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System Center Service Manager 2010 で実現する IT 運用管理改善ポイントの発見!

本ブログをご愛読の皆様、いつも有難うございます。

今回は、System Center Service Manager 2010 (SCSM) を利用すると IT 運用や PC 管理がどのように改善できるのか、SCSM のレポートを中心にご紹介いたします。SCSM は、IT コストの裏付けと将来的な投資の見極め、より正しい意思決定を行うための中長期計画の基礎となる定量的なデータを提示することが可能です。それにより、SCSM のデータをうまく活用すれば、初期投資や運用コスト以上のリターンを得られることが可能になります。

 

また、SCSMは一般的にインシデント管理やヘルプデスクツールの分類に入りますが、それだけにはとどまりません。SCSM はほかの System Center 製品や Active Directory と連携し、IT 運用のプロセスや現状を浮き彫りにして、改善ポイントを見つけることができる、または、そのきっかけを与えてくれるツールです。適切に自分たちの組織における IT 運用を見直し、SCSM を適用すれば、IT 運用の改善、PDCA サイクルを大幅に進歩させることができる優れたツールです。

 

SCSM 3 つのポイント + (1)

  1. レポートで IT 業務を可視化でき改善ポイントが理解できます。
  2. ヘルプデスク業務を改善し、社員、職員の業務を止めるインシデントを速やかに解決または改善を図り、IT を使う社員、職員の業務効率アップ、機会損失の減少に役立ちます。
  3. System Center Configuration Manager (SCCM) や System Center Operations Manager (SCOM) との連携により、統合コンソールとしての役割を果たします。これにより、ツールを業務プロセスごとにバラバラに入れると多重入力、多重参照といった非効率を排除できます。
  4. (オプション) ユニアデックス株式会社様の IT 資産管理パックをアドオンでインストールいただくと、資産管理 (ソフトウェア、ハードウェア、什器など) が SCSM コンソール内で実現でき、より一歩上の IT 運用が可能になります。
    IT資産管理パックについては、下記のユニアデックス様の Web ページをご参照ください。
    http://www.uniadex.co.jp/service/SCSM/ (IT資産管理パック for Microsoft® System Center Service Manager)

  

 

それでは、本題の SCSM で作成できるレポートを見ていきましょう。

 

1. ヘルプデスク関係のレポート

インシデント アナリスト

このレポートで、誰がどのインシデントに対応したか、どれくらい対応したか、ヘルプデスク担当者ごとの偏りを発見することができます。属人化を防いだり、一定の担当者に過負荷がかかっていないか確認し、ヘルプデスク
チーム全体の運営に役立ちます。また担当者ごとに対応しているインシデントをさらに詳しくドリルダウンして、分析可能です。

 

1-1 インシデントの最も多い構成アイテム (CI)

インシデントの発生している構成アイテム (特定の PC、特定のサーバー、特定のサービス、特定のアプリケーションなど) を確認することができます。これにより自社の IT システムでインシデントが多発している箇所を特定し、そのインシデントの根本原因の解決を優先的に行う意思決定が可能になります。発生頻度が低いインシデントを後回しにするなど、インシデントに重みづけをすることができるレポートです。

 

1-2 インシデントの KPI 傾向

インシデントの発生頻度とインシデントの平均解決時間をグラフで可視化することが可能です。これにより、週単位、月単位、四半期単位など、どれくらいのインシデントが発生していて、どれくらいの解決時間を要しているか、一目瞭然となります。インシデントの多発および解決時間の長期化は、社員、職員の業務を中断させ、会社、組織の運営に大きな支障をきたすため素早く手を打つ必要があります。どのインシデントが多く発生しているか、どのアイテムで発生しているか等の情報については、前の2つのレポートでインシデントを分析することにより得ることができるため、これまでのように「なんとなくインシデントが多い」という感覚ではなく、手を打つ場所 (アプリケーション、サービス、サーバー、PC の機種など)を事実に基づいて決めることが可能です。

 

1-3 インシデントの解決

このレポートでヘルプデスクチームのサービスレベルがあらかじめ設定した目標値に到達しているかどうかを確認することができます。たとえば、目標とするサービスレベルに到達できなかった場合に、インシデントをドリルダウンして原因を分析したり、設定された目標が適切であったかどうかを検証することも可能です。このレポートを活用し、満足度アンケート等と組み合わせることで評価指標のあいまいな「なんとなく」ヘルプデスクから脱却し、明確な目標と客観的な評価基準を持ったヘルプデスクチームの実現が可能となります。

 

2. 問題解決関係のレポート

2-1 問題の一覧

ヘルプデスク担当者から、システム担当者へ解決すべき問題としてエスカレーションされた一覧です。これにより、インシデント発生から回避策や既存のナレッジでは解決できない問題が自社内、自組織内でどれだけ発生しているのか、自社内、自組織の IT の健康、不健康度合が、一目瞭然です。

 

2-2 変更要求の一覧

問題を解決するために システムに加えた変更の一覧です。何らかの障害発生時に、この変更要求一覧を活用することで障害の原因となっている変更、もしくは、変更に依存しない障害が発生していることが確認できます。これにより初期の問題切り分けに必要な時間を大きく削減し、システム停止時間を大幅に減らすことが可能になります。

 

2-3 変更管理の KPI の傾向

変更あたりの平均処理時間を可視化できます。これによりどの変更に時間がかかっているかが一目瞭然です。たとえば、変更に時間のかかるシステムやアイテムはどれか、またどのくらいの時間がかかっているかといったを定量的な数値を把握することができます。障害発生時の機会損失コストを定量的に分析し、次年度以降のシステム更改の戦略立案に活用することで確実に自社の IT システムを正しい方向へ導く、大きな判断材料を与えてくれます。

 

2-4 活動の分析

IT部門が現在対処している問題の状態を一目で確認することができます。例えば、赤の「待機中」が多ければ、問題が多く発生しており、社内業務に支障をきたしていることが確認できます。IT 部門長や担当者がこの活動を確認することで、自分たちの IT システム保守にどれだけ時間を費やしているかを確認でき、保守にかかるアイテムを確認し、改善またはリプレースし、保守の IT から攻めの IT へと変化させるきっかけを与えてくれます。IT は全社、全組織、横断的にかかわることなので、会社または組織のパフォーマンス改善に非常に役立ってくれます。

*活動 : 問題の管理、インシデントの解決、または変更要求やその他の作業アイテムの完了の一部として実行される作業単位 (SCSM で使用される用語)

 

2-5 インシデントの詳細

「活動の分析」レポートからドリルダウンして、例えば、待機機中のインシデントや解決済みのインシデントなどがその場で確認することができます。

 

ここまで自社の IT をレポートでどのように確認できるか、見てきましたが、最後にインシデントや問題解決の元となるインシデントの入力についてみていきたいと思います。非常に役に立つツールですが、インシデントの入力に手間がかかっては、ヘルプデスク担当者の負荷も上がるだけで、運用が回らなくなりますが、SCSMは、Active Directory や SCCM、SCOM と連携することで、自動的に項目が入力されていたり、インシデントの自動作成などが可能なので、インシデント作成にかかる手間は最小限で済みます。

3 インシデント入力フォーム

3-1 管理コンソール「インシデントの管理」

SCSM管理コンソールから左のペイン「作業アイテム」のメニューをクリックすると「インシデント管理」を選択できます。電話でヘルプデスクを受けた場合など、手動でインシデントを作成する場合は、このメニューの右ペインの下のほうにある「インシデントの作成」をクリックします。

 

3-2 インシデント入力フォーム

インシデントの起票を行うメイン画面です。タイトルと説明を入力すれば、基本的に OK です。必要に応じて、ソース*、影響、重要度、サポートグループ、担当者 (通常は Active Directory から)、プライマリ所有者を入力します。

*ソースは、次の中から選択できます。システムからの場合は、自動的に選択されます。

  • 電話
  • 電子メール
  • ポータル
  • Operations Manager : SCOM
  • SCCM (DCM) : 必要な構成管理 (DCM)
  • システム

System Center の連携として、SCOM のアラートから自動的にインシデントを作成したり、SCCM の DCM (必要な構成管理) の機能から自動的にインシデントを作成可能です。

 

3-3 解決のために行った「活動」を記録フォーム

実際にヘルプデスク担当者が行った活動を履歴として、残すことができます。1つのインシデントに複数の活動が必要な場合が通常ですので、1つのインシデントに複数の活動履歴を紐づけられることが可能です。

 

3-4 解決入力フォーム

インシデントが解決したら、クローズ時にこのインシデントに解決するのに要した時間を入力し、クローズします。これにより、インシデントの傾向を明確に分析することが可能になります。

 

複数人での管理コンソール利用を前提に設計されており、ロールを設定し、ロールごとに管理コンソールのどの機能を参照/変更できるのか、きめ細かく設定することが可能です。また、GUIのオーサリングツールからノンコーディングでフォームのカスタマイズが可能です。

 

4 セルフサービスポータル

さらに、SCSM は標準でポータル機能を実装しており、ユーザーに合わせて、IT アナウンスを見たり、「要求の作成」からヘルプデスク担当者に電話しなくても、インシデント作成が可能です。ユーザーがヘルプデスク担当者に電話がつながらない場合、または電話ができない場所、時間帯などでも、インシデント作成が可能になり、ヘルプデスク担当者、ユーザー双方にメリットをもたらします。ITアナウンスは、SCSM の管理コンソールからフォームに入力するだけで自動的にユーザーのセルフサービスポータルに公開されるため、メールでアナウンスしても見落とされがちなIT障害情報やお知らせを確実にユーザーにお知らせすることが可能です。

 

以上、いかがでしたでしょうか?SCSM はSystem Center製品の1つとしてSCCMやSCOMとも連携し、見慣れたコンソールで使いやすい機能を提供し、ヘルプデスク担当者であれば、どなたでもすぐに使い始めることが可能です。また、多彩なレポートにより、様々な角度から自社、自組織の IT 運用に関する新たな指標、視点を得られることが、お分かりいただけたかと思います。

System Center Service Manager を自社、自組織のIT 運用に上手に適用することで、IT、システム運用やトラブル対応にかける時間/コストを削減し、ユーザーの新たなニーズや経営層からのITへの期待に応えられる、"一歩先を行く IT 組織"に変革しませんか?

 

System Center Service Manager やそのほかの System Center が皆様の IT 運用によりお役にたてれば幸いです。