マイクロソフト セキュリティ情報 MS13-106 - 重要

Microsoft Office 共有コンポーネントの脆弱性により、セキュリティ機能のバイパスが起こる (2905238)

公開日: 2013年12月11日

バージョン: 1.0

概説

概要

このセキュリティ更新プログラムは、一般に公開された 1 件のMicrosoft Office 共有コンポーネントの脆弱性を解決します。この脆弱性は現在悪用されています。この脆弱性により、COM コンポーネントのインスタンス化機能を持つ Web ブラウザー (Internet Explorer など) で、特別に細工された Web ページを閲覧すると、セキュリティ機能のバイパスが起こる可能性があります。Web 閲覧攻撃シナリオでは、この脆弱性を悪用することに成功した攻撃者は、広い範囲の脆弱性からユーザーを保護する Address Space Layout Randomization (ASLR) セキュリティ機能をバイパスする可能性があります。セキュリティ機能のバイパス自体では、任意のコードが実行されることはありません。しかし、攻撃者はこの ASLR バイパスの脆弱性を、リモートでコードが実行される脆弱性など別の脆弱性と組み合わせて使用し、ASLR バイパスを利用することで、任意のコードを実行する可能性があります。

このセキュリティ更新プログラムは、サポートされているエディションの Microsoft Office 2007 および Microsoft Office 2010 ソフトウェアについて、深刻度「重要」と評価されています。詳細情報については、このセクションの「影響を受けるソフトウェアおよび影響を受けないソフトウェア」のサブセクションを参照してください。

このセキュリティ更新プログラムでは、Microsoft Office 共有コンポーネントが ASLR を適切に実装するようにサポートすることにより、この脆弱性を解決します。これらの脆弱性の詳細については、次の「脆弱性の情報」のセクションの特定の脆弱性に関するサブセクション「よく寄せられる質問 (FAQ)」を参照してください。

推奨する対応策: お客様は Microsoft Update サービスを使用して Microsoft Update からオンラインで更新プログラムをチェックするための自動更新を構成することができます。Microsoft Update から更新プログラムをオンラインでチェックするために自動更新を有効にし、構成しているお客様は、通常このセキュリティ更新プログラムは自動でダウンロードおよびインストールされるため、特に操作をする必要はありません。自動更新を有効にしていない場合、この更新プログラムを手動で Microsoft Update で確認し、インストールする必要があります。自動更新の具体的な構成オプションの詳細については、サポート技術情報 294871 を参照してください。

管理者およびエンタープライズのインストール、またはこのセキュリティ更新プログラムを手動でインストールしたいエンドユーザーは、更新プログラムの管理ソフトウェアまたは Microsoft Update サービスで更新プログラムを確認して、この更新プログラムをできる限り早期に適用することを推奨します。

このセキュリティ情報の後半の「検出および展開ツールとガイダンス」を参照してください。

サポート技術情報

サポート技術情報 2905238
ファイルに関する情報 あり
SHA1/SHA2 ハッシュ あり
既知の問題 なし

影響を受けるソフトウェアおよび影響を受けないソフトウェア

ここに記載されているソフトウェアをテストし、影響を受けるバージョンまたはエディションを確認しました。その他のバージョンまたはエディションはサポート ライフサイクルが終了したか、または影響を受けません。ご使用中のソフトウェアのバージョンまたはエディションのサポート ライフサイクルを確認するには、マイクロソフト サポート ライフサイクルの Web サイトを参照してください。

影響を受けるソフトウェア

Microsoft Office スイートおよびその他のソフトウェア 最も深刻な脆弱性の影響 総合的な深刻度 置き換えられる更新プログラム
Microsoft Office 2007
[Microsoft Office 2007 Service Pack 3](https://www.microsoft.com/download/ja-jp/details.aspx?familyid=2c5622de-c122-416c-bcdc-b4a86b81c932) (2850022) セキュリティ機能のバイパス 重要 なし
Microsoft Office 2010
[Microsoft Office 2010 Service Pack 1 (32 ビット版)](https://www.microsoft.com/download/ja-jp/details.aspx?familyid=ddf1d6ac-dca2-4d3d-baf3-3634bf5c84f7) (2850016) セキュリティ機能のバイパス 重要 なし
[Microsoft Office 2010 Service Pack 2 (32 ビット版)](https://www.microsoft.com/download/ja-jp/details.aspx?familyid=ddf1d6ac-dca2-4d3d-baf3-3634bf5c84f7) (2850016) セキュリティ機能のバイパス 重要 なし
[Microsoft Office 2010 Service Pack 1 (64 ビット版)](https://www.microsoft.com/download/ja-jp/details.aspx?familyid=4b260ea3-db7a-4f9d-84c2-5ff0b1dd1937) (2850016) セキュリティ機能のバイパス 重要 なし
[Microsoft Office 2010 Service Pack 2 (64 ビット版)](https://www.microsoft.com/download/ja-jp/details.aspx?familyid=4b260ea3-db7a-4f9d-84c2-5ff0b1dd1937) (2850016) セキュリティ機能のバイパス 重要 なし

影響を受けないソフトウェア

Office およびその他のソフトウェア
Microsoft Office 2003 Service Pack 3
Microsoft Office 2013 (32 ビット版)
Microsoft Office 2013 (64 ビット版)
Microsoft Office 2013 RT
Microsoft Office 互換機能パック Service Pack 3
Microsoft Office for Mac 2011

更新プログラムに関する FAQ

システムにインストールしていないソフトウェアに対して、この更新プログラムが提供されます。なぜ、この更新プログラムが提供されるのですか?
Microsoft Office の更新プログラムに関するサービス モデルが原因で、システムにインストールしていないソフトウェアに対応する更新プログラムが提供される可能性があります。たとえば、Office の特定の製品をインストールしていない場合でも、その Microsoft Office 製品に対応する更新プログラムが提供される可能性があります。この動作と推奨事項の詳細については、マイクロソフト サポート技術情報 830335 を参照してください。

「影響を受けるソフトウェア」の表に特に記載されていないソフトウェアに対して、この更新プログラムが提供されます。なぜ、この更新プログラムが提供されるのですか?
更新プログラムが、複数の Microsoft Office 製品間で共有されているか同じ Microsoft Office 製品の複数のバージョン間で共有されているコンポーネントに存在する、脆弱性の影響を受けるコードに対応する場合、その更新プログラムは、脆弱性の影響を受けるコンポーネントが含まれるすべてのサポートされる製品およびバージョンに適用可能であると見なされます。

たとえば、更新プログラムが Microsoft Office 2007 製品に適用される場合は、Microsoft Office 2007 のみが「影響を受けるソフトウェア」の表に記載されている可能性があります。しかしその更新プログラムは、「影響を受けるソフトウェア」の表に特に記載されていない Microsoft Word 2007、Microsoft Excel 2007、Microsoft Visio 2007、Microsoft 互換機能パック、Microsoft Excel Viewer、その他の Microsoft Office 2007 製品に適用される可能性があります。

たとえば、更新プログラムが Microsoft Office 2010 製品のみに適用される場合は、Microsoft Office 2010 が「影響を受けるソフトウェア」の表に記載されている可能性があります。しかしその更新プログラムは、「影響を受けるソフトウェア」の表に特に記載されていない Microsoft Word 2010、Microsoft Excel 2010、Microsoft Visio 2010、Microsoft Visio Viewer、その他の Microsoft Office 2010 製品に適用される可能性があります。

この動作と推奨事項の詳細については、マイクロソフト サポート技術情報 830335 を参照してください。更新プログラムが適用される可能性のある Microsoft Office 製品については、特定の更新プログラムに関連するサポート技術情報を参照してください。

脆弱性の影響を受けないソフトウェアに対して、この更新プログラムが提供されます 。なぜ、この更新プログラムが提供されるのですか?
場合によっては、「影響を受けないソフトウェア」の表に記載されている、あるいは「影響を受けるソフトウェア」の表でセキュリティ上の影響について「対象外」と記載のある Microsoft Office 製品に更新プログラムが適用される場合があります。たとえば、インストール済みの Office 製品または Office 製品のバージョンが影響を受けないとこのセキュリティ情報に記載されている場合でも、Microsoft Office のセキュリティ更新プログラムが提供されることがあります。詳細については、マイクロソフト サポート技術情報 830335 を参照してください。

影響を受けないソフトウェアに更新プログラムが提供される場合がありますが、提供された更新プログラムを適用しないことで、システムのセキュリティ リスクが高くなるということはありません。ただし、マイクロソフトはユーザーのシステムに提供される更新プログラムはすべてインストールすることを推奨します。これは、複数の Office 製品で共有ファイルの一貫性を維持するのに役立ちます。場合によっては、影響を受けないソフトウェアの更新プログラムが、システム上の該当ファイルは既に最新の状態であると検出し、その結果としてファイルのインストールが必要ないこともあります。

影響を受けないバージョンの Microsoft Office ソフトウェアに更新プログラムを提供するのは、Microsoft Office の更新プログラムのサービス モデルに問題があるということですか?
いいえ。サービス モデルは、Microsoft Office ソフトウェアの共有コンポーネントに更新プログラムが適用されるしくみに基づいています。更新プログラムが提供されている一部の製品は、脆弱性の影響を受けるコードにアクセスしない可能性があります。その場合、そのソフトウェアは脆弱性の影響を受けません。ただし、更新のメカニズムは正しく機能しています。お使いのシステム上で、この更新プログラムの適用対象範囲に含まれる製品バージョンが検出されたため、この更新プログラムが提供されます。これは、複数の Office 製品で共有ファイルの一貫性を維持するのに役立ちます。

このセキュリティ情報で説明しているソフトウェアの旧バージョンを使用しています。どうすればよいですか?
このセキュリティ情報の一覧の影響を受けるソフトウェアのテストを行い、影響を受けるリリースを確認しました。その他のリリースは、サポート ライフサイクルが終了しました。製品のライフサイクルに関する詳細については、マイクロソフト サポート ライフサイクルの Web サイトを参照してください。

今後、脆弱性の影響を受けないようにするため、旧リリースのソフトウェアを使用しているお客様は、サポート対象のリリースに移行することを強く推奨します。使用するソフトウェアのサポート ライフサイクルを確認するには、サービスパック ライフサイクル ポリシーを参照してください。これらのソフトウェアのリリースのサービス パックの詳細については、サービスパック ライフサイクル ポリシーを参照してください。

以前のソフトウェアに関するカスタム サポートが必要なお客様は、担当営業、またはマイクロソフト アカウント チームの担当者、担当テクニカル アカウント マネージャー (TAM)、またはカスタム サポート オプションのマイクロソフト パートナー担当者までご連絡ください。プレミア契約をお持ちでないお客様は、マイクロソフト サポート契約センター (営業時間 9:30-12:00 13:00-19:00 土日祝祭日を除く TEL:0120-17-0196 FAX:03-5388-8253) までお問い合わせください。連絡先の情報は、Microsoft Worldwide Information Web サイトの Contact Information のプルダウン リストから国を選択し、[Go] ボタンをクリックすると、連絡先の電話番号が表示されます。お問い合わせの際、お住まいの地域のプレミア サポート営業担当にご連絡ください。詳細については、マイクロソフト サポート ライフサイクル ポリシー FAQ を参照してください。

脆弱性の情報

深刻度および脆弱性識別番号

次の深刻度の評価は、脆弱性の影響が最も深刻な場合を想定しています。深刻度の評価およびセキュリティ上の影響に関連して、このセキュリティ情報の公開から 30 日間でこの脆弱性が悪用される可能性に関する情報については、12 月のセキュリティ情報の概要の Exploitability Index (悪用可能性指標) を参照してください。詳細については、Microsoft Exploitability Index (悪用可能性指標) を参照してください。

影響を受けるソフトウェア HXDS ASLR の脆弱性 - CVE-2013-5057 総合的な深刻度
Microsoft Office 2007
Microsoft Office 2007 Service Pack 3 重要  セキュリティ機能のバイパス 重要
Microsoft Office 2010
Microsoft Office 2010 Service Pack 1 (32 ビット版) 重要  セキュリティ機能のバイパス 重要
Microsoft Office 2010 Service Pack 2 (32 ビット版) 重要  セキュリティ機能のバイパス 重要
Microsoft Office 2010 Service Pack 1 (64 ビット版) 重要  セキュリティ機能のバイパス 重要
Microsoft Office 2010 Service Pack 2 (64 ビット版) 重要  セキュリティ機能のバイパス 重要

HXDS ASLR の脆弱性 - CVE-2013-5057

セキュリティ機能のバイパスは、Address Space Layout Randomization (ASLR) を適切に実装しない Office の共有コンポーネントに存在します。攻撃者はこの脆弱性を利用して、ASLR セキュリティ機能をバイパスし、その後、プロセス内に悪意のあるプログラムを新たにロードし、別の脆弱性を利用しようとする可能性があります。

Common Vulnerabilities and Exposures のリストの標準のエントリとしてこの脆弱性を確認するには、CVE-2013-5057 を参照してください。

問題を緩和する要素

緩和する要素は、既定の状態における設定、一般的な構成または最善策を示し、脆弱性悪用の深刻度が下がる場合があります。お客様の状況で、次の「緩和する要素」が役立つ場合があります。

  • この脆弱性は、電子メールを介して、自動的に悪用されることはありません。電子メール メッセージで送信された添付ファイルを開かない限り、攻撃は実行されません。
  • Web ベースの攻撃のシナリオで、攻撃者はこの脆弱性の悪用を意図した Web サイトをホストする可能性があります。さらに、影響を受けた Web サイトおよびユーザー提供のコンテンツまたは広告を受け入れる、またはホストする Web サイトには、この脆弱性を悪用する可能性のある特別に細工されたコンテンツが含まれる可能性があります。しかしどのような場合でも、攻撃者は、攻撃者自身が制御するコンテンツをユーザーに強制的に閲覧させることはできません。その代わり、攻撃者はユーザーに何らかの操作を実行するように仕向けます。一般的には、ユーザーに電子メール メッセージまたはインスタント メッセンジャーのメッセージのリンクをクリックさせ、攻撃者の Web サイトへ誘導しようとします。

回避策

マイクロソフトは、この脆弱性の回避策を確認していません。

よく寄せられる質問

この脆弱性により、どのようなことが起こる可能性がありますか?
これはセキュリティ機能のバイパスの脆弱性です。

何が原因で起こりますか?
特定の Microsoft Office 共有コンポーネントは、ASLR セキュリティ機能を実装するように作成されていないため、この脆弱性が存在しています。そのため、攻撃者は特定のコール スタック内の特定のインストラクションのメモリ オフセットを、かなりの確率で予想することができます。

注: 脆弱な Microsoft Office 共有コンポーネントは Microsoft Office 製品に添付されていたものですが、Internet Explorer など別のアプリケーションで読み込まれることもあります。

ASLR とは何ですか?
Address Space Layout Randomization (ASLR) によって、システムが起動すると実行可能画像がランダムな場所に移動され、攻撃者が予測しやすい場所にあるデータを悪用するのを防止します。コンポーネントで ASLR をサポートするには、読み込まれるコンポーネントもすべて ASLR をサポートする必要があります。たとえば、A.exe によって B.dll と C.dll が使用される場合、3 つのファイルすべてが ASLR をサポートする必要があります。既定では、Windows Vista、Windows Server 2008、Windows 7、Windows Server 2008 R2、Windows 8、Windows 8.1、Windows RT、Windows RT 8.1、Windows Server 2012、および Windows Server 2012 R2 によって、システム DLL および EXE ファイルがランダム化されます。ただし、Independent Software Vendors (ISV) が作成した DLL と EXE は、ASLR をサポートするために /DYNAMICBASE リンカー オプションを使用してオプトインする必要があります。

また、ASLR ではヒープ メモリとスタック メモリがランダム化されます。

  • アプリケーションによって Windows Vista、Windows Server 2008、Windows 7、Windows Server 2008 R2、Windows 8、Windows8.1、Windows RT、Windows RT 8.1、Windows Server 2012、および Windows Server 2012 R2 でヒープが作成されると、ヒープベースのバッファー上書きの悪用を防止するため、ヒープ マネージャーによってヒープがランダムな場所に作成されます。ヒープのランダム化は、Windows Vista 以降で実行されているアプリケーションでは、既定で有効になっています。
  • /DYNAMICBASE にリンクされたプロセスでスレッドが開始されると、Windows Vista、Windows Server 2008、Windows 7、Windows Server 2008 R2、Windows 8、Windows 8.1、Windows RT、Windows RT 8.1、Windows Server 2012、および Windows Server 2012 R2 によってスレッドのスタックをランダムな場所に移動してヒープベースのバッファーの上書きが悪用されることを防止します。

攻撃者は、この脆弱性を悪用して何を行う可能性がありますか?
Web 閲覧攻撃シナリオでは、この脆弱性を悪用することに成功した攻撃者は、広い範囲の脆弱性からユーザーを保護する ASLR セキュリティ機能をバイパスする可能性があります。セキュリティ機能のバイパス自体では、任意のコードが実行されることはありません。しかし、攻撃者はこの ASLR バイパスの脆弱性を、リモートでコードが実行される脆弱性など別の脆弱性と組み合わせて使用し、ASLR バイパスを利用することで、任意のコードを実行する可能性があります。

攻撃者はこの脆弱性をどのように悪用する可能性がありますか?
Web ベースの攻撃のシナリオで、攻撃者はこの脆弱性の悪用を意図した Web サイトをホストする可能性があります。さらに、侵害された Web サイトやユーザー提供のコンテンツを受け入れたりホストしたりする Web サイトに、特別に細工したコンテンツが含まれていて、この脆弱性が悪用される可能性があります。攻撃者は、特別に細工した Web サイトにユーザーを強制的に訪問させることはできません。その代わり、攻撃者はユーザーにアクションを起こさせる必要があります。たとえば、攻撃者はユーザーを騙してリンクをクリックさせ、攻撃者のサイトへ誘導する可能性があります。

ユーザーが COM コンポーネントのインスタンス化が可能な Web ブラウザー (Internet Explorer など) を使って、悪意のあるコンテンツが含まれている Web サイトにアクセスすると、影響を受ける Microsoft Office 共有コンポーネントがロードされ、ASLR がバイパスされる可能性があります。

攻撃者はこのセキュリティ機能バイパスの脆弱性を別の脆弱性 (通常はリモートでコードが実行される脆弱性) と組み合わせて、新たな脆弱性を引き起こす可能性があります。この新たな脆弱性では、セキュリティ機能のバイパスが悪用されます。たとえば、リモートでコードが実行される脆弱性は ASLR によってブロックされますが、ASLR のバイパスに成功すると、この脆弱性が悪用される可能性があります。

主にどのようなコンピューターがこの脆弱性による危険にさらされますか?
Web 閲覧のシナリオで、この脆弱性が悪用されるには、ユーザーがログオンし COM コンポーネントのインスタンス化ができる Web ブラウザーを使用して Web サイトを訪問していることが攻撃者にとっての必要条件となります。このため、ワークステーションまたはターミナル サーバーなど、Web ブラウザーを頻繁に使用するコンピューターが、最もこの脆弱性の危険にさらされる可能性があります。管理者がユーザーにサーバー上での閲覧および電子メールの読み取りを許可している場合、影響を受ける可能性が増加します。しかし、最善策では、これを許可しないことを強く推奨しています。

この更新プログラムはどのように問題を修正しますか?
この更新プログラムは、Microsoft Office 共有コンポーネントが ASLR を適切に実装するようにサポートすることにより、この脆弱性を解決します。

このセキュリティ情報のリリース時に、この脆弱性は一般に公開されていたのですか?
はい。この脆弱性は一般で公開されていました。これには Common Vulnerability and Exposure の番号 CVE-2013-5057 が割り当てられています。

このセキュリティ情報のリリース時に、マイクロソフトはこの脆弱性が悪用されたという報告を受けていましたか?
はい。マイクロソフトはこの脆弱性を悪用しようとする限定的な標的型攻撃を確認しました。

更新プログラムに関する情報

検出および展開ツールとガイダンス

管理者がセキュリティ更新プログラムを展開するときに役立つリソースがいくつかあります。 

  • Microsoft Baseline Security Analyzer (MBSA) を使用して、管理者はローカル システムとリモート システムの不足しているセキュリティ更新プログラムと一般的な誤ったセキュリティ構成をスキャンできます。 
  • Windows Server Update Services (WSUS)、Systems Management Server (SMS)、および System Center Configuration Manager は、管理者がセキュリティ更新プログラムを配布するときに役に立ちます。 
  • Application Compatibility Toolkit に含まれている Update Compatibility Evaluator コンポーネントは、インストールされているアプリケーションに対する Windows の更新プログラムのテストおよび確認を効率化する手助けをします。 

これらのツールの詳細、およびネットワーク経由でセキュリティ更新プログラムを展開するためのガイダンスについては、「セキュリティ ツール」を参照してください。

セキュリティ更新プログラムの展開

影響を受けるソフトウェア

影響を受けるソフトウェア用の特定のセキュリティ更新プログラムについては、該当リンクの情報を参照してください。

Microsoft Office 2007 (すべてのエディション)

参照表

次の表では、このソフトウェア用のセキュリティ更新プログラムの情報を記載しています。

セキュリティ更新プログラムのファイル名 Microsoft Office 2007
mshelp2007-kb2850022-fullfile-x86-glb.exe
インストール スイッチ サポート技術情報 912203 を参照してください。
再起動の 必要性 この更新プログラムは、システムの再起動が必要ない場合もあります。必要なファイルが使用中の場合、この更新プログラムは再起動が必要です。この動作が起きた場合、再起動のメッセージが表示されます。

再起動が必要になる可能性を低減するために、このセキュリティ更新プログラムのインストール前に、すべての影響を受けるサービスを停止し、影響を受けるファイルを使用している可能性のあるすべてのアプリケーションを閉じてください。再起動が必要となる理由の詳細については、マイクロソフト サポート技術情報 887012 を参照してください。
削除に関する 情報 [コントロール パネル] の [プログラムの追加と削除] を使用します。
ファイル に関する情報 サポート技術情報 2850022 を参照してください。
レジストリ キーの確認 対象外
#### Microsoft Office 2010 (すべてのエディション) 参照表 次の表では、このソフトウェア用のセキュリティ更新プログラムの情報を記載しています。

セキュリティ更新プログラムのファイル名 Microsoft Office 2010 (32 ビット版)
mshelp2010-kb2850016-fullfile-x86-glb.exe
Microsoft Office 2010 (64 ビット版):
mshelp2010-kb2850016-fullfile-x64-glb.exe
インストール スイッチ サポート技術情報 912203 を参照してください。
再起動の 必要性 この更新プログラムは、システムの再起動が必要ない場合もあります。必要なファイルが使用中の場合、この更新プログラムは再起動が必要です。この動作が起きた場合、再起動のメッセージが表示されます。

再起動が必要になる可能性を低減するために、このセキュリティ更新プログラムのインストール前に、すべての影響を受けるサービスを停止し、影響を受けるファイルを使用している可能性のあるすべてのアプリケーションを閉じてください。再起動が必要となる理由の詳細については、マイクロソフト サポート技術情報 887012 を参照してください。
削除に関する 情報 [コントロール パネル] の [プログラムの追加と削除] を使用します。
ファイル に関する情報 サポート技術情報 2850016 を参照してください。
レジストリ キーの確認 対象外
### 関連情報 #### Microsoft Active Protections Program (MAPP) お客様のセキュリティ保護をより向上させるために、マイクロソフトは、月例のセキュリティ更新プログラムの公開に先立ち、脆弱性情報を主要なセキュリティ ソフトウェア プロバイダーに提供しています。セキュリティ ソフトウェア プロバイダーは、この脆弱性の情報を使用し、ウイルス対策、ネットワーク ベースの侵入検出システムまたはホスト ベースの侵入防止システムを介して、お客様に最新の保護環境を提供します。このような保護環境を提供するセキュリティ ソフトウェア ベンダーの情報については、[Microsoft Active Protections Program (MAPP) パートナー](https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=215201)に記載されている各社の Web サイトを参照してください。 #### サポート このセキュリティ更新プログラムに関するヘルプとサポートを受ける方法 - 更新プログラムのインストールのヘルプ:[Microsoft Update のサポート](https://support.microsoft.com/ph/6527) - IT プロフェッショナル向けのセキュリティ ソリューション:[TechNet セキュリティに関するトラブルシューティングとサポート](https://technet.microsoft.com/ja-jp/security/bb980617) - Windows を実行しているコンピューターのウイルスおよびマルウェアからの保護のヘルプ:[ウイルスとセキュリティ サポート ページ](https://support.microsoft.com/contactus/cu_sc_virsec_master) - 国ごとのローカルサポート:[Microsoft サポート](https://support.microsoft.com/common/international.aspx) #### 免責 この文書に含まれている情報は、いかなる保証もない現状ベースで提供されるものです。Microsoft Corporation 及びその関連会社は、市場性および特定の目的への適合性を含めて、明示的にも黙示的にも、一切の保証をいたしません。さらに、Microsoft Corporation 及びその関連会社は、本文書に含まれている情報の使用及び使用結果につき、正確性、真実性等、いかなる表明・保証も行いません。Microsoft Corporation、その関連会社及びこれらの権限ある代理人による口頭または書面による一切の情報提供またはアドバイスは、保証を意味するものではなく、かつ上記免責条項の範囲を狭めるものではありません。Microsoft Corporation、その関連会社及びこれらの者の供給者は、直接的、間接的、偶発的、結果的損害、逸失利益、懲罰的損害、または特別損害を含む全ての損害に対して、状況のいかんを問わず一切責任を負いません。結果的損害または偶発的損害に対する責任の免除または制限を認めていない地域においては、上記制限が適用されない場合があります。 #### 更新履歴 - V1.0 (2013/12/11):このセキュリティ情報ページを公開しました。 *Built at 2014-04-18T01:50:00Z-07:00*