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.NET Framework Client Profile

更新 : 2008 年 7 月

.NET Framework Client Profile は、クライアント アプリケーションを対象とする完全な .NET Framework 3.5 SP1 のサブセットです。WPF (Windows Presentation Foundation)、Windows フォーム、WCF (Windows Communication Foundation)、および ClickOnce の機能の簡素化されたサブセットを提供します。このサブセットを使用すると、.NET Framework Client Profile を対象とする WPF、Windows フォーム、WCF、およびコンソール アプリケーションの迅速な配置シナリオが可能になります。

考慮事項

.NET Framework Client Profile が対象となるのは、WPF または Windows フォームのクライアント アプリケーションでできる限り迅速な配置シナリオが必要になる場合です。.NET Framework Client Profile アプリケーションには、完全な .NET Framework が存在しなくても、対象のコンピュータ上にクライアント アセンブリの最小セットをインストールする再頒布パッケージがあります。

配置シナリオ

.NET Framework Client Profile は、次の配置シナリオをサポートします。

シナリオ

説明

Web ベースの配置

インストールは、ClickOnce または Windows インストーラを使用して実行されます。インストール中、必要に応じて Microsoft Web サイトまたはその他の指定された場所から .NET Framework Client Profile がダウンロードされます。

Windows ベースの配置

インストールは、ClickOnce または Windows インストーラを使用して実行されます。インストール中、必要に応じて Microsoft Web サイトまたはその他の指定された場所から .NET Framework Client Profile がダウンロードされます。

詳細については、「チュートリアル : ClickOnce を使用した .NET Framework Client Profile アプリケーションの配置」および「チュートリアル : Windows インストーラを使用した .NET Framework Client Profile アプリケーションの配置」を参照してください。

ブートストラップ

.NET Framework Client Profile により、クライアント アプリケーションに使用可能な一般的なブートストラップのセットアップが提供されます。これにより、.NET Framework のバージョンに関係なく (インストールされている場合)、アプリケーションの実行に必要なすべての要件がインストールされます。セットアップでは、対象のオペレーティング システムが Windows XP と Windows Vista のどちらであっても、一貫性のあるユーザー インターフェイス (UI: User Interface) とシームレスなインストールが提供されます。

カスタムのブートストラップとインストール UI を作成できます。.NET Framework Client Profile ブートストラップは、カスタムのブートストラップが .NET Framework Client Profile インストールの進行に従って UI を更新するために使用できる、コールバックとイベントを提供します。これにより、インストールに関するユーザー エクスペリエンスを全面的に再構成し、ブランド化戦略に役立てることができます。

アプリケーションへのサービス提供

アプリケーションに容易にサービスを提供できるようにする機能は重要です。ClickOnce を使用するインストールでは、アプリケーションを再発行することによって更新が可能になります。ユーザーがアプリケーションを開始する前または後に更新を確認するように、アプリケーションを構成できます。Windows インストーラを使用するインストールでは、標準的な Windows インストーラの更新機構を利用できます。

ツール

Visual Studio では、ClickOnce または Windows インストーラによる配置を作成するためのツールが提供されます。Visual Studio に ClickOnce による配置を作成するには、まず、プロジェクトのプロパティ ページを開き、[発行] タブをクリックします。詳細については、「ClickOnce の配置の概要」を参照してください。Visual Studio で Windows インストーラによる配置を作成するには、[セットアップと配置] ノードからソリューションにセットアップ プロジェクトを追加します。詳細については、「セットアップ プロジェクト」を参照してください。

構成

アプリケーションの構成ファイルである application.exe.config で <supportedRuntime> 要素を使用すると、そのアプリケーションは .NET Framework Client Profile に準拠していることを示すことになります。sku 属性には "client" を設定します。次の XML コードに設定の例を示します。

<configuration>
   <startup>
      <supportedRuntime version="v2.0.50727" sku="client"/>
   </startup>
</configuration>

sku 属性名は大文字と小文字が区別されます。sku 属性を指定しないか、"client" 以外の値に設定すると、ランタイムは、そのアプリケーションは .NET Framework Client Profile アプリケーションではないと見なします。

同じ構成ファイルに複数の <supportedRuntime> 要素が指定され、メジャー バージョン番号が同じ場合、実行されるアプリケーションは次のようになります。

  • sku="client" と設定されている要素が 1 つ以上存在すると、アプリケーションは指定されたバージョンの .NET Framework Client Profile に対して実行されます。

  • sku="client" と設定されている要素が 1 つも存在しないと、アプリケーションは .NET Framework の指定された完全なバージョンでのみ実行されます。

Cc656912.alert_note(ja-jp,VS.90).gifメモ :

sku="client" を設定すると、アプリケーションは .NET Framework Client Profile バージョンまたは .NET Framework 3.5 SP1 以降の完全なバージョンがインストールされたコンピュータ上で実行されます。.NET Framework 3.5 SP1 より前のバージョンがインストールされたコンピュータ上では、アプリケーションは実行されません。

テスト

sku="client" 設定のないアプリケーションを実行するには、完全な .NET Framework がインストールされている必要があります。このようなアプリケーションをインストールすると、ユーザーに対し、完全な .NET Framework をインストールするように求めるメッセージが表示されます。.NET Framework Client Profile がインストールされているコンピュータ上で sku="client" 設定のないアプリケーションを実行しようとすると、アプリケーションの実行は失敗し、エラーが表示されます。

構成ファイルや sku="client" 設定がない場合でも、この安全性の確認を無効にすると、.NET Framework Client Profile 上でアプリケーションを実行できます。

HKLM\SOFTWARE\Microsoft\Fusion の下に、NoClientChecks という名前の新しいレジストリ キーを DWORD として作成します。このキーに 0 以外の値を設定すると、実行時に安全性の確認が無効になります。この設定は、32 ビットと 64 ビットのオペレーティング システムのどちらでも機能します。

Cc656912.alert_note(ja-jp,VS.90).gifメモ :

このレジストリ キーはテスト目的にだけ使用してください。テスト コンピュータ以外のコンピュータにこのキーを設定しないでください。実稼働環境およびエンド ユーザーのコンピュータでのこのキーの使用は、サポートされていません。

参照

概念

.NET Framework Client Profile 配置構成スキーマ

参照

<supportedRuntime> 要素

履歴の変更

日付

履歴

理由

2008 年 7 月

新しいトピックを追加

SP1 機能変更