Visual Studio Onlineのユーザーの考え方
Visual Studio Onlineで、「アカウント」という用語で迷ったことはないでしょうか?
オンプレミスで予定しているTeam Foundation Severの導入でまずはサーバーを買わずにお試し利用してみたり、業務委託先との開発に使えないかとご検討の方も多いと思います。ここで、サーバー(アプリ)やユーザーの考え方を整理してみたいと思います。
アカウントとユーザー
まず用語の整理をいたします。「アカウント」はオンプレミスで言うサーバーの単位を意味しています。
- アカウント:チームで使用するVisual Studioの大きな単位
- 登録ユーザーもしくはIDの意味のアカウントではありません
- アクセスするURLを指定する単位になります
- ひとつのアカウントに複数プロジェクトを作って使用できます
- プロジェクト:各開発プロジェクトごとのリポジトリの単位
- ユーザー:Windowsアカウントでサインインして使用する、Visual Studio Onlineの利用者
そして、「サブスクリプション」という言葉も使われますが、状況によりそれぞれ別の物を意味している場合があります。
- サブスクリプション
- Visual Studio OnlineはWindows Azure上のアプリケーションサービスの一つです。Windows Azureの購入単位を指してAzure“サブスクリプション”と呼ばれています。
- MADN“サブスクリプション”の特典としてVisual Studio Onlineを使用することができます。
- Visual Studio Onlineは月単位で契約期間中のみ使用できるクラウドサービスのため、“サブスクリプション”制のサービスです。
Visual Studio Onlineのアカウントに開発単位ごとにプロジェクトを作ります。アカウントにユーザーを追加し、それぞれのプロジェクトのメンバーとして登録することで利用することができます。
社外ユーザーも追加可能
Visual Studio Onlineは、Microsoftアカウントを使用してサインインしアクセスをします。業務委託先や、業務委託元のお客様もユーザーとして追加することで簡単に情報共有をすることができます。社内のユーザーと同じように、Microsoftアカウントのメールアドレスを使用して追加し、プロジェクトメンバー登録をするとアクセスが可能です。
ここで裏ワザ。ソースコードも成果物も完全に納品してしまう場合、Visual Studio Onlineのアカウントのオーナーシップごと移管し、必要であればユーザー登録の削除等でアクセスを再定義することで引継ぎが完了してしまいます。
Visual Studio Onlineの入手方法によるユーザー数の管理
”MSDNサブスクリプションをお持ちですと、ユーザー数に上限なくアカウントに追加することができます。” ですがこの説明、文章だけで読むと何のことだかさっぱりわかりません。
- Visual Studio OnlineのBasicユーザーは5名まで追加して無償で使用できます。
- Visual Studio Onlineのユーザープラン(月額利用)は、Basicの6人目以降、Professional、Advancedは買ったユーザー数分だけ追加できます。
- MSDNユーザーは、Ultimate、Premium、Professional等のレベルごとに登録済み人数が表示されます。
MSDNではないユーザーはそれぞれメーターになっていて、追加可能な人数まで登録できるようになっています。そして、MSDNを持っているユーザーは、メーターで表示されず登録済み人数だけが表示されます。MSアカウントのメールアドレスで登録した時点でそのユーザーがMSDNのどのレベルと持っているか自動的に識別します。
スクリーンショットで見るとこんな感じになっています。登録済みユーザー(中央のユーザー一覧)は、1人だけUltimate with MSDNを持っていて、Basicが6名だということが分かります。ユーザー数のカウントは(右側のメーター表示)、Basicを6人分買っていて(5+6=11人利用可能)、登録ユーザーの6人目が自動的に有償の月額利用のユーザーとしてカウントされています。Ultimate with MSDNが1名ですが、増えればカウントアップされていきます。
どうでしょうか。この状況を一言で表すのが非常に難しくて、事実が分かると”MSDNをお持ちであればユーザー数に上限なくアカウントに追加できると”いう説明がたしかに正確に示していることはご理解いただけたかと思います。
そして、月額利用ユーザーを追加するには、Azureポータルから購入をします。Azureポータル上で追加ユーザー分を購入するとVisual Studio Onlineの管理画面にも反映され、ユーザー数が増えます。このあたりの操作を試すには、Azureの試用版をご利用いただけば最初から課金されることはありませんので使ってみてください。
(杉本)