Build で発表された Azure の最新機能と技術革新をご紹介
このポストは、4 月 29 日に投稿された Azure peaks in the valley: New features and innovation の翻訳です。
Azure のあらゆる技術革新の中心にあるのは、開発者や独立系ソフトウェア ベンダーの要望に応えるというマイクロソフトの情熱です。本日の //build で発表した Azure サービスの新たな更新により、あらゆるタイプの開発者がさまざまなデバイスやプラットフォームに対応したクラウド アプリやクラウド サービスを柔軟に構築できるようになります。マイクロソフトは今回の更新によって、企業がデータから最大限の価値を引き出すことを可能にする予測分析およびインテリジェント アプリケーション向けの最も完全なプラットフォームを提供できるようになりました。
SQL Database の機能強化
今朝 Scott がステージ上でご紹介したとおり、SQL Database に対してさまざまな更新と機能強化を行いました。SaaS (サービスとしてのソフトウェア) アプリケーションの開発者は、SQL Database によって爆発的成長と収益性の高いビジネス モデルに同時に対応することができます。データベースのリソース消費量が予測できないワークロード向けには、プールしたリソースを複数のデータベースで利用できる柔軟なデータベース モデルのプレビュー版を導入します。ピーク時の需要に対応できるよう過剰にプロビジョニングするのではなく、柔軟なデータベース プールを利用して、予算の範囲内で数百または数千単位のデータベースでリソースを活用することができます。また、複数のデータベース全体のコストとパフォーマンスを制御できる購入モデルにより、コスト効率を高めることができます。SQL Database を使用して数多くのデータベースを管理する方法の詳細については、こちらを参照してください。
また、SQL Server の機能との互換性がほぼ完全になったことで、高負荷のワークロードの実行が可能になり、堅牢かつミッションクリティカルなクラウド アプリケーションを構築したり、既存のオンプレミス SQL Server のデータベースを Azure SQL Database に移行するためのプログラム可能な領域が提供されます。本日より、Azure SQL Database 用 Transparent Data Encryption (英語) のプレビュー版を追加費用なしでご利用いただけるようになりました。Transparent Data Encryption により、長年にわたって信頼されている SQL Server の暗号化テクノロジを最新バージョンの SQL Database (Version 12) のデータベースで利用できます。これにより、保存されているお客様のデータベースを暗号化して、悪意のある活動の脅威に対する保護がさらに強化されています。また、Azure SQL Database に保存されているテキスト データを管理するアプリケーション向けに、Full-Text Search のプレビュー版の無料提供を開始しました。このプレビュー版ではデータベース プラットフォームに統合された高速で堅牢な検索機能が提供されます。SQL Database の詳細については、こちらを参照してください。
Azure Data Lake
マイクロソフトのビッグ データおよびアナリティクス関連の製品ポートフォリオの一部として、ビッグ データの分析ワークロード用のハイパー スケール レポジトリである Azure Data Lake の事前発表を行いました。Azure Data Lake ではスキーマや変換条件を正式に定義するまで、あらゆる種類のデータを 1 か所に保存しておくことができます。ファイルやアカウントのサイズに制限はなく、きわめて高いスループットにより分析処理のパフォーマンスを向上します。Azure Data Lake は HDFS と互換性のある Hadoop ファイル システムで、Hadoop エコシステムと連携して Azure HDInsight との統合が可能なほか、Revolution-R Enterprise などのマイクロソフト製品、Hortonworks や Cloudera などの業界標準ディストリビューション、Spark、Storm、Flume、Sqoop、Kafka などの各 Hadoop プロジェクトと統合される予定です。詳細については https://azure.microsoft.com/ja-jp/campaigns/data-lake/ (英語) をご覧ください。パブリック プレビュー版の提供開始の通知をご希望の方は、こちら (英語) からサインアップしてください。
Azure SQL Data Warehouse
Build では、Microsoft Azure SQL Data Warehouse の事前発表も行いました。マイクロソフトが提供するデータ ウェアハウジングの拡張機能の一部である Azure SQL Data Warehouse は、SQL Server の大規模な並行処理アーキテクチャをベースとするエンタープライズ クラスの機能を備えた柔軟なサービスとしてのデータ ウェアハウスで、オンプレミスやクラウドのデータのスケーリングを可能にします。ストレージとは関係なくコンピューティングを数秒で動的に拡大縮小できる最初のエンタープライズ クラスのクラウド データ ウェアハウスであり、費用は必要なときに必要なだけ実行したクエリ分しか発生しません。SQL Data Warehouse により、既存の T-SQL スキルを活用して定形データや不定形データ全体のクエリを統合できます。Azure HDInsight、Azure Machine Learning、Azure Data Factory、Power BI をはじめとする既存のデータ プラットフォーム ツールと統合した、クラウドの完全なデータ ウェアハウスおよびビジネス インテリジェンス ソリューションです。クラウドまたはオンプレミスに SQL Data Warehouse を導入すれば、パフォーマンス、セキュリティ、スケールの要件に応じてデータの保管場所を選択できるようになります。パブリック プレビュー版の提供開始の通知をご希望の方は、こちら (英語) からサインアップしてください。
Azure Service Fabric
この日は、Azure Service Fabric の開発者向けプレビュー版の提供開始も発表しました。Azure Service Fabric は高度なスケーラビリティとカスタマイズ性を備え、開発者や独立系ソフトウェア ベンダーによるクラウド サービスの構築を可能にする高度な制御プラットフォームです。以前の記事でもご紹介したように、Service Fabric ではステートレスおよびステートフルの両方のマイクロサービスがサポートされます。マイクロサービスとは、独立した小規模なバージョン化されたサービスが複雑なアプリケーションを構成するアーキテクチャであり、低レイテンシが求められるデータ入出力が激しい複雑なシナリオに対応し、アプリケーションのクラウドへの拡張を可能にします。また、コマンド ラインのほかに統合 Visual Studio ツールがサポートされ、シングルボックス環境、テスト環境、運用環境の各デプロイメントで Service Fabric アプリケーションの構築、テスト、デバッグ、デプロイ、更新をすばやく簡単に行うことが可能です。Azure Service Fabric および SDK のダウンロード方法の詳細については、こちら (英語) を参照してください。
Azure App Service Premium
マイクロソフトは先日、Azure App Service をリリースしました。エンタープライズ クラスの Web アプリやモバイル アプリを作成する開発者向けの高度な生産性ソリューションである App Service は、クラウドにアプリケーションをデプロイして柔軟にスケールし、オンプレミスのリソースや SaaS ベースのアプリケーションにシームレスに統合できる完全な PaaS (サービスとしてのプラットフォーム) ソリューションを提供します。
Build では、Azure App Service Environment のパブリック プレビュー版を発表しました。これは、大規模で社内ネットワークへの直接接続を必要とするアプリケーション向けの新たな Premium サービス プランで、開発者は Azure App Service の包括的な機能と DevOps の柔軟性を利用できるほか、新たに導入された P4 コンピューティング リソース (8 コア、14 GB RAM) によりスケーリング可能な領域が増えるというメリットも得られます。サイト間接続または ExpressRoute 回線の Virtual Network を通じて、きわめて機密性の高い企業リソースにアプリから安全かつ直接アクセスできるようになります。基本環境には、お客様の Virtual Network で作成される 2 つの P2 フロントエンドと 2 つの P1 コンピューティング リソースが含まれます。P1 ~ P4 インスタンスを組み合わせてフロント エンドとコンピューティング リソースを別々にスケールアウトできます。また、料金は $0.10/コア/時 (プレビュー期間中の料金) の従量課金制で、最大インスタンス数は 50 です。Azure App Service Environment の使用を開始する方法やその他の詳細については、https://azure.microsoft.com/ja-jp/services/app-service/ を参照してください。
Azure Resource Manager による VM、Storage、Networking のサポート
Azure Resource Manager による Virtual Machines、Storage、Networking のサポートがパブリック プレビュー版として公開されました。Azure Resource Manager テンプレートを使用して、複雑なアプリケーションをワンクリックでリソース グループにデプロイできます。リソース グループにはアプリケーションのすべての要素を含めることができるほか、単一ユニットとして管理することで、ロールベースのアクセス制御 (RBAC) による詳細なアクセス制御が可能です。さらに、リソースをタグ付けして、コストを詳細に把握してリソースを効率的に管理できます。また、プレビュー版のリリース時点で 80 以上のテンプレートのセットを GitHub で提供します。
Azure Resource Manager の提供開始に伴い、Cloud Foundry、Mesosphere、Juju、Apprenda、Jelastic、Scalr など、IaaS 向けの新しいスケーラブルな Resouce Manager を活用している幅広い PaaS、オーケストレーションおよび管理パートナーと提携します。また、Apprenda や Mesosphere のテンプレートを GitHub から直接入手できるようになります。最初のテンプレート セットには、MySQL、Chef、ElasticSearch、Zookeeper、MongoDB、PostGreSQL のテンプレートをはじめとする多数のオープンソース ソリューションが含まれます。詳細については https://azure.microsoft.com/ja-jp/documentation/articles/resource-group-overview/ (英語) を参照してください。
Azure Marketplace の改善
昨年 WPC で Microsoft Azure Certified をリリースし、TechED Europe で Microsoft Azure Marketplace をリリースした後、オンボード プロセスの円滑化と単一の仮想マシンのプロビジョニングの強化のために多数の重要な取り組みを行いました。Azure Marketplace での単一の仮想マシンの公開に関心があるパートナー様は、キャパシティの増強とプロセスの自動化によって市場投入の短縮と Azure への投資抑制というメリットが得られます。詳細については、Azure Marketplace をご覧ください (訳注: Marketplace FAQ にある通り、現時点で日本の企業は Marketplace で発行元としてサービスやアプリケーションの販売をすることができません)。
本日のニュースの詳細については、公式マイクロソフト ブログ (英語) および Scott Guthrie のブログ (英語) もご覧ください。また、Channel 9 では //build で発表された最新の情報を動画でご確認いただけます。