フィアット500 と新幹線
クラウド コンピューティングと Windows Azure / .NET Services では、「クラウド化する世界」の電力のユーティリティ化とコンピュータのユーティリティ化の話で、クラウド コンピューティングの説明をしました。
ですが、クラウド コンピューティングの話はもちろん、ここで終わりではありません。「クラウド化する世界」の第2部にも書かれているように、これからどう備えるかが重要になります。
例えば、企業の IT 部門は、何を手放し、何を手放さないかを正しく判断する必要があります。ではどうやってとなりますが、企業の側から見れば、クラウド コンピューティングもコンピュータの配置場所の一つです。ですから、自社運用かクラウド コンピューティングかを整理していく必要があります。
自社運用では、SLA を自分でコントロールすることが可能ですが、コストは規模が小さい分、かかります。一方、クラウド コンピューティングでは、SLA はベンダに依存してしまいますが、コストは規模の経済が働き、安く抑えられる利点があります。我々の生活に例えると、車と電車の関係に非常に似ています。そこで、フィアット500と新幹線の登場です(あくまで車と電車という意味ですが)。
車は、行きたいところにどこへでも行けるのですが、維持費がかります。電車は、利用した分だけの料金を払えばいいのですが、駅間しか移動できません。ただ、どちらかのみを利用するのではなく、買い物にスーパーへ行くのか、家族でディズニーランドへ行くのか、もしくは出張で客先に行くのか等、どこに何をしに行くかで選択、または双方を利用することになるはずです。
(ある方に「タクシーは?」と聞かれて返答に困ったことがありましたが。。。)
コンピュータの世界も同様です。システムやデータの特性、業界や会社の状況等に合わせて配置場所を選択していくことになります。また、今までと同様、ソフトウェアを購入するのか(パッケージ)、内作するのかという選択は残りますので、更に配置場所に他社データセンターを加えると6つの選択肢があることになります。
パッケージをクラウドで利用する場合が ”SaaS”、内作アプリケーションをクラウドで利用する場合が “PaaS” を各々、利用することになります。
これで全てが解決する訳ではないのですが、このように整理できるよう、IT ポートりフォリオの整理をしてみてはいかがでしょうか。