マイクロソフト セキュリティ情報 MS13-030 - 重要
SharePoint の脆弱性により、情報漏えいが起こる (2827663)
公開日: 2013年4月10日
バージョン: 1.0
概説
概要
このセキュリティ更新プログラムは、一般に公開された Microsoft SharePoint Server の脆弱性を解決します。この脆弱性により、攻撃者が特定の SharePoint リストのアドレスまたは場所を特定し、リストが維持されている SharePoint サイトにアクセスした場合に情報漏えいが起こる可能性があります。この脆弱性が悪用されるには、SharePoint サイトの認証要求を満たすことができることが攻撃者にとっての必要条件となります。
このセキュリティ更新プログラムは、すべてのサポートされているエディションの Microsoft SharePoint Server 2013 について、深刻度は「重要」です。詳細については、このセクションのサブセクション「影響を受けるソフトウェアと影響を受けないソフトウェア」を参照してください。
このセキュリティ更新プログラムは、SharePoint リストに適用される既定のアクセス制御を修正することにより、この脆弱性を解決します。これらの脆弱性の詳細については、次の「脆弱性の情報」のセクションの特定の脆弱性に関するサブセクション「よく寄せられる質問 (FAQ)」を参照してください。
推奨する対応策: お客様は Microsoft Update サービスを使用して Microsoft Update からオンラインで更新プログラムをチェックするための自動更新を構成することができます。Microsoft Update から更新プログラムをオンラインでチェックするために自動更新を有効にし、構成しているお客様は、通常このセキュリティ更新プログラムは自動でダウンロードおよびインストールされるため、特に操作をする必要はありません。自動更新を有効にしていない場合、この更新プログラムを手動で Microsoft Update で確認し、インストールする必要があります。サポートされているエディションの Windows XP および Windows Server 2003 の自動更新の特定の構成オプションの詳細については、マイクロソフト サポート技術情報 294871 を参照してください。Windows Vista、Windows Server 2008、Windows 7、および Windows Server 2008 R2 のサポートされているエディションの自動更新の詳細については、「Windows 自動更新とは」を参照してください。
管理者およびエンタープライズのインストール、またはこのセキュリティ更新プログラムを手動でインストールしたいエンドユーザーは、更新プログラムの管理ソフトウェアまたは Microsoft Update サービスで更新プログラムを確認して、この更新プログラムをできる限り早期に適用することを推奨します。
このセキュリティ情報の後半の「検出および展開ツールとガイダンス」を参照してください。
サポート技術情報
サポート技術情報 | 2827663 |
---|---|
ファイルに関する情報 | あり |
SHA1/SHA2 ハッシュ | あり |
既知の問題 | あり |
影響を受けるソフトウェアおよび影響を受けないソフトウェア
ここに記載されているソフトウェアをテストし、影響を受けるバージョンまたはエディションを確認しました。その他のバージョンまたはエディションはサポート ライフサイクルが終了したか、または影響を受けません。ご使用中のソフトウェアのバージョンまたはエディションのサポート ライフサイクルを確認するには、マイクロソフト サポート ライフサイクルの Web サイトを参照してください。
影響を受けるソフトウェア
Microsoft サーバー ソフトウェア
ソフトウェア | 更新プログラム パッケージ | 最も深刻な脆弱性の影響 | 総合的な深刻度 | 置き換えられる更新プログラム | |
---|---|---|---|---|---|
Microsoft SharePoint Server | |||||
Microsoft SharePoint Server 2013 | [Microsoft SharePoint Server 2013 (coreserverloc)](https://www.microsoft.com/download/ja-jp/details.aspx?familyid=2e5b1e49-0355-4111-a464-224bb2192029)[1] (2737969) | 情報漏えい | 重要 | なし |
[1]この更新プログラムをインストールする前にProject Server 2013 の累積的な更新プログラム (2768001) をインストールする必要があります。更新プログラムに関するダウンロード先などの詳細情報は、サポート技術情報 2768001 を参照してください。
影響を受けないソフトウェア
Office およびその他のソフトウェア |
---|
Microsoft SharePoint Server 2007 Service Pack 3 (32 ビット版) |
Microsoft SharePoint Server 2007 Service Pack 3 (64 ビット版) |
Microsoft SharePoint Server 2010 Service Pack 1 |
Microsoft Groove 2007 Service Pack 3 |
Microsoft Groove Server 2007 Service Pack 3 |
Microsoft Groove Server 2010 Service Pack 1 |
Microsoft Groove Server 2013 |
Microsoft SharePoint Portal Server 2003 Service Pack 3 (32 ビット版) |
Microsoft SharePoint Portal Server 2003 Service Pack 3 (64 ビット版) |
Microsoft Windows SharePoint Services 2.0 (32 ビット版) |
Microsoft Windows SharePoint Services 2.0 (64 ビット版) |
Microsoft Windows SharePoint Services 3.0 Service Pack 2 (32 ビット版) |
Microsoft Windows SharePoint Services 3.0 Service Pack 3 (32 ビット版) |
Microsoft Windows SharePoint Services 3.0 Service Pack 2 (64 ビット版) |
Microsoft Windows SharePoint Services 3.0 Service Pack 3 (64 ビット版) |
SharePoint Foundation 2010 Service Pack 1 |
SharePoint Foundation 2013 |
Microsoft SharePoint Workspace 2010 Service Pack 1 (32 ビット版) |
Microsoft SharePoint Workspace 2010 Service Pack 1 (64 ビット版) |
Microsoft SharePoint Workspace 2013 (32 ビット版) |
Microsoft SharePoint Workspace 2013 (64 ビット版) |
更新プログラムに関する FAQ
影響を受けるソフトウェアがコンピューターにインストールされています。なぜ、この更新プログラムが提供されないのですか? この更新プログラム (2737969) をインストールする前に Project Server 2013 の累積的な更新プログラム (2768001) をインストールする必要があります。影響を受けるシステムに更新プログラム 2768001 がインストールされていない場合、更新プログラム 2737969 は提供されません。Project Server 2013 の累積的な更新プログラムに関するダウンロード先などの詳細情報は、サポート技術情報 2768001 を参照してください。
更新プログラムをマイクロソフト ダウンロード センターからダウンロードしました。インストールが失敗するのはなぜですか? Project Server 2013 の累積的な更新プログラム (2768001) がまだ適用されていないシステム上では、ダウンロード センターからの更新プログラム 2737969 のインストールは失敗します。ユーザーは、更新プログラム 2737969 をインストールする前に、更新プログラム 2768001 を適用する必要があります。Project Server 2013 の累積的な更新プログラムに関するダウンロード先などの詳細情報は、サポート技術情報 2768001 を参照してください。
Project Server の更新プログラム 2768001 がこの更新プログラムの前提条件になっているのはなぜですか? Project Server 2013 がリリースされた後にパッケージ構成の変更が導入されたため、Project Server の更新プログラム 2768001 がこの更新プログラム (2737969) の必要条件になっています。Project Server の更新プログラム 2768001 をインストールしてから、それより後の SharePoint Server 2013 の更新プログラムをインストールする必要があります。
このセキュリティ情報で説明しているソフトウェアの旧バージョンを使用しています。どうすればよいですか?
このセキュリティ情報に記載されている影響を受けるソフトウェアのテストを行い、影響を受けるリリースを確認しました。その他のリリースは、サポート ライフサイクルが終了しました。製品のライフサイクルに関する詳細については、マイクロソフト サポート ライフサイクルの Web サイトを参照してください。
今後、脆弱性の影響を受けないようにするため、旧リリースのソフトウェアを使用しているお客様は、サポート対象のリリースに移行することを強く推奨します。使用するソフトウェアのサポート ライフサイクルを確認するには、サービスパック ライフサイクル ポリシーを参照してください。これらのソフトウェアのリリースのサービス パックの詳細については、サービスパック ライフサイクル ポリシーを参照してください。
以前のソフトウェアに関するカスタム サポートが必要なお客様は、担当営業、またはマイクロソフト アカウント チームの担当者、担当テクニカル アカウント マネージャー (TAM)、またはカスタム サポート オプションのマイクロソフト パートナー担当者までご連絡ください。プレミア契約をお持ちでないお客様は、マイクロソフト サポート契約センター (営業時間 9:30-12:00 13:00-19:00 土日祝祭日を除く TEL:0120-17-0196 FAX:03-5388-8253) までお問い合わせください。連絡先の情報は、Microsoft Worldwide Information Web サイトの Contact Information のプルダウン リストから国を選択し、[Go] ボタンをクリックすると、連絡先の電話番号が表示されます。お問い合わせの際、お住まいの地域のプレミア サポート営業担当にご連絡ください。詳細については、マイクロソフト サポート ライフサイクル ポリシー FAQ を参照してください。
脆弱性の情報
深刻度および脆弱性識別番号
次の深刻度の評価は、脆弱性の影響が最も深刻な場合を想定しています。深刻度の評価およびセキュリティ上の影響に関連して、このセキュリティ情報の公開から 30 日間でこの脆弱性が悪用される可能性に関する情報については、4 月のセキュリティ情報の概要の Exploitability Index を参照してください。詳細については、Microsoft Exploitability Index (悪用可能性指標) を参照してください。
影響を受けるソフトウェア | 不適切なアクセス権による情報漏えいの脆弱性 - CVE-2013-1290 | 総合的な深刻度 |
---|---|---|
Microsoft SharePoint Server | ||
Microsoft SharePoint Server 2013 | 重要 情報漏えい | 重要 |
不適切なアクセス権による情報漏えいの脆弱性 - CVE-2013-1290
SharePoint Server が特定の SharePoint リストに対してアクセス制御を適用する方法に情報漏えいの脆弱性が存在します。
Common Vulnerabilities and Exposures のリストの標準のエントリとしてこの脆弱性を確認するには、CVE-2013-1290 を参照してください。
問題を緩和する要素
緩和する要素は、既定の状態における設定、一般的な構成または最善策を示し、脆弱性悪用の深刻度が下がる場合があります。お客様の状況で、次の「緩和する要素」が役立つ場合があります。
- 攻撃者が他のユーザーのファイルにアクセスするには、SharePoint ユーザーとして認証される前に有効な Active Directory 資格情報を持っている必要があります。
- Windows で共有アクセス許可を割り当てる際に使用される "Everyone" グループには、"匿名ユーザー" は含まれていません。
- この脆弱性の攻撃の経路は、SharePoint Server 2010 からアップグレードされた SharePoint Server 2013 のレガシー ユーザー インターフェース モードで作成された新規の個人用サイトによるものです。クリーン インストールを行った SharePoint Server 2013 を使って作成した新規の個人用サイトは、この脆弱性の悪用による影響を受けません。
回避策
回避策は、根本的な脆弱性を正すものではありませんが、更新プログラムを適用するまでの間、既知の攻撃方法の阻止に役立つ設定または構成の変更を示します。マイクロソフトは次の回避策をテストし、回避策が機能性を低下させるかどうかの情報を提供しています。
SharePoint Server 2013 の場合は、"NT Authenticated\All users" へのアクセスを明示的に拒否するようにユーザーの個人用ドキュメント ライブラリの権限を設定し、各個人用ライブラリに対する権限を "権限の継承を中止" に設定します。
詳細については、「リスト、ライブラリ、または個々のアイテムの権限を設定する」を参照してください。
よく寄せられる質問
この脆弱性により、どのようなことが起こる可能性がありますか?
これは情報漏えいの脆弱性です。この脆弱性を悪用した場合、攻撃者は、他の方法ではアクセスできないドキュメントにアクセスできる可能性があります。
何が原因で起こりますか?
この脆弱性は、既定で SharePoint がアクセス制御を SharePoint リストに適用する方法が原因で起こります。
この脆弱性により、攻撃者は何を行う可能性がありますか?
この脆弱性を悪用した場合、攻撃者は、アクセスできるようにリスト所有者が意図していなかった SharePoint リスト内のリスト アイテムにアクセスできる可能性があります。
攻撃者はこの脆弱性をどのように悪用する可能性がありますか?
この脆弱性を悪用するには、攻撃者は、リスト アイテムにアクセスするために特定の SharePoint リストのアドレスまたは場所を知る必要があります。リストが維持されている SharePoint サイトにアクセスするために、攻撃者は、SharePoint サイトの認証要求を満たすことができる必要があります。
主にどのコンピューターがこの脆弱性による危険にさらされますか?
影響を受けるバージョンの SharePoint Server を実行しているコンピューターが主にこの脆弱性による危険にさらされます。
この更新プログラムはどのように問題を修正しますか?
この更新プログラムは、SharePoint リストに適用される既定のアクセス制御を修正することにより、この脆弱性を解決します。
このセキュリティ情報の公開時に、この脆弱性は一般に知られていましたか?
はい。この脆弱性は一般で公開されていました。これには Common Vulnerability and Exposure の番号 CVE-2013-1290 が割り当てられています。
このセキュリティ情報の公開時に、マイクロソフトはこの脆弱性が悪用されたという報告を 受けていましたか?
いいえ。マイクロソフトは、このセキュリティ情報が最初に公開された際に、この脆弱性が一般で悪用され、お客様が攻撃されていたことを示す情報を受けていませんでした。
更新プログラムに関する情報
検出および展開ツールとガイダンス
管理者がセキュリティ更新プログラムを展開するときに役立つリソースがいくつかあります。
- Microsoft Baseline Security Analyzer (MBSA) を使用して、管理者はローカル システムとリモート システムの不足しているセキュリティ更新プログラムと一般的な誤ったセキュリティ構成をスキャンできます。
- Windows Server Update Services (WSUS)、Systems Management Server (SMS)、および System Center Configuration Manager (SCCM) は、管理者がセキュリティ更新プログラムを配布するときに役に立ちます。
- Application Compatibility Toolkit に含まれている Update Compatibility Evaluator コンポーネントは、インストールされているアプリケーションに対する Windows の更新プログラムのテストおよび確認を効率化する手助けをします。
これらのツールの詳細、およびネットワーク経由でセキュリティ更新プログラムを展開するためのガイダンスについては、「セキュリティ ツール」を参照してください。
セキュリティ更新プログラムの展開
影響を受けるソフトウェア
影響を受けるソフトウェア用の特定のセキュリティ更新プログラムについては、該当リンクの情報を参照してください。
SharePoint Server 2013 (すべてのエディション)
参照表
次の表では、このソフトウェア用のセキュリティ更新プログラムの情報を記載しています。
セキュリティ更新プログラムのファイル名 | Microsoft SharePoint Enterprise Server 2013: coreserverloc2013-kb2737969-fullfile-x64-glb.exe |
インストール スイッチ | サポート技術情報 912203 を参照してください。 |
再起動の 必要性 | この更新プログラムは、システムの再起動が必要ない場合もあります。必要なファイルが使用中の場合、この更新プログラムは再起動が必要です。この動作が起きた場合、再起動のメッセージが表示されます。 再起動が必要になる可能性を低減するために、このセキュリティ更新プログラムのインストール前に、すべての影響を受けるサービスを停止し、影響を受けるファイルを使用している可能性のあるすべてのアプリケーションを閉じてください。再起動が必要となる理由の詳細については、マイクロソフト サポート技術情報 887012 を参照してください。 |
削除に関する 情報 | この更新プログラムは削除することができません。 |
ファイル に関する情報 | サポート技術情報 2737969 を参照してください。 |
レジストリ キーの確認 | 対象外 |
関連情報
Microsoft Active Protections Program (MAPP)
お客様のセキュリティ保護をより向上させるために、マイクロソフトは、月例のセキュリティ更新プログラムの公開に先立ち、脆弱性情報を主要なセキュリティ ソフトウェア プロバイダーに提供しています。セキュリティ ソフトウェア プロバイダーは、この脆弱性の情報を使用し、ウイルス対策、ネットワーク ベースの侵入検出システムまたはホスト ベースの侵入防止システムを介して、お客様に最新の保護環境を提供します。このような保護環境を提供するセキュリティ ソフトウェア ベンダーの情報については、Microsoft Active Protections Program (MAPP) パートナーに記載されている各社の Web サイトを参照してください。
サポート
このセキュリティ更新プログラムに関するヘルプとサポートを受ける方法
- 更新プログラムのインストールのヘルプ:Microsoft Update のサポート
- IT プロフェッショナル向けのセキュリティ ソリューション:TechNet セキュリティに関するトラブルシューティングとサポート
- Windows を実行しているコンピューターのウィルスおよびマルウェアからの保護のヘルプ:ウイルスとセキュリティ サポート ページ
- 国ごとのローカルサポート:Microsoft サポート
免責
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更新履歴
- V1.0 (2013/04/10):このセキュリティ情報ページを公開しました。
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