Office 2013 with SP1 と Lync VDI 2013 Plug-in の共存環境
こんばんは。Japan Lync Support Team です。
Lync VDI 2013 Plug-in は、VDI 環境で Lync / Skype for Business を利用するためにシンクライアント (端末) 側にインストールするプラグインになります。
Lync VDI 2013 Plug-in を利用する場合、利用するシンクライアントにおいて Lync 2013 / Skype for Business 2015 クライアントと共存してのインストールは推奨されません。
そのため、Lync VDI 2013 Plug-in を使用する際には Lync 2013 / Skype for Business 2015 クライアントは、インストールしないか、あらかじめ終了しておく必要があります。
しかし、Lync 以外の Microsoft Officeアプリケーション を利用するためにシンクライアント (端末) 側にも Office 2013 をインストールする必要がある場合もあるかと思われます。
今回は、特に Office 2013 with SP1 (※)と Lync VDI 2013 Plug-in の共存環境に関する注意事項をお伝えします。
※ SP1 適用済みのメディアをインストールした Office 2013
Office 2013 with SP1 環境への Lync VDI 2013 Plug-in 展開
Title: Lync 2013 VDI Plug-in が Runtime Error を伴って異常終了する
URL: https://blogs.msdn.com/b/lync_support_team_blog_japan/archive/2015/06/22/lync-2013-vdi-plug-in-runtime-error.aspx
概要 :
Lync VDI 2013 Plug-in は Office 2013 (Lync 2013 / Skype for Business 2015) と一部共通のコンポーネントを持つため、
Office 2013 (Lync 2013 / Skype for Business 2015) と Lync VDI 2013 Plug-in の更新プログラムの適用状況に差異がある場合に、
内部コンポーネントのバージョン不一致により Remote Desktop クライアントや他社製の VDI クライアントが異常終了する、という問題になります。
この問題は、Lync VDI 2013 Plug-in にも Office 2013 SP1 を適用し、Office 2013 (Lync 2013) および Lync VDI 2013 Plug-in の両方に最新の更新プログラムを適用いただくことで解消されます。
しかし、Office 2013 with SP1 をインストールした環境では、以下のメッセージが表示され Office 2013 SP1の再インストールを実施することができません。その結果、上述の既知の問題を解消することができない状態になってしまいます。
このようなエラーが発生する場合には、以下の手順で Office 2013 SP1 適用済みの Lync VDI 2013Plug-in を展開することで、対処する必要があります。
Office 2013 SP1 適用済み Lync VDI 2013 Plug-in をインストールする手順
1. Lync VDI 2013 Plug-in をダウンロードして、任意のフォルダー (ここでは C:\Temp) に保存します。
2. コマンド プロンプトを起動し、以下のコマンドを実行して Lync VDI 2013 Plug-in のファイルを任意のフォルダー (ここでは C:\Temp\VdiSetup) 展開します。
cd C:\Temp
mkdir VdiSetup
lyncvdi.exe /extract:"C:\Temp\VdiSetup"
3. Office 2013 SP1 (KB2817430) をダウンロードし、任意のフォルダー (ここでは C:\Temp) に保存します。
Title: Description of Microsoft Office 2013 Service Pack 1 (SP1)
URL: https://support.microsoft.com/en-us/kb/2817430
4. コマンド プロンプトを起動し、以下のコマンドを実行して任意のフォルダー (ここでは C:\Temp\Office2013Sp1) に Office 2013 SP1 のファイルを展開します。
cd C:\Temp
mkdir Office2013Sp1
<ダウンロードした実行ファイル (.exe) のパス> /extract:"C:\Temp\Office2013Sp1"
例: proplussp2013-kb2817430-fullfile-x86-ja-jp.exe /extract:Office2013Sp1
5. 手順 4 で展開したファイル (.msp, .xml) を手順 2 で展開したファイルの中の "updates" フォルダー (C:\Temp\VdiSetup\updates) にコピーします。
6. 手順 2 で展開したファイルの中の "Setup.exe" を実行して、Lync VDI 2013 Plug-in と Office 2013 SP1 をインストールします。
※ この時点でコントロール パネルの [プログラムと機能] で表示されるバージョンは、"15.0.4569.1506" に更新されます。
※ 他の端末にも展開する場合には、C:\Temp\VdiSetup フォルダーをコピーして、ネットワーク共有やローカルに配置したうえで Setup.exe を実行してください。
7. さらに、Lync 2013 (Skype for Business 2015) の最新の更新プログラムを適用してください。
なお、すでに Office 2013 with SP1 環境に Lync VDI 2013 Plug-in をインストールし、問題が発生している環境がある場合は、Lync VDI 2013 Plug-in を一度アンインストールし、上記手順で Office 2013 SP1 適用済みの Lync VDI 2013 Plug-in をインストールしてください。
Office 2013 with SP1 の見分け方
もしも、ご利用の環境が Office 2013 with SP1 であるかわからない場合には、コントロール パネルの [プログラムと機能] から以下の内容を確認してください。
① Office 2013 に Office 2013 SP1 をインストールした場合
・[プログラムと機能] : バージョンが "15.0.4569.1506" (Office 2013 SP1 バージョン)
・[プログラムと機能] - [インストールされた更新プログラム] : Office 2013 SP1 (KB2817430) が表示される
② Office 2013 with SP1 (Office 2013 SP1 適用済みの Office 2013) のメディアでインストールした場合
・[プログラムと機能] : バージョンが "15.0.4569.1506" (Office 2013 SP1 バージョン)
・[プログラムと機能] - [インストールされた更新プログラム] : Office 2013 SP1 (KB2817430) が表示されない
Office 2013 SP1 は適用されていますか?
Office 2013 SP1 は Office 2013 および Lync VDI 2013 Plug-in の両方の更新を含んでいます。
加えて、最新の Lync 2013 (Skype for Business 2015) 更新プログラムは、Office 2013 SP1 が適用されていることを前提としています。
その結果、上述の "Remote Desktop クライアントや他社製の VDI クライアントが Runtime Error を伴って異常終了する" という問題のお問い合わせを受けるケースが増えています。
(補足)
例えば「Office 2013 は SP1 適用済み、Lync 2013 VDI Plug-in は Office 2013 SP1 未適用」といった環境で最新の Lync 2013 (Skype for Business 2015) の更新プログラムを適用した場合、
Office 2013 SP1 適用済みのモジュールのみが更新され、Lync VDI 2013 Plug-in のみに含まれるモジュール (Office 2013 SP1 未適用) が更新されないといった状況が発生します。
その結果、Lync VDI 2013 Pug-in の内部的なバージョンの不一致により Remote Desktop クライアントや他社製の VDI クライアントが Runtime Error を伴って異常終了するケースが発生します。
したがいまして、Office 2013 および Lync VDI 2013 Plug-in の両方が Office 2013 SP1 にて更新されていることをご確認のうえ、最新の更新プログラム適用を実施し、運用いただくようお願いいたします。
なお、Office 2013 および Lync VDI 2013 Plug-in の両方に Office 2013 SP1 が適用されていることは、コントロール パネルの [プログラムと機能] で表示されるバージョンから確認可能です。
① Office 2013 および Lync VDI 2013 Plug-in の両方に Office 2013 SP1 が適用されている場合
Office 2013 : 15.0.4569.1506 (Office 2013 SP1 バージョン)
Lync VDI 2013 Plug-in : 15.0.4569.1506 (Office 2013 SP1 バージョン)
② Office 2013 のみに Office 2013 SP1 が適用されている場合
Office 2013 : 15.0.4569.1506 (Office 2013 SP1 バージョン)
Lync VDI 2013 Plug-in : 15.0.4420.1017 (Office 2013 SP1 未適用のバージョン)
Lync VDI 2013 Plug-in は、基本的には Office 2013 のインストールされないシンクライアント環境での利用を前提としているため、共存環境では更新プログラムの適用状況に注意を払う必要がある事にご留意ください。
そのため、共存環境で運用されている場合は、一度既存のインストール環境をご確認くださいますようお願いいたします。