポート ライブラリは、ポータル サイトおよび他のサイト コレクションに対して自動的に作成されるレポート センター サイトに含まれますが、ユーザーは他のサイトにレポート ライブラリを追加することもできます。

ダッシュボードは、ビジネス データ Web パーツの集合およびフィルタ Web パーツの集合で構成されます。フィルタ Web パーツは、Web パーツを接続し、接続されている Web パーツの共通データに基づいて、表示されるデータを変更します。接続されたフィルタ Web パーツとビジネス データ Web パーツを他のサイト テンプレートに追加することで、ダッシュボードなどのデータをフィルタ処理するサイトを作成することもできます。

一部のフィルタ Web パーツは、データを自動的にフィルタ処理します。フィルタ Web パーツによっては、ダッシュボードを表示しているユーザーが、値を入力したり、一覧から値を選択した後、ページの [フィルタの適用] ボタンをクリックすることで値を適用できるものもあります。[フィルタの適用] ボタンは別の Web パーツとして実装されており、ユーザーが指定した値を持つフィルタがページに追加されるまで、ダッシュボード上に表示されません。

[フィルタの適用] ボタンとユーザー指定のフィルタは、ダッシュボード テンプレートの特別なフィルタ ゾーンに表示されます。

既定では、ダッシュボードには次の表の一覧で説明するレイアウトと Web パーツが含まれます。

ゾーン Web パーツ 説明

左上

サマリー Web パーツ

これは変更可能なコンテンツ エディタ Web パーツであり、ダッシュボードに表示する情報の説明文を追加できます。

右上

連絡先の詳細 Web パーツ

ダッシュボードの所有者の連絡先情報を含みます。

フィルタ

フィルタの適用 Web パーツ

ダッシュボードに追加された他のフィルタは、このゾーンに表示されます。

左下

Excel Web Access Web パーツ

この Web パーツは、Microsoft Office Excel 2007 ワークシートのデータを表示するように構成できます。管理者はダッシュボードの目的に応じて、この Web パーツを削除することもできれば、同様の Web パーツを追加してこの Web パーツを補足することもできます。

中央下

既定の Web パーツはありません。

このゾーンは空いているので、KPI リスト Web パーツまたはビジネス データ リスト Web パーツなどの他のビジネス データ Web パーツを追加する場所として適しています。

右下

関連情報 Web パーツ

この Web パーツは、関連するレポート、ドキュメント、サイト、およびその他のコンテンツへのリンクを追加するために使用します。

ダッシュボードが役に立つかどうかは、基になっている Web パーツとフィルタおよびこれらのコンポーネントの間の接続によって決まります。したがって、使用する Web パーツおよびそれらの間の相互作用の計画によっては、組織内のユーザーによるビジネス データの使用効率が大きく異なる可能性があります。

ダッシュボードの Web パーツを計画する

ダッシュボードは、共通のビジネス プロセスで使用される重要なビジネス データのビューを表示するために使用されます。ダッシュボードまたは同様の種類の Web パーツを基にしたサイトを作成する際に、まず考慮する必要のある要素は、そのサイトの目的です。これにより、その目的と関連のある共通のビジネス プロセスをダッシュボードに表示できます。

サイト コレクションを計画するときは、通常、組織内のユーザー グループと彼らが取り組むさまざまなプロジェクトに基づいて、各サイトの目的を考慮する必要があります。企業の集中的なポータル サイトなど、一部の大規模なサイト コレクションの場合、その目的は実に多肢にわたり、さまざまなビジネス プロセスに取り組むさまざまなユーザー グループを対象としています。よくあるのは、特定のユーザー グループ、プロジェクト、およびビジネス プロセスだけを対象とした、より規模の小さいサイト コレクションです。

サイト コレクションの構造がどのようなものであっても、個別のビジネス プロセス群ごとに情報をまとめるダッシュボードを作成する必要があります。ユーザー グループにより、1 つのプロセス セットだけを常に使用する場合もあれば、複数のプロセスを使用する場合もあります。ダッシュボードの数とそれぞれの内容は、組織内のユーザーおよびグループが行う作業を反映している必要があります。

サイトごとに、ビジネス プロセスをグループ化し、重要なプロジェクトのステータスを把握するために必要なデータの表示に使用できる Web パーツを明らかにし、これらのプロジェクトについてのさらに詳細な情報を 1 か所で入力できるようにする必要があります。これらの Web パーツには、他の Web パーツでフィルタ処理できる重要なビジネス データが含まれます。

ダッシュボードに追加されることの多いビジネス データ Web パーツには次のものがあります。

  • 別の Excel Web Access Web パーツ

  • ビジネス データ リスト Web パーツ

  • KPI リスト Web パーツと KPI 詳細 Web パーツ

  • Reporting Services レポート Web パーツ

ダッシュボードの各ビジネス データ Web パーツを計画するときは、基になっているデータ ソースおよびフィルタ Web パーツに対する接続の影響を検討します。データ接続については、Excel ブックに対するドキュメント ライブラリを追加し、ビジネス データ カタログに基幹業務 (LOB) アプリケーションを登録して、適切なプロパティ セットをビジネス データ プロファイルにインポートします。また、KPI に対する SharePoint リストを作成し、SQL Server 2005 Analysis Services および SQL Server 2005 Reporting Services に対するデータ接続ライブラリに接続を追加します。

ダッシュボードの Excel Web Access Web パーツを計画する

Excel Web Access Web パーツは、Excel のブックからダッシュボードのページに情報を直接提供します。既定のビューは、Web パーツを追加するときにサイトの所有者が選択するセルのサブセットです。ユーザーがページを表示する前に、すべての自動フィルタが適用されます。ユーザーが値を指定しているフィルタは、一覧メニューまたはテキスト ボックスとして表示されます。これらのフィルタを使用することで、値を選択し、これらの値についての表示をフィルタ処理することができます。スプレッドシートに対する適切な権限を持つユーザーは、Web パーツの該当するリンクをクリックすることで、スプレッドシートを開いて編集できます。たとえば、Excel ブックからのデータを使用して、部門の全従業員に対する売り上げデータを表示できます。

ダッシュボードのビジネス データ Web パーツを計画する

ビジネス データ リスト Web パーツには、ビジネス データ カタログに登録されているアプリケーションから生成されるリストのデータが含まれます。この Web パーツの最も一般的な種類は単純なリストですが、データ ソース内の個別の項目を詳細に示したり、データ ソース内の関連のあるプロパティに関するデータのリストを表示したりする Web パーツを追加することもできます。たとえば、顧客の一覧、ある顧客についての詳細な情報のセット、特定の地域の顧客の一覧などを表示する Web パーツを追加できます。また、ビジネス データ アプリケーションに含まれるデータに関連する定義済みのアクションを実行するビジネス データ アクション Web パーツを追加することもできます。

このようなビジネス データ Web パーツはすべて、相互に接続し、データを共有することができます。共有できるデータの量と共有方法は、次の表で示すように Web パーツによって異なります。

Web パーツ 他の Web パーツと共有する最大データ行 この Web パーツにデータを送信できる Web パーツ この Web パーツが受け取ることのできるデータの種類

ビジネス データ リスト Web パーツ

最大 2 データ行。各行は他の 1 つのビジネス データ Web パーツに接続されます。

他のビジネス データ Web パーツ、現在のユーザーによるフィルタ Web パーツ、プロパティ プロファイル フィルタ Web パーツ

フィルタ、パラメータ、フィルタ値、またはクエリ値

ビジネス データ関連リスト Web パーツ

最大 2 データ行。各行は他の 1 つのビジネス データ Web パーツに接続されます。

他のビジネス データ Web パーツ、現在のユーザーによるフィルタ Web パーツ、プロパティ プロファイル フィルタ Web パーツ

フィルタ、パラメータ、フィルタ値、クエリ値、または関連項目

ビジネス データ アイテム Web パーツ

他の 1 つのビジネス データ Web パーツに対する 1 データ行

他のビジネス データ Web パーツ、現在のユーザーによるフィルタ Web パーツ、プロパティ プロファイル フィルタ Web パーツ

フィルタ、パラメータ、または新しいアイテム

ビジネス データ アクション Web パーツ

他の Web パーツにはデータを送信できません。

他のビジネス データ Web パーツ、現在のユーザーによるフィルタ Web パーツ、プロパティ プロファイル フィルタ Web パーツ

任意

これらの接続を使用することで、複数の Web パーツを使用して別の Web パーツ内のデータを動的に作成したり補足したりできます。以下の処理を実行できます。

  • ビジネス データ リスト Web パーツのデータを使用して、ビジネス データ アイテム Web パーツまたはビジネス データ関連リスト Web パーツを作成する。

  • ビジネス データ Web パーツの行を、新しいアクションとしてビジネス データ アクション Web パーツに送信する。

  • 他のビジネス データ Web パーツまたは現在のユーザーによるフィルタ Web パーツやプロパティ プロファイル フィルタ Web パーツから渡された値に基づいて、Web パーツに対するデータのフィルタ処理を行う。

1 つのダッシュボード ページにあるすべての Web パーツのフィルタ処理を行うために使用できる現在のユーザーによるフィルタ Web パーツ、プロパティ プロファイル フィルタ Web パーツ、およびその他のフィルタ Web パーツの詳細については、後の「フィルタを計画する」を参照してください。

ダッシュボードの KPI Web パーツを計画する

KPI Web パーツは、あるビジネス プロセスの目標を表す値を保持している基になるデータ ソースから計算された値を比較し、簡単なグラフィックで表すことで、そのプロセスのステータスを示すことができます。たとえば、KPI は信号機のアイコンを使用して、顧客満足度が目標値を上回っているのか、一致しているのか、または下回っているのかを示すことができます。組織全体における満足度のプラス評価の割合を計算して、顧客満足度があらかじめ設定されている目標を上回っている場合、顧客満足度の KPI は緑色の信号機のアイコンで表示されます。顧客満足度が最低目標を下回っている場合、顧客満足度の KPI は赤色の信号機のアイコンで表示されます。それ以外の場合は、黄色の信号機のアイコンで表示されます。

KPI では、SharePoint リスト、Excel ブック、または SQL Server 2005 Analysis Services のデータを利用できます。Reporting Services レポート Web パーツは、SQL Server 2005 Reporting Services からのデータを直接表示します。

フィルタを計画する

フィルタ Web パーツは、他のフィルタ Web パーツやビジネス データ Web パーツに接続して、ダッシュボード、およびフィルタ Web パーツやビジネス データ Web パーツを使用する他のサイトで、ビジネス データを動的に表示できるようにします。フィルタは複数の種類のデータをサポートし、それぞれの種類は異なるフィルタ Web パーツと関連付けられています。

一部のフィルタは、ページを表示しているユーザーが何も入力しなくても、そのページの Web パーツに自動的に適用されます。このようなフィルタは、ダッシュボード サイトでのデータの範囲を制限するために、ダッシュボードの所有者が追加します。各フィルタ Web パーツのプロパティに応じて、これらのフィルタの大部分 (すべてではなく) が、ページのすべての Web パーツに適用されます。

他のフィルタは、ページのユーザーが選択した値に従って、ページのすべての Web パーツのすべてのデータに適用されます。このようなフィルタ Web パーツのうちの 3 つについてはユーザーはデータに対する値を指定でき、それ以外については、ユーザーは、サイト所有者がさまざまなデータ ソースから選択した値で作成される一覧から値を選択できます。

すべての Web パーツがフィルタに接続できるわけではありません。デザイン モードで [Web パーツ] メニューの [接続] をポイントし、[フィルタ値の送信先] をポイントすると、各フィルタがページ上で接続できる Web パーツが示されます。フィルタから値を受け取ることのできるすべての Web パーツでも、その情報が [接続] メニューで表示されます。

次の表は、サポートされるデータの種類と Web パーツの一覧です。

データの種類 選択形式 Web パーツ

テキスト

ユーザー

テキスト フィルタ Web パーツ

数値

ユーザー

数値フィルタ Web パーツ

SharePoint リスト

一覧

SharePoint リスト フィルタ Web パーツ

ビジネス データ カタログ

一覧

ビジネス データ カタログ フィルタ Web パーツ

SQL Server 2005 Analysis Services

一覧

Analysis Services フィルタ Web パーツ

手入力リスト

一覧

Web パーツ プロパティで手入力されたリストを使用する任意のフィルタ Web パーツ

対象の Web パーツに基づく値

一覧

任意の対象 Web パーツ

現在のユーザー

自動

現在のユーザーによるフィルタ Web パーツ

クエリ文字列パラメータ

自動

クエリ文字列 (URL) フィルタ Web パーツ

固定値

自動

フィルタの選択 Web パーツ

ページのフィールドの値

自動

ページ フィールド フィルタ Web パーツ

自動フィルタ Web パーツを計画する

Web ブラウザでダッシュボードを表示するときには、複数のフィルタが自動的に適用されます。これらのフィルタは、表示されるデータの範囲を制限するためにサイトの所有者が構成するものです。これらのフィルタは、デザイン モードでのみ表示されます。他のすべてのフィルタは、これらのフィルタの後で、ユーザーのオプションによって適用されるので、最初にこれらのフィルタを計画して実装する必要があります。

フィルタを自動的に適用するフィルタ Web パーツは次のとおりです。

  • 現在のユーザーによるフィルタ Web パーツ

  • クエリ文字列 (URL) フィルタ Web パーツ

  • 作成済みリスト フィルタ Web パーツ

  • ページ フィールド フィルタ Web パーツ

  • 組織フィルタ (直接報告者) Web パーツ

現在のユーザーによるフィルタ Web パーツおよび関連するプロパティ プロファイル フィルタ Web パーツは個人用設定サイトに含まれており、ダッシュボード サイトに追加することもできます。これらのフィルタは、それぞれ、現在のユーザーのユーザー プロファイルに含まれるアカウント名および優先名プロパティでフィルタ処理を行います。フィルタは、これらのプロパティを既定値として、他のフィルタに渡したり、ビジネス データ Web パーツに渡したりできます。特定の個人用設定 Web パーツの場合、これにより、現在サイトを見ているユーザーに関連する情報を含む個人用に設定されたビューを表示できます。

プロパティ プロファイル フィルタ Web パーツは、個人用設定ページでのみ使用されます。他のページに対する Web パーツ ギャラリでは使用できません。個人用設定 Web パーツの詳細については、「個人用設定 Web パーツを計画する」を参照してください。

作成済みリスト フィルタ Web パーツを使用すると、サイトの所有者が作成したプロパティのリストに基づいて、ページのフィルタ処理を行うことができます。

クエリ文字列 (URL) フィルタ Web パーツは、ダッシュボードの所有者が提供するクエリ文字列に従って、Web パーツのフィルタ処理を自動的に行います。クエリ文字列が有効な URL を生成しない場合のために、既定の URL をフィルタに提供できます。

ページ フィールド フィルタ Web パーツを使用すると、ダッシュボードまたは他の Web パーツ ページに対するページ リストの列に基づいて、ページのコンテンツのフィルタ処理を行うことができます。選択した列の値に基づいて、接続されている Web パーツをフィルタできます。また、リストに列を追加し、ページの Web パーツに対するフィルタ処理を拡張できます。

ユーザー指定の値を使用するフィルタを計画する

ユーザー指定の値を使用するフィルタは、以下のフィルタ Web パーツが基になります。

  • テキスト フィルタ Web パーツ

  • 数値フィルタ Web パーツ

これらのフィルタを使用すると、個々のユーザーが、ダッシュボードにあるすべての Web パーツのフィルタ処理を行うために使用する値を入力できます。フィルタ処理は、ユーザーがダッシュボード ページの [フィルタの適用] ボタンをクリックすると開始します。テキスト フィルタ Web パーツに対する既定値は、現在のユーザーによるフィルタ Web パーツまたはプロパティ プロファイル フィルタ Web パーツから取得できます。

これらのフィルタに対する計画は簡単です。リストにない値を指定してすばやくフィルタ処理できる機能をユーザーに提供する場合は、これらのフィルタを有効にします。最初にこれらのフィルタを有効にするのがよい方法です。そうすることで、サイト所有者の作業を最小限にしながら、何らかのフィルタ機能を提供できます。データ ソースからのリストに基づくフィルタは後で実装します。ただし、サイトの目的との関係がさらに密接に関係する複雑なフィルタを作成した後は、これらのフィルタは必要なくなる可能性があります。いっそう複雑なフィルタを計画する一方で、展開の初期には特別な計画を行わずにこれらのフィルタを有効にできます。

リストから選択された値を使用するフィルタを計画する

ユーザー指定の値を使用するフィルタの中には、他のデータ ソースから作成されたリストで値を提供するものがあります。以下がそのようなフィルタです。

  • 手入力されたリスト (任意のフィルタ Web パーツで使用)

  • SharePoint リスト フィルタ Web パーツ

  • ビジネス データ カタログ フィルタ Web パーツ

  • Analysis Services フィルタ Web パーツ

値の単純なリストによるフィルタ処理を有効にし、SharePoint リストを作成したり、その値を保持している他のデータ ソースを検索しない場合は、Web パーツの [フィルタ オプションの設定のプロパティ] ページから手動で作成するリストを使用できます。このようなリストの作成は簡単で時間がかからないので、リストと共に単純な日付とテキストのフィルタをダッシュボード機能に提供しておくことは、さらに複雑なフィルタを展開するまでの初期の手順として適しています。

さらによくあるのは (特に、展開が進んだ後で)、より高度なデータ ソースからのプロパティを使用する場合です。このような場合は、基になるデータ ソースも計画する必要があるので、時間をかけてこの種のフィルタを計画する必要があります。データ ソースに基づいてフィルタを作成する前に、SharePoint リストを作成し、ビジネス アプリケーションをビジネス データ カタログに登録し、SQL Server 2005 Analysis Services キューブに対する接続をデータ接続ライブラリに追加します。

ビジネス データ カタログ フィルタ Web パーツは、SQL Server 2005 Reporting Services またはビジネス データ カタログに登録されているアプリケーションで見つかったプロパティの値に基づいて、ページにある他の Web パーツのフィルタ処理を行います。通常は、ビューのフィルタ処理を行うためにビジネス データ Web パーツと組み合わせて使用し、このフィルタでは認識された任意のプロパティを使用できます。

Analysis Services フィルタ Web パーツは、階層ツリー ビューから選択します。この Web パーツを使用すると、SQL Server 2005 Analysis Services キューブおよびステータス インジケータの値に基づいて、ページにある Web パーツをフィルタ処理できます。SQL Server 2005 Analysis Services データに基づく KPI のフィルタ処理を行うために、よく使用されます。

このビューでは、複雑なデータ ストアからのデータを表示し、ダッシュボードを使用するユーザーがツリー内のノードをすばやく選択して、そのノードをフィルタ処理できるようにすることもできます。これにより、他の方法では作成することが困難な、複雑なデータに対する分析機能を提供できます。これは、読み取り専用のデータまたはあまり更新されないデータを保持する大規模なデータ ウェアハウスに適したオプションですが、どのような種類のデータに対しても使用できます。

ビジネス データ カタログ内のアプリケーション、SQL Server 2005 Analysis Services キューブなど、一部のデータ ソースへのアクセスでは、データに正しく接続するためにシングル サインオンの構成が必要になる場合があります。フィルタおよび関連する Web パーツを正しく動作させるためには、このようなデータ ソースに関する計画にシングル サインオンの計画を組み込む必要があります。詳細については、「シングル サインオンを計画する」を参照してください。

ワークシートでの作業

Microsoft® Office SharePoint® Server 2007 ビジネス データ ワークシート (https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=73271&clcid=0x411) を使用して、ダッシュボードで使用するビジネス データおよびビジネス インテリジェンス Web パーツを記録します。接続されているフィルタ Web パーツおよび各フィルタで使用されるプロパティ、データ ソース、および同じテーブルの Web パーツで使用される SharePoint リストを記録します。

サイト作成ワークシート (https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=73138&clcid=0x411) を使用して、サイトの計画段階で特定した主要なダッシュボード サイトと、それらのサイトで使用する Web パーツを記録します。

ワークシート

ダッシュボードおよびフィルタを計画するには、以下のワークシートを使用します。

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このトピックは、簡単に読んだり印刷したりできるように、次のダウンロード可能なブックに収められています。

入手できるすべてのブックの一覧については、「Office SharePoint Server 2007 のダウンロード可能なブック」を参照してください。