PC のリカバリー
ヒント
Windows 10 以降が実行されているコンピューターをリセットしたい方は、「Windows の回復オプション」を参照してください。
このトピックは、Windows 10 および Windows 11 デスクトップ コンピューターの製造プロセスに PC のリカバリー機能を追加したいと考えている OEM (相手先ブランド供給) を対象としています。
PC のリカバリーは、データや重要なカスタマイズはそのままに OS を修復する回復ツールです。 より多くの回復オプションと、自信を持って独自の PC を修正する機能をユーザーに提供することで、カスタム回復アプリケーションの必要性を減らします。
プッシュボタンのリセットはWindows 8で導入され、デスクトップエディション(Home、Pro、Enterprise、Education)のWindows 10およびWindows 11に含まれています。
Windows 10 の新機能
Windows 10 バージョン 2004 では、PC のリカバリーが更新され、次の変更が加えられています。
[Cloud download] (クラウド ダウンロード) は、既存のインストールを使ってリセットを行う手段に代わり、ユーザーが Windows をダウンロードする新しいオプションです。 高速インターネットが使用されている場合、リセットの所要時間全体を短縮できます。
Note
クラウドのダウンロードは、LTSCエディションではサポートされていません。
Windows 10 バージョン 1903 では、PC のリカバリーが更新され、次の変更が加えられています。
- [プリインストールされたアプリ] は [個人用ファイルを保持する] の新しいオプションで、PC 製造元のカスタマイズを適用から除外することができます。 これには自動適用フォルダー、デスクトップ アプリケーション、拡張ポイントが含まれます。
以前のバージョンの Windows 10 では、PC のリカバリーに次の改善が加えられました。
PC のリカバリーの機能
クラウド ダウンロード: 既存のインストールを使ってリセットを行う手段に代わり、ユーザーが Windows をダウンロードする新しいオプションです。 高速インターネットが使用されている場合、リセットの所要時間全体を短縮できます。
Note
クラウドのダウンロードは、LTSCエディションではサポートされていません。
プリインストールされたアプリ: [個人用ファイルを保持する] の新しいオプションで、PC 製造元のカスタマイズを適用から除外することができます。 これには自動適用フォルダー、デスクトップ アプリケーション、拡張ポイントが含まれます。
自動適用フォルダー: PC のリカバリーがカスタマイズしやすくなります。 カスタマイズやそれに関連したアセット ファイルを所定のフォルダーに格納しておくことで、デバイスのリセット時にそれらが確実に復元されます。 PC のリカバリーを構成する手段として、カスタム スクリプトや拡張ポイントを使用する従来の方式の代わりに使用できます。
プレインストール アプリを更新された状態に復元: プレインストールされた Windows アプリが Microsoft Store によってインストール後に更新されていた場合、その更新された状態に復元されます。
既定の構成ファイルを使用して、ScanStateでカスタマイズをキャプチャします。Windows 10バージョン1703以降では、カスタマイズをキャプチャするときに、ScanStateで
/config
オプションを使用する必要があります。 必ず、アセスメント & デプロイメント キット (ADK) に同梱されるいずれかの既定の構成ファイルを使用してください。 次のファイルです。Config_AppsAndSettings.xml–この構成ファイルを使用して、デスクトップアプリケーションとOS設定の両方をScanStateツールでキャプチャするように指定します。
Config_AppsOnly.xml–この構成ファイルを使用して、デスクトップアプリケーションのみをScanStateツールでキャプチャするように指定します。 デスクトップ アプリケーションは必ずしも明確に定義されているとは限らないため、この構成ファイルによって、デスクトップ アプリケーションに関連したすべての設定がキャプチャされる保証はありません。
Config_SettingsOnly.xml–この構成ファイルを使用して、OS設定のみをScanStateツールでキャプチャするように指定します。
これらの構成ファイルには、特定のコンポーネントの
migrate
属性をno
に設定することで変更を加えることができます。ただし、既定の構成ファイルで最初からキャプチャまたは移行の対象外に設定されていたコンポーネントについては除外設定のままにする必要があります。
信頼性の向上: 設定アプリから PC のリカバリー機能を起動すると、Windows コンポーネント ストア内のシステム ファイルに破損がないか Windows によってスキャンされます。 破損したファイルが見つかった場合で、かつ代わりのファイルを Windows Update からダウンロードできる場合、問題が自動的に修正されます。 これによって全体的な復旧時間は増えますが、PC の信頼性は向上します。
失敗したリセットからの回復: 以前のバージョンの Windows では、[この PC を初期状態に戻す] の実行中にエラーが発生した場合、ほぼ必ず PC が起動不可能または回復不可能な状態になっていました。 この機能は、PC が Windows RE で動作している間に問題が発生した場合に、限定的ですがロールバックをサポートするように設計が見直されています。
リカバリ メディアから起動したときの回復オプション: PC をリカバリ メディアから起動したときの [個人用ファイルを保持する] と [すべて削除する] の機能は、現在サポートされていません。 メディアから起動したときに利用できる PC のリカバリー機能は、ベア メタル回復、つまり [ドライブから回復する] のみです。
イメージレスの回復: ローカル パーティションやメディアに別途用意した回復イメージは、PC のリカバリーでは不要となり、またサポートもされていません。 この機能をサポートするために必要なディスク領域が大幅に削減され、ストレージ容量に限りのあるデバイスでも回復が可能となっています。
更新された状態への回復: PC のリカバリー機能で、オペレーティング システム (OS) とドライバー (INF ベースのドライバー パッケージの一部としてインストールされるデバイス アプレットを含む) を更新された状態にまで回復できるようになりました。 回復の実施後、ユーザーが OS の更新プログラムやドライバーを再インストールするために費やす必要のある時間がこれによって短縮されます。
カスタマイズの機会: 製造元は、提供されている拡張ポイントで、自動適用フォルダーやカスタム スクリプトを使用したりアプリケーションをインストールしたり追加データを保存したりすることができます。
PC のリカバリーのオプション
Windows 10 以降の PC やデバイスを所有するユーザーには、PC のリカバリーに関して、次の機能が用意されています。
- [個人用ファイルを保持する] ユーザー データ、ユーザー アカウント、重要な設定はそのままに OS を再インストールすることでソフトウェアの問題を修正します。 その他、プレインストールされたカスタマイズはすべて工場出荷時の状態に復元されます。 Windows 10 以降では、ユーザーによって取得された Windows アプリは、この機能では保存されなくなりました。
- [すべて削除する] OS を再インストールし、ユーザーのアカウントやコンテンツ (データ、Windows デスクトップ アプリケーション、ユニバーサル Windows アプリなど) をすべて削除して、プレインストールされたカスタマイズを工場出荷時の状態に復元することで、PC をリサイクルしたり所有権を譲渡したりするための準備を整えます。
- [ベア メタル回復] システム ディスク上の既定または事前構成済みのパーティション レイアウトを復元し、OS とプレインストールされたカスタマイズを外部メディアから再インストールします。
コンテンツ タイプ | リファレンス |
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概要 |
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ハード ドライブのセットアップ |
ハード ドライブとパーティション | UEFI/GPT ベースのハード ドライブ パーティション | BIOS/MBR ベースのハード ドライブ パーティション |
操作 |
ScanState を使用した PC のリカバリー機能の展開 | フォルダーの自動適用を使用した PC のリカバリー機能の展開 | PC のリカバリーへの拡張スクリプトの追加 | Windows デスクトップ アプリケーションを使ったプロビジョニング パッケージの作成 | 検証シナリオ |
ベア メタル リセット/回復 |
ベアメタル リセットとベアメタル回復のしくみ | ユーザーがリカバリ メディアを作成できるようにする | 新しいデバイスの展開中におけるリカバリ メディアの作成 |
構成ファイル |
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PC のリカバリーに使用されるテクノロジ |