暗号化されたデータベースとレプリケーション
マイクロソフトの平山です。
「透過的なデータ暗号化」を使用して暗号化されたデータベースの使い勝手を追求するシリーズの 2 回目の今回は、レプリケーションとの関連を紹介します。
レプリケーションでパブリッシュしようとするデータベースが暗号化されていても、サブスクライバへレプリケートを行うときに必要となる情報は、暗号化されていない状態で distribution データベースに格納されています。
つまり、レプリケート実行時にデータを復号化する必要がないため、サブスクライバ側でのサービスマスターキーの作成や証明書のリストアは必須ではありません。また、この動作はいずれレプリケーションのタイプにも当てはまります。
といった前提のもとに、暗号化されたデータベースをレプリケートする場合の注意点は次のようになります。
注意点 1:
パブリッシャデータベースが暗号化されていたとしても、サブスクライバデータベースが自動的に暗号化されることはありません。必要に応じて個別に暗号化を行ってください。
サブスクライバの暗号化の際には、必ずしもパブリッシャと同じ証明書を使用する必要はありません。注意点 2:
パブリッシャデータベースが暗号化されていても、スナップショットレプリケーションや他のタイプのレプリケーションの初期化時に使用されるデータベースの初期スナップショットは暗号化されていません。つまり、ネイティブ形式のファイルとして出力されていても、バイナリエディタなどで展開されてしまうと、ファイルの内容をのぞき見られてしまう危険性があります。
そのため、スナップショットファイルを配置するフォルダの権限を適切に管理することで対処する必要があります。注意点 3:
レプリケーションに関連するサイト間の通信を、より堅牢にするためにパブリッシャ、ディストリビュータ、サブスクライバ間の伝送経路の暗号化を検討してください。