Azure VM Image Builder を実装する

完了

マネージド イメージから VM を構築すると、Contoso IT 運用スタッフの時間と労力を節約できます。 ただし、VM の数が多い場合は、この機能をさらに拡張し、Azure VM Image Builder (Azure Image Builder) が役立つかどうかを調査する必要があります。 Azure VM Image Builder を使用することによって、Contoso はイメージを説明する簡単な構成を提供し、それを Azure VM Image Builder サービスに送信し、イメージを構築して配布することができます。

重要

2020 年 7 月の執筆時点では、Azure VM Image Builder はパブリック プレビュー段階であり、運用環境のワークロードについてはまだ推奨されていません。

Azure VM Image Builder とは

Azure VM Image Builder では、さまざまな場所から既存のイメージに独自のカスタマイズを追加することができます。 イメージを作成したら、イメージをホストする場所を指定できます。

ヒント

イメージは、Azure Shared Image Gallery 内で、またはマネージド イメージか VHD としてホストできます。

現在のプレビュー バージョンの Azure VM Image Builder では、次の表に示すタスクを実行できます。

タスク 説明
ゴールデン ベースライン イメージを作成する 最小限のセキュリティと組織の構成を含め、部門がニーズに合わせてカスタマイズできるようにします。
既存のイメージを修正する 既存のカスタム イメージは継続的に修正できます。
既存の仮想ネットワーク (VNet) に接続する 既存の VNet と接続して、既存の構成サーバー、ファイル共有、またはその他のルーティング可能なサーバーまたはサービスに接続できるようにします。
Azure Shared Image Gallery と統合する バージョンを管理し、イメージをグローバルに配布およびスケーリングできます。 イメージ管理システムも用意されています。
独自の組織のイメージ ビルド パイプラインを統合する 既存のイメージ ビルド プロシージャ (パイプライン) と統合できるようにします。 パイプラインから Azure VM Image Builder にリンクすることも、簡単なプレビュー Azure VM Image Builder DevOps タスクを使用することもできます。
既存のイメージ カスタマイズ パイプラインを Azure に移行する 既存のスクリプト、コマンド、およびプロセスを使用してイメージをカスタマイズできます。
VHD 形式でイメージを作成する Azure Stack をサポートできます。

しくみ

Azure VM Image Builder は、Azure リソース プロバイダーを介してアクセスできるフル マネージド Azure サービスです。 Azure VM Image Builder プロセスには、次の 3 つの主要部分があります。

  • source
  • カスタマイザー
  • 配布

これらの部分は、テンプレートで表現されます。 以下の図は、コンポーネントとそのプロパティの一部を示しています。

A diagram with the Azure Image Builder as three components, as described in the preceding text.

次の場所からイメージをソース化できます。

  • Windows (または Linux ベース) の Azure Marketplace イメージ
  • 既存の組織のマネージド イメージ

適切なソースからイメージを取得した後は、ニーズに合わせてイメージをカスタマイズし、適切な保存場所に配布できます。 次のとおりです。

  • VHD として
  • マネージド イメージとして
  • Shared Image Gallery 内

Azure VM Image Builder を使用してイメージを作成するには、まずイメージ テンプレートを作成し、次に概要を示す手順を実行します。

  1. .json ファイル形式でイメージ テンプレートを作成します。 この .json ファイルには、イメージ ソース、カスタマイズ、および配布に関する情報が含まれています。

  2. テンプレートをサービスに送信します。 これにより、指定したリソース グループにイメージ テンプレート アーティファクトが作成されます。 バックグラウンドで、Azure VM Image Builder によって、ソース イメージまたは .iso、および必要なスクリプトがダウンロードされます。 これらの要素は、サブスクリプションに自動的に作成される別のリソース グループに格納されます。 この自動的に作成されるリソース グループには、IT_<DestinationResourceGroup>_<TemplateName>_<GUID> という形式で名前が付けられます。

  3. イメージ テンプレートを作成したら、イメージをビルドできます。 バックグラウンドで、Azure VM Image Builder はテンプレートとソース ファイルを使用して、IT_<DestinationResourceGroup>_<TemplateName>_<GUID> リソース グループに次のオブジェクトを作成します。

    • VM
    • ネットワーク
    • パブリック IP
    • ネットワーク セキュリティ グループ (NSG)
    • 必要なストレージ

    Note

    VM は、Standard_D1_v2 サイズを使用してサイズが設定されます。

  4. イメージ作成の一環として、.json テンプレート内に設定されたイメージに従って Azure VM Image Builder でイメージが配布されてから、そのプロセス用に作成された IT_<DestinationResourceGroup>_<TemplateName>_<GUID> リソース グループ内の追加リソースが削除されます。

A diagram with the Azure Image Builder components, and the process of creating images with Azure Image Builder as described in the preceding text.