Azure Kubernetes Service (AKS) の一般提供 – 提供範囲と機能を追加して生産性を向上

執筆者: Brendan Burns (Distinguished Engineer, Microsoft Azure)

このポストは、2018 年 6 月 13 日に投稿された Azure Kubernetes Service (AKS) GA – New regions, more features, increased productivity の翻訳です。

 

楽しい時間はあっという間に過ぎると言いますが、私が Azure のコンテナー サービスに携わったこの 2 年間は、まさにそのとおりでした。この 2 年間にはさまざまなことがありました。Azure での Kubernetes サービスの開始 (英語)Deis の買収 (英語)Linux Foundation への加入 (英語)Draft (英語)Brigade (英語) といったオープン ソース プロジェクトの立ち上げなどを次々に実施し、さらに大手パブリック クラウドで初のサーバーレス コンテナー インフラストラクチャをリリース (英語) しました。最近では、Kubernetes が生まれた GitHub を買収 (英語) しました。Azure での Kubernetes の利用は大幅に伸びており、ユーザー数は 1 年前の 5 倍、使用量は 10 倍になっています。マイクロソフトと Azure の可能性は無限であると言っても過言ではありません。

このたび、Azure Kubernetes Service (AKS、英語) の一般提供を開始いたします。これに伴い、オーストラリア東部、英国南部、米国西部、米国西部 2、北ヨーロッパの 5 つのリージョンをサービス提供地域に追加します。これにより AKS の提供範囲は 3 大陸 10 のリージョンとなります。数か月以内には、さらに 10 のリージョンを追加する予定です。

Azure エンジニアがフルマネージド Kubernetes クラスターを安定的に監視、運用、サポートすることによって、世界中のユーザーやアプリケーションは、すべてのリージョンで、運用 Kubernetes アプリケーションを確実にデプロイおよび管理することができます。Azure はフルマネージド型の Kubernetes サービスを無料で提供した初のクラウドであり、一般提供開始後も無料で提供します。サービス利用時にインフラストラクチャの管理コストは一切かかりません。

AKS のエンジニアリング チームと共に新サービスのテストに尽力いただいたお客様のおかげで、プレビューから一般提供へ移行 (英語) することができました。これまで AKS の改善にご協力いただいたマイクロソフト社内外の皆様に、深く感謝申し上げます。皆様の献身的なサポートなくして、今回のリリースは実現しませんでした。

マイクロソフトは、AKS 関連のサービス展開だけでなく、上流工程であるオープン ソースの Kubernetes コミュニティにも参加しています。ソフトウェアを利用するだけではなく、オープン ソースのプロジェクトそのものに参加し貢献することが重要です。すばらしいことに、70 名のマイクロソフトの従業員が Kubernetes プロジェクトに参加 (英語) しています。

Kubernetes API の取り組みはまだ始まったばかりです。初期段階からマイクロソフトの DNA をプラットフォーム開発に組み込むことで、開発者の生産性向上の実現と促進をサポートします。これを新世代のツールに採用しながら、クラウド ネイティブ アプリケーション開発の可能性を広げていきます。今年 5 月の Microsoft Build カンファレンスでは、クラウド ネイティブ アプリケーション開発において、Azure が最も包括的で高性能なクラウド (英語) であることをお伝えしました。Azure のツールでは、Kubernetes でコンテナー化されたアプリケーションを容易に開発およびデバッグすることができます。今後さらに利便性を高めるため、Kubernetes のロール ベースのアクセス制御 (RBAC)、Azure Active Directory ベースの ID (英語)、既存のカスタム仮想ネットワークへのクラスター デプロイ機能などを、すべての AKS リージョンで提供いたします。さらに、クラスターのデプロイや管理に Terraform (英語) などのオープン ソース ツールと Azure 純正の Resource Manager テンプレートを使用できるようになります。詳しくはこちらをご確認ください

マイクロソフトは、Azure を業界トップの Kubernetes プラットフォームにするだけでなく、あらゆる場所で Kubernetes を実行できるようにするため、積極的に Kubernetes ユーザー コミュニティに貢献しています。

  • さらに、複数業界で取り組んでいる Virtual Kubelet (英語) では、VM のない環境でも Azure Container Instances などの先進的なテクノロジを使用して Kubernetes を管理できるようにしています。

マイクロソフトでは、ユーザーのニーズに応えるこのようなサービスが、皆様の大きな成果につながると確信しています。Siemens (英語) Varian Health (英語) などの企業は、既に Azure で Kubernetes を使用してすばらしい成果を出しています。

Azure Kubernetes チームは、全世界の運用環境に対応した Azure Kubernetes Service を作り上げました。今後これを利用して、お客様にすばらしい運用アプリケーションを開発いただけることを期待しています。マイクロソフトでは、AKS ユーザーと世界中の Kubernetes 愛好者の皆様に向けて新機能の開発に取り組んでいます。

さらに詳しく知りたい方は、クラスターの作成、アプリケーションのデプロイ、Azure Kubernetes Service の機能をお読みいただくか、サンプル アプリ (英語) をお試しください。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

Brendan Burns