Windows Server 2019 のすべて – 第 2 回

執筆者: MICROSOFT WINDOWS SERVER TEAM

このポストは、2018 年 8 月 20 日に投稿された Everything you need to know about Windows Server 2019 – Part 2 の翻訳です。

 

今回の記事は、Windows Server チームでプログラム マネージャーを務める Haley Rowland、Jeff Woolsey、Ned Pyle、Samuel Li と共同で執筆しました。

ハイブリッドは、旅ではなく、目的地。 Windows Server は非常に多くのお客様のビジネスで利用されています。その Windows Server を補強するのが、パブリック クラウドです。パブリック クラウドは Windows Server に取って代わるものではありません。また、Azure はビジネス リーダーや IT 管理者の皆様の業務に役立つさまざまなオプションを提供しています。膨大なストレージ容量や強力な災害対策、セキュリティ機能、インフラ管理といったオプションを、ハイブリッドによって従来のオンプレミス データセンターや最新のエッジ デバイスと併せて利用できるようになります。

このブログ シリーズの第 1 回でお伝えしたとおり、マイクロソフトは先日、Windows Insider Program で Windows Server 2019 プレビューの提供を開始しました。新しい Windows 管理センターと組み合わせると、マイクロソフトのサーバー オペレーティング システムとしては初めて、ハイブリッド データセンターとハイブリッド クラウドの目標を達成した製品となります。これは、受信トレイの新機能と最新鋭のアドオン コンポーネントに、エッジ コンピューティングのメリットを最大化するために開発された各種 Azure サービスを組み合わせることで実現されました。

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Windows Server 2019 で提供されるハイブリッド対応機能の一部は以下のとおりです。

  • Windows 管理センターと Azure サービスの組み合わせ
  • Storage Migration Service
  • Azure File Sync
  • Storage Replica

Microsoft Ignite 2018 (英語) に参加される皆様は、さらに驚きの情報を目にすることになるでしょう。その前に、ここでは上記の新機能について詳しく見ていきます。

Windows 管理センターと Azure サービスの組み合わせ

Windows 管理センターを使用して、Azure サービスをオンプレミス環境から利用できます。

  • ユーザー インターフェイスが一元化されているため、そこから離れることなくあらゆる Azure サービスを検索、デプロイ、使用できます。Windows 管理センターのセットアップは合理化されており、必要な Azure リソースのプロビジョニング、エージェントのインストール、サービスの初期化がバックグラウンドで自動で実行されます。
  • 現時点では、Windows 管理センターに以下のサービスのサポートが組み込まれています。サポート対象は今後さらに拡張される予定です。

Azure Site Recovery :Hyper-V 仮想マシンで実行されている基幹業務ワークロードを災害から保護します。

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Azure Backup ( 近日対応予定): データを誤って削除、破損した場合や、ランサムウェアの攻撃を受けた場合にサーバーを保護します。

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Azure Update Management : 環境内の全サーバーのオペレーティング システムの更新を管理します。

Azure AD 認証 : Windows 管理センターの入口のセキュリティを強化します。Windows 管理センターで、条件付きアクセス ポリシーや多要素認証といった機能を使用できます。

Windows 管理センターで Windows Server IaaS VM を管理 : きめ細かいトラブルシューティングや構成を行えます。

ぜひ今すぐ Windows 管理センターをダウンロードしてこれらの機能をお試しください。インストールには 5 分もかかりません。また、管理したいサーバーやクラスターにエージェントをインストールする必要もありません。

Storage Migration Service

Windows Server 2019 に新たに組み込まれた Storage Migration Service (英語) を使用すると、アプリケーションやユーザーを再構成することなくサーバーとデータを移行できます。複雑で繊細な環境でサーバー移行の問題が発生しても、高速性、一貫性、拡張性を保ちながら問題に対処することができます。また、Windows 管理センターを使用すれば、ワークフローを直観的かつグラフィカルに把握できます。

Storage Migration Service は、組織での Windows Server 2003、Windows Server 2008、Windows Server 2012 の利用を終了に導き、Windows Server 2016 や Windows Server 2019 などのハイブリッド サービス オプションを備えた最新プラットフォームに移行していただくことを支援するサービスです。Storage Migration Service では、移行元のサーバーのリストの作成、移行先となる新しい環境へのデータの転送、移行元のサーバーの ID とネットワークの引き継ぎ、という 3 段階の移行手順が行われます。ユーザーやアプリケーションに影響を与えることなく移行を進めることができます。

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Azure File Sync

新サービスの Azure File Sync は、Windows Server 2019 で一般提供が開始されます (Windows Server 2016 および Windows Server 2012 R2 でも提供開始)。Azure File Sync では、オンプレミスのファイル サーバーの柔軟性、パフォーマンス、互換性を維持しながら、企業内での Azure Files のファイル共有を集約できます。

Azure File Sync では、オンプレミスの Windows ファイル サーバーをホット キャッシュとして使用し、アクセス頻度が高いファイルをローカルに置く一方、コールド データを自動的に階層化して Azure に格納します。このため、ストレージを実質無限に使用することができます。ローカル データへのアクセスには、SMB、NFS、FTPS など、Windows Server が対応しているあらゆるプロトコルを使用できます。キャッシュは、世界中に必要なだけ設置できます。

Storage Replica

Storage Replica は、Windows Server 2016 で初めて採用された災害対策サービスです。Windows Server 2019 では、新たにハイブリッド環境に対応する機能が追加されました。Standard エディションの Windows Server 用に一部の機能を制限したリミテッド バージョンもあるため、サイトを複数持たない中堅中小企業のお客様はセカンダリ サイトとして Azure IaaS VM を使用し、保護に利用することができます。また、テスト フェールオーバーを追加し、Windows 管理センターに対応したほか、ハイブリッド対応にも取り組んでいます。詳しくは、Microsoft Ignite でお伝えする予定です。

まとめ

「ハイブリッドは、旅ではなく、目的地」です。Azure と Windows Server を組み合わせることで、あらゆる規模の企業のお客様がそこで生まれる膨大な価値と能力を活用し、次世代のコンピューティング、ストレージ、ネットワーク、セキュリティへと進化させることができます。

ぜひ Windows Server 2019 プレビューWindows 管理センターAzure File Sync をダウンロードしてご利用ください。また、学習や意見交換には Windows Server テクノロジ コミュニティ (英語) にご参加いただけます。

前回までのシリーズ記事も併せてお読みください。