Guidance Automation Toolkit の概要
Guidance Automation Toolkit のパターンとプラクティスを使用すると、Visual Studio 2005 で直接使用できる、再利用可能なコードおよびパターンを作成できます。
このツールキットは、再利用可能なコードをアプリケーションへ統合することを簡単にし、通常は、開発者が一連の指示に従って手動で行わなければならない開発アクティビティを、設計者が自動化できるように設計されています。設計者はこのツールキットを使用すると、反復される (たいていの場合にエラーが発生しやすい) アクティビティを一貫性のある方法で実行し、開発プロセスを合理的でスムーズに行うことができます。
このツールキットは、社内で開発されたアセット (Microsoft patterns & practices チームで作成されたものなど)、またはサードパーティのアセットで使用することができます。これらのアセットは、Visual Studio の開発者へ公開することが可能で、構成ファイル、テンプレート、およびウィザードを使用して構成されている場合もあります。
Guidance Automation Toolkit のインストール
Guidance Automation Toolkit で作業するには、最初に Guidance Automation Extensions という、必要なランタイム コンポーネントをインストールする必要があります。このランタイム コンポーネントをインストールすると、Guidance Automation Toolkit をダウンロードしてインストールできます。詳細は、「Guidance Automation Extensions and Guidance Automation Toolkit」を参照してください。
Guidance Automation Toolkit について
Guidance Automation Toolkit は、自動化機能を実現するために相互機能する一連の要素で構成されています。具体的な要素には、次のものがあります。
- レシピ (Recipes) 通常は、開発者が一連の指示に従って手動で実行しなければならないアクティビティを自動化します。レシピを使用すると、反復される (たいていの場合にエラーが発生しやすい) アクティビティを一貫性のある方法で実行し、複雑な、または反復の多い開発タスクを簡潔にすることができます。レシピは、決まったソリューション エレメントで実行することも、ある特徴など (C# プロジェクトなど) で共有されているソリューション要素のグループで実行することも可能です。
- アクション (Actions) レシピによって定義されている順序で呼び出される作業単位。この順序は、レシピ定義の中で指定されます。アクションは、呼び出し元のレシピによって収集された引数から値を入力、または順序内で先に実行されたアクションから受け取った出力からの値を入力として受け取ります。レシピのアクションは、レシピ定義の中で指定されます。
- テキスト テンプレート トランスフォーメーション テンプレート (Text Template Transformation Templates) テキストとスクリプトレットの組み合わせで構成されています。スクリプトレットは Visual Basic または C# で記述されており、実行時に、テンプレートの出力ストリームへ直接挿入される文字列を返します。テンプレートは、Guidance Automation Toolkit に含まれている、テキスト テンプレート トランスフォーメーション エンジンによって拡張されています。テキストは、テンプレートの出力に、そのままの形で挿入されます。
- ウィザード (Wizards) ウィザードは、レシピの引数の値を収集するために使用する方法です。すべてのレシピには、それに付随するウィザードがあります。開発者は、1 つのウィザードでいくつかのステップを順に実行することになりますが、これらのステップはウィザードのページとして表示されます。
- タイプ コンバータ (Type Converter) フィールドの値を検証し、ユーザー入力の記述形式から使用する型の記述形式へと変換します。
- Visual Studio テンプレート (Visual Studio Template) XML で記述されており、ソリューションを作成する、1 つ以上のプロジェクトやアイテムを既存のソリューションに追加する、といった場合に Visual Studio で使用します。これらのテンプレートは、Visual Studio のテンプレート エンジンによって拡張されています。Guidance Automation Toolkit を使用すると、Visual Studio テンプレートをレシピに関連付けることができます。この関連付けは、テンプレートが開かれている場合には、ウィザードの拡張機能でレシピを呼び出して、展開するためのパラメータの値 (引数) を収集できるようにして、テンプレートが開かれた後は、アクションを実行することを意味します。これらのアクションは、テンプレートで作成されたソリューション アイテムをさらに変換することができます。
Guidance Package の開発
Guidance Package の開発を支援するために、Guidance Automation Toolkit には、Guidance Package Development Template が含まれています。これは、Guidance Package の開発用のソリューションを作成するために使用されています。このソリューションには、独自の Guidance Package を作成するのに必要な要素が含まれており、これらの要素をガイドラインとして使用して、既存のものを修正したり、独自のものを作成したりできます。Guidance Automation Toolkit には、Guidance Package の開発プロセスの指針となる、広範なドキュメントも含まれています。