How Oobe.xml のしくみ

Oobe.xml は、Windows の初回実行エクスペリエンスをカスタマイズするための設定を指定、プリセットしたり、テキストやイメージを整理したりすることを目的としたコンテンツ ファイルです。 PC の起動直後にユーザーに適切な情報が表示されるよう、言語別および地域別のライセンス条項や設定に応じて、Oobe.xml ファイルは複数使用できます。 OEM は Oobe.xml ファイルに情報を指定することで、PC のセットアップに必要な主要なタスクのみを実行するようにユーザーを誘導できます。

Windows は、次の場所にある Oobe.xml を順にチェックして読み込みます。

  1. %WINDIR%\System32\Oobe\Info\Oobe.xml

  2. %WINDIR%\System32\Oobe\Info\Default\Oobe.xml

  3. %WINDIR%\System32\Oobe\Info\Default\<language>\Oobe.xml

  4. %WINDIR%\System32\Oobe\Info\<country/region>\Oobe.xml

  5. %WINDIR%\System32\Oobe\Info\<country/region>\<language>\Oobe.xml

すべての国/地域および言語にまたがるカスタマイズがある場合、その Oobe.xml ファイルは 1 番目の場所に配置してください。

単一地域、単一の言語のシステムを出荷する場合、カスタム Oobe.xml ファイルは \Info ディレクトリ (1 番目の場所) または \Default ディレクトリ (2 番目の場所) に配置する必要があります。 いずれの場所も機能的には同じです。

出荷先の国/地域が複数あり、それぞれ単一の言語が使用される国/地域ごとに OOBE 設定のカスタマイズが必要な場合、すべての Oobe.xml ファイルを 4 番目と 5 番目の場所に配置する必要があります。

複数の言語が使用されている国/地域に出荷する場合は、次のガイドラインが適用されます。

  • 国/地域固有の情報を 4 番目の場所に配置します。

  • 国/地域ごとの言語固有の情報を 5 番目の場所に配置します。

単一言語の展開

1 つの国/地域に単一言語で PC を納入する場合は、単一の Oobe.xml ファイルを \%WINDIR%\System32\Oobe\Info に配置する必要があります。 このファイルに、Windows の初回実行エクスペリエンスに対するすべてのカスタマイズを含めることができます。

たとえば、米国に納入される英語バージョンの Windows のディレクトリ構造は次のようになります。

\%WINDIR%\System32\Oobe\Info\Oobe.xml

複数の国/地域に単一の言語で PC を納入する場合で、なおかつカスタマイズの内容が場所ごとに異なる場合は、\%WINDIR%\System32\Oobe\InfoOobe.xml ファイルを配置します。

このファイルには、ユーザーに表示する予定の既定の地域設定を含めることができます。 特定のカスタマイズを行っていない国/地域をユーザーが選択した場合のために、既定のカスタマイズも含める必要があります。 この Oobe.xml ファイルには、使用するカスタム ライセンス条項の名前を指定した <eulafilename> ノードも含める必要があります。

国/地域ごとに、固有のカスタム コンテンツを含んだ Oobe.xml ファイルを \%WINDIR%\System32\<展開先の国/地域>\<展開する言語> に配置します。 ユーザーが国/地域を選択した後、これらのファイルを使用して追加のカスタマイズが表示されます。

たとえば、米国およびカナダに納入される英語バージョンの Windows のディレクトリ構造は次のようになります。

\%WINDIR%\System32\Oobe\Info\Oobe.xml (EULA ファイル名と地域設定)

\%WINDIR%System32\Oobe\Info\244\1033\Oobe.xml (米国のカスタム コンテンツ)

\%WINDIR%\System32\Oobe\Info\39\1033\Oobe.xml (カナダのカスタム コンテンツ)

複数の言語または地域の展開

1 つ以上の国/地域に PC を納入する場合で、追加言語パック付きの Windows を PC で実行する場合は、\%WINDIR%\System32\Oobe\InfoOobe.xml を 1 つ配置します。 このファイルには、ユーザーに表示する予定の既定の地域設定を含めることができます。 特定のカスタマイズを行っていない国/地域をユーザーが選択した場合のために、既定のカスタマイズも含める必要があります。 この Oobe.xml には、使用するカスタム ライセンス条項の名前を指定した <eulafilename> ノードも含める必要があります。

国/地域ごとに、固有のカスタム コンテンツを含んだ Oobe.xml ファイルを \%WINDIR%\System32\<展開先の国/地域>\<展開する言語> に配置します。 ユーザーが国/地域を選択した後、このファイルを使用して追加のカスタマイズが表示されます。

たとえば、米国およびカナダに納入される英語バージョンの Windows で使用されるディレクトリ構造は次のようになります。

\%WINDIR%\System32\Oobe\Info\Oobe.xml (ロゴ、EULA ファイル名、地域設定)

\%WINDIR%\System32\Oobe\Info\244\1033\Oobe.xml (米国のカスタム コンテンツ)

\%WINDIR%\System32\Oobe\Info\39\1033\Oobe.xml (カナダのカスタム コンテンツ)

1 つ以上の国/地域に PC を納入する場合で、追加言語パック付きの Windows を PC で実行する場合は、\%WINDIR%\System32\Oobe\InfoOobe.xml を 1 つ配置します。 この Oobe.xml ファイルには、使用するカスタム EULA の名前を指定した <eulafilename> ノードを含める必要があります。

選択している Windows 言語ごとに 1 つの Oobe.xml\%WINDIR%\System32\Default\<展開する言語> に配置します。 これらのファイルには、特定の言語用に表示する既定の地域設定を含める必要があります。また、特定のカスタマイズを行っていない国/地域をユーザーが選択した場合に対応できるように、カスタマイズの既定値一式も含めます。

国/地域ごとに、カスタム コンテンツを含んだ Oobe.xml ファイルを \%WINDIR%\System32\<展開先の国/地域>\<展開する言語> に配置します。 ユーザーが国/地域を選択した後、このファイルを使用して追加のカスタマイズが表示されます。

たとえば、英語とフランス語の言語パックを含む Windows のバージョンを米国およびカナダに納入する場合、このバージョンで使用されるディレクトリ構造は次のようになります。

  • ロゴおよび EULA:

    \%WINDIR%\System32\Oobe\Info\Oobe.xml (ロゴおよび EULA ファイル名)

  • 地域設定とフォールバック (特定の国/地域向けにローカライズされないコンテンツ用):

    \%WINDIR%\System32\Oobe\Info\Default\1033\Oobe.xml (ユーザーが米国またはカナダ以外の国/地域を選択した場合の、既定の地域設定および英語コンテンツ)

    \%WINDIR%\System32\Oobe\Info\Default\1036\Oobe.xml (ユーザーが米国またはカナダ以外の国/地域を選択した場合の、既定の地域設定およびフランス語コンテンツ)

  • 適切な言語での国固有または地域固有のコンテンツ

    \%WINDIR%\System32\Oobe\Info\244\1033\Oobe.xml (米国の英語のカスタム コンテンツ)

    \%WINDIR%\System32\Oobe\Info\244\1036\Oobe.xml (米国のフランス語のカスタム コンテンツ)

    \%WINDIR%\System32\Oobe\Info\39\1033\Oobe.xml (カナダの英語のカスタム コンテンツ)

    \%WINDIR%\System32\Oobe\Info\39\1036\Oobe.xml (カナダのフランス語のカスタム コンテンツ)

国/地域のフォルダーの形式

国/地域を識別するには:

  1. MSDN の「地理的な場所の表」を使用して国/地域の GeoID 識別子を検索します。 これらの値は 16 進数で表記されます。

  2. 値を 16 進数から 10 進数に変換し、その値をフォルダー名に使用します。 たとえば、チリ (GeoID 0x2E) のフォルダーを作成する場合は、"46" というフォルダー名を付けます。

    \%WINDIR%\System32\Oobe\Info\46\Oobe.xml
    

言語のフォルダーの形式

言語を識別するには、ロケール ID (LCID) を 10 進数に変換した値を使用します。 たとえば、スペイン語のフォルダーを作成するには、フォルダー名を "3082" とします。

%WINDIR%\System32\Oobe\Info\Default\3082\Oobe.xml

言語よりもはるかに多くの LCID があります。 Windows でリリース可能な言語に関連付けられている LCID の数は少数です。 Windows でリリースされる言語、各国語対応のレベル、およびそれらの 10 進識別子の詳細については、利用可能な言語パックに関するページを参照してください。