新しい Azure VM イメージ: Linux 用および Windows 用の SQL Server 2017
執筆者: Mihaela Blendea (Sr. Program Manager, SQL Server)
このポストは、10 月 2 日に投稿された Announcing new Azure VM images: SQL Server 2017 on Linux and Windows の翻訳です。
このたび、Linux 用 (英語) および Windows 用の SQL Server 2017 のイメージが Azure Marketplace でリリースされました。SQL Server を Azure VM にデプロイすると、業界最高レベルのパフォーマンスとセキュリティ、組み込み型人工知能、SQL Server のビジネス インテリジェンスを組み合わせることができます。これが、Azure の柔軟性、安全性、ハイブリッド接続を備えた Linux と Windows の両方で利用できるようになりました。
SQL Server 2017 の新機能
SQL Server 2017 は Windows のほかに Linux でも利用でき、SQL Server としては初めて Linux に対応しました。これにより、Windows、Red Hat Enterprise Linux、SUSE Linux Enterprise Server、Ubuntu のいずれの仮想マシンでも SQL Server を実行できるようになりました。また、SQL Server 2017 には、グラフ データの管理と分析、アダプティブ クエリ処理、Python や R の分析機能を使用した高度な組み込み型インテリジェンス、T-SQL によるネイティブなスコアリングなどの新機能が搭載されています。詳細については、SQL Server 2017 の一般提供開始に関するブログ記事 (英語) を参照してください。
今回公開された新しいイメージは単体の SQL Server 2017 インスタンスで、Windows Server 2016 で使用可能なすべてのエディション、SQL Server 2017 でサポートされるすべての Linux ディストリビューション (Red Hat Enterprise Linux 7.4、SUSE Linux Enterprise Server 12 SP3、Ubuntu 16.04 LTS) で使用可能なすべてのエディションのイメージです。各エディションには以下のようなものがあります。
• SQL Developer: 開発およびテスト用に SQL Server のすべての機能を無料で使用できるエディション (運用環境用ではありません)
• SQL Express: 軽量なワークロード向けのエントリ レベルの無料データベース (1 GB メモリ、10 GB ストレージ)
• SQL Web: 小規模から中規模の Web アプリケーション向けの低コスト データベース
• SQL Standard: 中規模ワークロード向けのコア データベース機能
• SQL Enterprise: SQL Server のすべての機能を利用できるエディション (ミッション クリティカルまたは大規模なトランザクション処理、データ ウェアハウス、ビジネス インテリジェンス ワークロード向けの包括的な機能を搭載)
Azure 仮想マシンで SQL Server を実行するメリット
Azure で SQL Server を実行すると、以下のようなメリットがあります。
• クラウドの柔軟性: SQL Server デプロイメントのセットアップと管理は数分程度で済み、スケールの拡大や縮小も臨機応変に行えます。
• パフォーマンス向けのチューニング: SQL Server 開発チームによって最適化された仮想マシンが、きわめて厳しい要件にも対応します。
• ハイブリッド接続: オンプレミス資産を最大限に活用しながら、あらゆる Azure サービスを使用できます。
• 高い安全性と信頼性: 最も多くのコンプライアンス要件を満たしたクラウド上の安全性に優れたデータベースでデータ資産全体を保護します。
最新の Azure の機能強化
主要な VM サイズの最新バージョン (DS/ES/GS/MS) では、vCPU 数を元の VM サイズの半分または 4 分の 1 に減らしつつ、メモリ、ストレージ、I/O 帯域幅はそのままの性能を維持したオプションを選択できます。vCPU 数が少ない新しい VM では SQL Server のライセンス料金が抑えられ、有効な (課金対象となる) vCPU 数に対する VM の性能が 50 ~ 75% 向上し、ワークロードで vCPU を最大限に使用できるようになります。
また、可用性ゾーンを使用することで、回復性も向上させることができるようになりました。可用性ゾーンは、特に要件が厳しいミッション クリティカルなワークロードをサポートする先進的なソリューションです。詳細については、Azure 可用性ゾーンのドキュメントをご覧ください。
お客様の事例
お客様の中には既に Azure Virtual Machines で SQL Server 2017 を実際に運用している企業もあり、その中には Linux ベースの VM で SQL Server を稼働しているケースもあります。金融関連のレポート作成および分析プラットフォームを提供している dv01 (英語) では、以前は他社クラウド製品でオープン ソース ソフトウェアを運用していました。しかし、会社として成長し業務が複雑化するにつれ、dv01 のアプリケーションの速度が低下するようになりました。そこで、Azure Virtual Machines で実行される SQL Server に移行したところ、30 秒だったクエリ応答時間が 1 ~ 2 秒になり、管理作業の時間も 90% 削減されました。また、SQL Server 2017 で Linux がサポートされたことにより、2 種類のオペレーティング システムに対応した環境を管理する必要もありませんでした。
今すぐ使用を開始する
Linux ベースの SQL Server VM (英語) および Windows ベースの SQL Server VM は、数分程度で容易に使用を開始できます。次のようなシナリオに応じて SQL Server VM を構成します。
• 任意のバージョンおよびエディションの SQL Server が搭載された VM イメージを選択する
• OLTP、データ ウェアハウス、ビジネス インテリジェンスなどに対応した事前構成済み VM で特定のワークロードをターゲットとする
• Windows Server か Linux か、プラットフォームを選択する
• 無料で使用できる開発/テスト用の Developer エディションや軽量ワークロード用の Express エディションなど、最適なエディションを選択する
参照情報
詳細については、Linux VM 用 SQL Server のドキュメント (英語)、Windows VM 用 SQL Server のドキュメント、Azure VM 用 SQL Server 入門ガイドのビデオ (英語) を参照してください。