[Tech] ISA Server と NLB
こんにちは。マイクロソフトの安藤です。
ご無沙汰しておりましたが、久しぶりの更新です。
第 3 回目のテーマは 「統合 NLB」
統合 NLB は、Windows NLB と ISA Server の機能を統合します。ISA Server を使用して NLB を構成すると、Windows NLB + 重要な機能 が利用可能です。
ここでの重要な機能の代表的なものとしては、"可用性の確保" が挙げられます。
- Windows NLB (負荷分散)
- 重要な機能 (可用性の確保など)
※ 負荷分散 + "可用性の確保" を実現できるのが、ISA Server 統合 NLB を構成した場合の最大の利点です。
なお、ISA Server で NLB をご検討いただく場合は、必ず ISA Server Enterprise Edition をご使用下さい。ISA Server Standard Edition を使用した Windows NLB + ISA Server 構成はサポート対象外です。くれぐれもご注意ください。
- 設定手順
1. ISA Server の管理画面で、[アレイ名] - [構成] - [ネットワーク] をクリックします。
2. 右ペインの [タスク] タブで、[ネットワーク負荷分散の統合の有効化] をクリックします。
3. ネットワーク負荷分散の統合ウィザードの開始で、[次へ] をクリックします。
4. 負荷分散されるネットワークの選択で、「外部」 にチェックします。[仮想 IP の設定] をクリックします。
5. プライマリ VIP とサブネットマスクを設定します。[OK] をクリックします。[次へ] をクリックします。
6. ネットワーク負荷分散の統合ウィザードの完了で、[完了] をクリックします。
[適用] を実行し、サービスの再起動を確認した後、統合 NLB を構成したネットワーク (ここでは外部) のプロパティを確認します。
ネットワーク負荷分散の統合を有効化し、ネットワークに仮想 IP アドレスを設定したことで、この仮想 IP アドレスを共有する複数の ISA Server で、通信を 「統合 NLB 」 します。具体的なシナリオで統合 NLB と Windows NLB の動作の違いを確認してみましょう。
第 4 回目のテーマは 「統合 NLB と Windows NLB」
シナリオ 1) 統合 NLB
- 構成
・ 2 枚のネットワーク アダプタを備えた、ISA Server 1 と ISA Server 2 の 2 台構成
・ 統合 NLB を有効化し、外部ネットワーク側のネットワーク アダプタに仮想 IP アドレスを設定
・ 内部ネットワークに存在する Web サーバーを ISA Server Web 公開ルールにて外部ネットワーク側に公開
・ 外部ネットワークに存在するクライアント コンピュータは、仮想 IP アドレスに名前解決される URL にて GET 要求を送信
- 検証
統合 NLB によって負荷分散され、ISA Server 1 が該当の GET 要求を処理することを確認した後、ISA Server 1 の Microsoft Firewall サービスを停止させる。
- 期待される動作
ISA Server 1 のサービスが停止しているため、クライアントからの要求は ISA Server 2 が処理する
シナリオ 2) Windows NLB
- 構成
・ 2 枚のネットワーク アダプタを備えた、ISA Server 1 と ISA Server 2 の 2 台構成
・ 統合 NLB は無効
・ Windows NLB を有効化し、外部ネットワーク側のネットワークアダプタに仮想 IP アドレスを設定
・ 内部ネットワークに存在する Web サーバーを ISA Server Web 公開ルールにて外部ネットワーク側に公開
・ 外部ネットワークに存在するクライアント コンピュータは、仮想 IP アドレスに名前解決される URL にて GET 要求を送信
- 検証
Windows NLB によって負荷分散され、ISA Server 1 が該当の GET 要求を処理することを確認した後、ISA Server 1 の Microsoft Firewall サービスを停止させる。
- 期待される動作
ISA Server 1 のサービスが停止しているため、クライアントからの要求は ISA Server 2 が処理する・・・とよいのですが、結果は異なります。クライアント上で通信エラーが発生します。
Windows NLB の機能は負荷分散です。可用性の確保ではありません。
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NLB で負荷の偏りが発生する
http://support.microsoft.com/kb/918702/ja
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ISA Server の統合 NLB を構成することで、Microsoft Firewall サービスやネットワーク アダプタの障害など、通信上の問題が 1 台のサーバー上で発生した場合でも、可用性を確保することが可能です。この点が統合 NLB を導入いただく上での大きな利点であると、我々も考えております。
なお、その他にも ISA Server 統合 NLB の利点をまとめた資料が以下にございます。ご参考までに目を通していただけると幸いです。
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技術ドキュメント
http://www.microsoft.com/japan/forefront/edgesecurity/isaserver/technologies/document.mspx
-- Microsoft Internet Security and Acceleration (ISA) Server 2006 におけるネットワーク負荷分散の統合の概念
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/安藤