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ICT利活用による「攻めの農業」を目指す
明治大学黒川農場と株式会社 ルートレック・ネットワークス、株式会社セカンドファクトリーが、Windows Azure のクラウド技術を採用し、黒川農場の 「つくる技術」 ・ルートレック・ネットワークスの 「つなげる技術」 ・セカンドファクトリーの「みせる技術」を連携させた、ICT 養液土耕プラットフォームの普及促進と、現代の日本の農業課題への取り組みについてご紹介させていただきます。
農業の現状
現在、世界人口は増加の一途をたどっています。2011 年では世界人口70億人であったのが、2050 年では 95 億人になるであろうと予想され、それに伴い、農産物価格は今と比較し 20% 程度上昇するであろうとFAO(国際食糧農業機構)は見通しています。日本においては、農業就業人口は 311 万人 (H19) から、251 万人 (H24) と減少傾向にあり、農業就業平均年齢も 64.6 歳 (H19) から 65.9 歳 (H24) になるなど、優れた技術やノウハウを持っている生産者の方々が減っています。また、肥料による環境汚染も深刻な状況へと陥り、地球の限界を考慮した取り組みも行わなければなりません。
農業による環境汚染とは
農産物の栽培で施肥量が過剰になっていることが、主な原因となっています。科学肥料や堆肥などの施肥は作物に栄養を与えるために不可欠ですが、過剰な施肥はコスト面でもデメリットが大きく、過剰施肥により約 50% の窒素が地下水に硝酸の形で溶脱することで、環境汚染は更に進んでしまいます。そして、地球温暖化の一因とされている二酸化炭素濃度の急激な上昇を促す化石燃料の内 8% が、窒素肥料の生産に使用されていることを私たちは知りません。
環境にも優しい栽培方法を目指して
もともと乾燥地であるイスラエルなどでは、総合的節水栽培の研究が行われていました。収量を減らさず潅水量を減らす最も経済的な方法として養液土耕栽培の開発を進め、今では園芸作物の輸出大国へと発展、経済ベースの食糧自給率は 90% を保つまでになりました。この栽培方法は、水耕栽培と土壌栽培の折衷法で、土壌に作物を栽培し、灌漑水に肥料を溶かして、水と肥料を同時に必要な量だけ供給する方法で、水耕栽培のみに比べ圧倒的にコストを抑えられる栽培方法になります。設備投資が少なく、水耕栽培ほど厳密管理が要求されません。また、元肥を施用せず必要な肥料を必要な時期に供給するので、肥料の利用効率が高い (環境に排出される肥料が少ない) のも特長になります。これらの必要な時だけ必要な施肥を供給する方法は 「点滴潅水」 と言われ、(1) 水と肥料の利用効率が高まる (2) 植物の生育が良くなる (3) 肥料で環境を汚染しない、などの多くのメリットがあります。今、イスラエルでは点滴潅水システムに高度な IT 技術を用い、PC ・ スマートフォンによる無線遠隔制御や養液土耕の液肥混入制御を実現しています。
目指す「ICTx農業」とは
生産性向上と経営の効率化を行い、環境にも優しい持続可能な農業経営への支援を行うためのICT利活用を目指します。ルートレック・ネットワークスと黒川農場の産学連携によって、M2M プラットフォーム利活用の「養液土耕栽培」で初期導入費用を抑え、日射量や EC 値等、必要最低限のセンサー情報を基に独自アルゴリズムによって生成された 「管理指標」 で灌水施肥管理 (施設栽培の水やりと施肥をクラウド利用で自動的に最適化) を行い、高品質農作物の安定供給というバイヤー・ニーズに応えることで流通関係へのメリットを明確にするという 「ZeRo.agri (ゼロ・アグリ) 」が登場し、ICT 技術を活用した農業支援システムを実現しました。
より低予算での 「スモール・スタート」 を可能にした M2M プラットフォーム提供は、現場でのニーズがありながら、予算上なかなかスタートできずに機会損失している M2M サービスの課題を解決するものとして、中小の自治体や中小企業等のシステムを構築・運用している、全国各地域の SIer からも大きな期待が寄せられ、ルートレック・ネットワークスは、今後、中小の自治体特有のニーズに対応可能なM2Mプラットフォームの普及をめざし、全国各地域の SIer との業務提携を視野においたネットワーク作りを進めていきます。
そして、ユーザー志向性の高い M2M プラットフォームは、今回、発表の農業クラウドの他、遠隔医療・健康管理、屋外の各種環境情報の自動取得、水道・ガス等のスマートメーター、工場内の生産管理支援のためのセンサー・ネットワーク、各種計測機器監視システム等の様々な活用分野に大きな期待を集めます。
明治大学 黒川農場で”クラウド トマト”見学会の様子を確認する (Faceboook)