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Azure App Service を発表

このポストは、3 月 24 日に投稿された Announcing Azure App Service の翻訳です。

モバイル ファースト、クラウド ファーストの世界で企業に求められているのは、顧客、パートナー、従業員が手元のデバイスを使用してどこからでもシームレスにデータにアクセスできるようにすることです。そして、開発者に求められているのは、複数のプラットフォームをサポートするアプリケーションを開発し、そのアプリケーションによってオンプレミスの情報システムやクラウドベースのサービスとの統合を実現したり、ビジネスやユーザーの成長に合わせたグローバルなオートスケールを実現できるようにすることです。そこで今回発表されたのが、Azure App Service という Azure の新しいサービスです。この記事では、アプリケーション プラットフォーム チームを代表して Azure App Service についてご紹介させていただきます。

App Service は、あらゆるプラットフォームとデバイスに対応する Web アプリやモバイル アプリの開発に使用できる新たなクラウド サービスです。統合型ソリューションである App Service は、開発作業を効率化し、オンプレミスや SaaS のシステムとの統合を容易にすると共に、ビジネス プロセスを瞬時に自動化する機能を提供します。

独自の統合サービス

Azure App Service では、Azure Websites、Azure Mobile Services、Azure BizTalk Services の各機能をまとめて独自の統合サービスとして提供するほか、強力な新機能も追加されています。App Service は以下の種類のアプリをサポートします。

  • Web Apps: ビジネスに合わせて拡張可能なミッション クリティカルな Web アプリを構築する
  • Mobile Apps: あらゆるデバイスを使用する従業員、パートナー、顧客といつでもつながる
  • Logic Apps: SaaS およびオンプレミス全体でビジネス プロセスを自動化する
  • API Apps: クラウド API を簡単に開発し、任意のアプリで利用する

ここからは、それぞれのアプリについて詳しくご説明します。

Web Apps

Web Apps (英語) では、あらゆる Web サイト、Web アプリ、API をクラウドでホストすることができます。既に Azure Websites をご利用の場合、既存の Web アプリはそのまま App Service で実行できます。特に変更を加える必要はなく、引き続き同じ SLA が適用されます。また、追加料金なしで他の種類のアプリや機能をすべて利用することができます。さらに、従来の Web ホスティング プラン (今後はアプリ ホスティング プランに改称) をご利用の場合でも、同じ料金でモバイル アプリ、ロジック アプリ、API アプリを実行できます。

Web Apps では、複数の言語とフレームワーク (.NET、Java、PHP、Node.js、Python など) のサポート、継続的インテグレーション、クラウド デバッグなど、開発者向けの強力な機能が提供されます。また、企業向けにはハイブリッド接続や Active Directory 統合といった特定の機能が用意されているので、コンプライアンス、監査、データ保持の要件に確実に準拠することができます。Web Apps では、あらゆるニーズに合わせてオートスケールが可能なほか、Azure Traffic Manager を使用した複数拠点へのデプロイによって高可用性を確保できます。

 

Mobile Apps

Mobile Apps (英語) は充実した機能を備えたモバイル アプリケーション開発プラットフォームを提供します。Azure Mobile Services を基盤としており、Windows、iOS、Android を含む包括的なクライアント SDK に加え、Xamarin や Cordova といったマルチプラットフォーム環境がサポートされます。Mobile Apps を利用すれば、アプリへのプッシュ通知の送信、ログイン機能の追加、任意のモバイル クライアントとのオフライン同期を使用したクラウドへのデータ保存などが簡単に行えます。

App Service では、デプロイ用のステージング スロット、WebJobs、Traffic Manager のサポート、スケール オプションの改善など、多数の新機能が Mobile Apps に組み込まれています。

 

Logic Apps

Logic Apps (英語) では、使いやすい視覚的なデザイナーを使用して、ビジネス プロセスの実行を自動化できます。API アプリ コネクタの包括的なマーケットプレースが用意されており、Salesforce、Dropbox、Office 365 といった SaaS アプリや、Twilio、Twitter のデータやサービスを任意の Azure の PaaS サービスに統合できます。

Logic Apps の接続は API アプリを基盤として構築されているため、ユーザー独自のサービスや機能を簡単に利用することができます。また、エンタープライズ クラスの統合ニーズに対応するために、コネクタ ライブラリには Microsoft Azure の統合プラットフォームである BizTalk Services の機能が組み込まれており、メッセージ検証および変換用の組み込み API アプリ、ルール エンジン、取引先管理、ハイブリッド接続などの機能が利用できます。

 

API Apps

API Apps (英語) を使用すれば、クラウドの API や SaaS コネクタを検索、ホスト、管理することができます。API Apps では、既存のオンプレミスやクラウドの API を充実したライブラリの中から選択できるほか、独自に作成した API を Azure App Service の Logic Apps、Web Apps、Mobile Apps で利用できるように公開または非公開で簡単にライブラリに追加することもできます。

API Apps では API のバージョン管理機能が提供され、新しいバージョンを管理したり、API を使用するアプリケーションをダウンタイムなくリアルタイムで自動的に更新したりといった作業を簡単に行うことができます。また、App Service でサポートされるすべての言語 (.NET、Node.js、Java、PHP、Python) で SDK を生成できるツールにより、API をさまざまなプログラム言語で利用できます。API にアクセスできる対象は、シンプルなコントロールを使用することで、認証済みのユーザー、パブリック ユーザー、App Service の他のアプリのみにするなど制御できます。API の保護には、シングル サインオンや Google、Twitter、Facebook、Microsoft アカウントのソーシャル ID など、Active Directory を使用したエンタープライズ クラスのセキュリティが確保されます。また、OAuth の標準サポートや、アクセス資格情報を保存する安全なトークン ストアにより、コーディング不要でサードパーティ製のサービスを利用できます。API Apps は、クラウド デバッグ、ライブ トレース、Testing in Production (TiP) などのツールを備え、VS IDE からクラウドに至るまで緊密に統合された開発エクスペリエンスを提供します。

 

開発者の俊敏性

Azure App Service では理解しやすい一般的な開発、管理、課金モデルを採用しているため、強力な Web アプリやモバイル アプリを迅速に開発、デプロイ、拡張することができます。

開発者の皆様には次のようなメリットがあります。

  • .NET、Java、Node.js、PHP、Python といった任意の言語を使用して、Web アプリ、モバイル アプリ、API アプリを数秒でデプロイできる
  • ネイティブの iOS、Android、Windows クライアントで一貫して機能する単一のアプリ バックエンドを構築できる
  • 新しい強力かつ視覚的なデザイナーを使用してビジネス プロセスを自動化できる
  • SQL、SAP、Oracle といったエンタープライズ システムや、Office 365、Dynamics CRM、Salesforce.com、Dropbox など広く使用されているクラウド サービスに簡単に接続できる
  • 多様なコネクタやテンプレートのエコシステムが提供するクラウド API を利用したり、独自に開発することができる
  • Visual Studio Online と GitHub を使用した継続的インテグレーションにより、洗練された DevOps 機能を実行できる
  • インフラストラクチャを気にすることなく、迅速にアプリを改善することに専念できる

強力なアプリ プラットフォーム

App Service では、単一の App Service プランにより低コストで複数の種類のアプリをホストできます。App Service が提供するエンタープライズ対応プラットフォームは、信頼性と拡張性に優れたエンタープライズ アプリケーション環境を構築してきたマイクロソフトの 25 年間の実績に裏打ちされ、企業が必要とする SLA を提供します。以下に、App Service プラットフォームがお客様に提供するメリットの一部を簡単にまとめます。

  • 修正プログラムが自動適用される完全なマネージド インフラストラクチャ
  • ISO、SOC2、PIC に準拠した安全なクラウド プラットフォーム
  • 組み込みのステージング、バックアップ、ロールバック、Testing in Production 機能
  • 組み込みのオートスケール、負荷分散、パフォーマンス監視
  • 地理的に分散されたデプロイメントによる高可用性の保証
  • VPN 接続およびハイブリッド接続によるオンプレミス データへのアクセス
  • クラウド アプリとそのリソースに対する代理管理とロールベースの管理
  • さらなるスケーリングと拡張機能をサポートする新しい強力な Premium (プレビュー) サービス レベル

利用を開始する

App Service は既に一般提供が開始されています。Mobile Apps、Logic Apps、API Apps についてはパブリック プレビュー版を提供しています。

App Service の料金体系は既存の Azure Websites の料金体系と同じですが、Mobile Apps、Logic Apps、API Apps の新機能が追加コストなしで提供されます。また、従来の Websites の Standard レベルの料金で、新しい Premium レベルのプレビューも期間限定でご利用いただけます。

ぜひ今すぐ App Service で新しいアプリの作成 (英語) をお楽しみください。ご利用は無料です。クレジットカードや利用規約への同意も不要で、簡単にご利用いただけます。

関連情報

  • App Service のリリース イベントとデモの様子は、こちらの動画 (英語) をご覧ください。
  • Azure の無料評価版へのサインアップはこちらまで。