Azure Linux VM のインフラストラクチャの監視と診断
このポストは、6 月 9 日に投稿された Azure Linux VM Infrastructure Monitoring and Diagnostics の翻訳です。
今日 Azure で Linux ワークロードを実行している Virtual Machines は膨大な数に及んでいます。昨年 9 月のブログ記事では、Azure で実行されている Windows VM を監視、診断するためのメトリックの設定、構成、確認方法についてご紹介しました。今回の記事では、Azure で実行されている Linux VM 向けにリリースされたばかりの新しい監視機能 (現在プレビュー版) について詳しくご説明します。
先日公開された監視エージェントでは、ユーザーが設定を有効にすると Azure 上の VM に対して監視と診断が有効になり、Azure VM 対応の Azure 拡張機能テクノロジを活用することができます。詳細については、「Azure VM 拡張機能とその機能」をご覧ください。Azure Linux VM の監視と診断を有効にするには、ポータルを使用して [Diagnostics] をオンにするか、Azure CLI、PowerShell、Azure SDK のいずれかを使用して、監視エージェントをインストールして有効にします。詳細およびドキュメントについては、「Linux 診断拡張機能を使用して Linux VM のパフォーマンスと診断データを監視する (英語)」をご覧ください。
Azure VM の監視を有効にするには、以下の方法で監視エージェントが有効になっていることを確認します。
ポータルを使用する場合:
以下のスクリーンショットのように、ポータルで [Monitoring] または [Diagnostics] を [On] に設定します。これで、Virtual Machines の診断情報を収集するために必要な監視エージェントがインストールされます。
Azure CLI の例:
# azure vm extension set myvm LinuxDiagnostic Microsoft.OSTCExtensions 2.0 --private-config-path PrivateConfig.json
PowerShell の例:
Set-AzureVMExtension -ExtensionName “LinuxDiagnostic” -VM $vm -Publisher “Microsoft.OSTCExtensions” -Version 2.0 -PrivateConfiguration “PrivateConfig.json” | Update-AzureVM
新しいバージョンが提供された場合は、バージョンを 2.0 から新しいものに変更することができます。監視の構成を設定する方法の詳細とサンプルについては、「Linux 診断拡張機能を使用して Linux VM のパフォーマンスと診断データを監視する (英語)」をご覧ください。
Azure SDK を使用する場合:
SDK ドキュメント「Microsoft Azure の監視サービス管理ライブラリ (英語)」をご確認ください。
Linux VM で診断を有効にすると、さまざまなメトリックが収集され、後からポータルや上記のその他のクライアント ツールを利用して取得することができます。収集されるメトリックの一覧は今後、追加のメトリックやワークロード固有のメトリックをサポートするために追加または変更される可能性があります。現在は、以下のメトリックがサポートされています。
- CPU の DPC 時間
- CPU の IO 待機時間
- CPU のアイドル時間
- CPU の割り込み時間
- CPU の nice 時間
- CPU の割合
- CPU の割合 - ゲスト OS
- CPU の特権モード時間
- CPU のユーザー時間
- ディスク キューの長さ
- ディスク読み取り
- ディスク読み取り - ゲスト OS
- ディスク読み取り時間
- ディスク読み取り回数
- ディスクの合計バイト数
- ディスク転送時間
- ディスク転送回数
- ディスク書き込み
- ディスク書き込み - ゲスト OS
- ディスク書き込み時間
- ディスク書き込み回数
- 使用可能なメモリの割合
- キャッシュが使用しているメモリ
- 使用可能なメモリ
- メモリの割合
- 使用中のメモリ
- 受信ネットワーク
- 送信ネットワーク
- ネットワーク競合
- 受信ネットワーク - ゲスト OS
- 送信ネットワーク - ゲスト OS
- ネットワークの合計バイト数
- 受信パケット数
- 受信パケットのエラー数
- 送信パケット数
- 送信パケットのエラー数
- ページ読み取り回数
- ページ書き込み回数
- ページ数
- 使用可能なスワップ
- 使用可能なスワップの割合
- 使用中のスワップの割合
- 使用中のスワップ
ポータルでこれらのメトリックおよび関連する主要業績評価指標 (KPI) を確認して分析する方法は、Azure にデプロイされた VM の他のデータを確認する方法と同じです (以下のメニュー項目を参照)。
Azure の監視エージェントを利用して、Azure Linux VM の監視および診断データを有効化、構成、確認する方法の詳細については以上です。Windows VM の場合については、こちらのブログ記事をご確認ください。
今回の記事では、Azure にデプロイされた Linux VM を監視するために利用可能なオプションをご紹介しました。また、現在プレビュー版が提供されている新しい Azure Linux Agent を利用して Azure Linux VM をデプロイした場合にすぐに利用可能なオプションについてもご紹介しました。皆様からのフィードバックをお待ちしています。この記事が、Azure IaaS で実行されている Linux VM または Windows VM の監視と診断のお役に立てれば幸いです。
参考資料
共同作成者: Ning Kuang、Stephen Siciliano、Thomas Pham、Khalid Mouss