Desktop App Converter について
Desktop App Converter の v1.0 がリリースされましたので、情報を整理することが、この記事の目的になります。最初に、リリース形態は以下のようになります。
- v1.0 は Windows ストア 経由での提供になります。改善したバージョンは、Windows ストアからの提供のみになることがアナウンスされています。
- ベースイメージは、ダウンロード センター経由での提供になります。
現時点(10/5)では、Anniversary Update(ビルド 14393) と Insider Build 14915 と 14926、そして DesktopAppConverter の v1.0 の Zip イメージがダウンロードできます。
Desktop App Converter(DAC) を試す前に読んで頂きたいのが、「デスクトップ アプリを UWP に変換する準備をする」というドキュメントで、日本語版は翻訳が追い付いていませんが、英語版のドキュメントに以下のような記述があります。
「Your app is already a full UWP app and wants to invoke a full trust process from within the app package. Using the bridge in "reverse" is not supported and UWP apps attempting to invoke full trust processes will fail Store certification. To enable this scenario in a sideloaded app, 」(赤字は、私が強調しています)で、
直訳すると、「アプリが UWP アプリであり、変換したアプリ パッケージの完全信頼のプロセスを呼び出したい。 ブリッジを使って、逆の呼び出しはサポートされていません。また、UWP アプリ が完全信頼のプロセスを呼び出すことは、ストアの認定で失敗します。 DAC は、サイド ローディングを可能にします。」となります。この後は、Manifestの記述やデバイス ファミリが Windows.Desktop 固定になることが記述しています。この説明から理解できることは、Windows ストアへ DAC を使って変換したアプリを提出することはできないということです。
では、どうするのかと言えば、情報提供フォームを使って情報を提出することが必要になります。この情報提供フォームは、以下のような項目があります。
この情報提供で忘れずに入力して頂きたいのは、全ての項目になりますが、中でも重要なのは、
- アプリの URL (変換したいアプリの製品ページ)
- 最後のコメント的なテキスト ボックスには、なぜこのアプリを Windows ストアから公開したいのかの説明を記入します。特に、第三者を納得させるような記述を心がけます。なぜなら、先に説明したように「完全信頼のアプリは、ストアの認定で失敗する」という制限を緩和させることの正当性が必要になるからです。
この情報提供フォームで情報(全て、英語で記述してください)を提供すると、きっと担当者からメールで連絡がいくことでしょう。その後のメールでのコミュニケーションがうまくいくと、Windows ストアに変換したアプリを提出できるようになることでしょう。もちろん、意向に沿わないで提出が許可されない場合もあります。
このプロセスがずっと続くのかどうかは不明ですが、現時点で DAC でインストーラを Appx パッケージに変換したアプリを Windows で公開するには、この方法しかありませんので、ご注意ください。
追記:2017/06/08 情報提供フォームの処理が終わるまでは、ストアにAppxパッケージを提出しないでください。もし。この処理が終了する前にストアへAppxをアップロードすると、「Your developer account doesn't have permission to subumit apps converted with Desktop Bridge as this time. 」というエラーが表示されます。このエラーは、「あなたのアカウントには、権限がないので、このAppxパッケージを提出することはできません」という意味であり、情報提供フォームの処理が終了していないことを示しています(技術的には、AppxManifestに rescap:Capability Name="runFullTrust" が記載されている Appx パッケージに対して情報提供の処理が必要ということです)。情報提供フォームの処理とは、フォームで情報を提出してから、マイクロソフトの担当者からメールで連絡がきて、その後に様々なやりとりが発生することを意味しています。このため、情報提供フォームで情報提供をしてからの処理が完了するまでの間は、ストアへアプリを提出することは控えていただくようお願いします。
最後に情報提供フォームでよく聞く話としては、「情報を提供したのに何の反応もない」というものがあります。このケースの場合は、「アプリのURLが空白」、あるいは「入力項目の内容が間違っている」のが原因で、マイクロソフトの担当者を決める前に却下されています(入力して頂いた情報を確認できないので、連絡をしないという状況が発生しています)。どの程度の期間という基準はありませんが、1週間から2週間待ってから、もう一度申請してください。特にアプリのURLは重要です。なぜなら、Desktop Bridgeは、すでにお持ちのアプリを目的にしているからです。新しく作るアプリは、対象外ですので、この点にご注意ください。