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ゲーム開発とクロスプラットフォーム対応、GDC 2015を踏まえて

3/2から3/6 まで米国サンフランシスコで GDC (Game Developer Conference) 2015 が開催されました。展示会場やセッション会場にはたくさんの人が来ていて、とても刺激的なイベントでした。

ゲーム開発とクロスプラットフォーム対応は、年々、デバイスやOSの進化とともに変化が進んでいます。GDC 2015からいくつかのトピックをご紹介します。

Unreal Engine 4 (Epic Games)

GDC 2015のDay 1に、Unreal Engine 利用の無償化が発表されました。正確には、"Pay a 5% royalty on games and applications you release. We succeed when you succeed. " ということで、詳細はUnreal Engine のサイトを参考にしてください。

Unreal Engine に興味のある方は、UE4攻略wiki というコミュニティコンテンツをぜひ参考にしてください。

Unreal Engine は DirectX 12に対応しており、今後、Windows 10 のゲーム開発における重要な選択肢の一つです。

Unity 5 (Unity Technologies)

GDC 2日目、朝の8:30より、Unity Technologiesにより、Unity 5のリリースについて、発表がありました。Unreal Engine 同様にインディーデベロッパー、個人開発者向けのサポートを強化し、Unity 5 Personal Editionはゲームエンジンのすべての機能を使えるようになり、こちらも無償化の流れとなりました。詳細は、Unity 5 Professional Edition と Unity 5 Personal Edition の違いをご覧ください。

Unity 5 は 21 のプラットフォームを活用できるツールに成長しています。

Unity 5 は DirectX 12 に対応しており、こちらも Windows 10 ゲーム開発の重要な選択肢の一つです。

↑の写真は、Microsoftブースで展示されていたUnity 5 with DirectX 12のデモです。写真だとわかりづらいかもしれませんが、水たまりに映り込む光や影、水面がキラキラ光っています。これらは、リアルタイムグローバルイルミネーションや物理ベースシェーディング、反射プローブなど、Unity 5 のグラフィックス強化の一部ですが、DirectX 12のハイパフォーマンスなグラフィックス機能と併せることで、今後、スゴイ表現を伴うゲームがどんどん出てくることが期待できます。

Unity と言えば、Visual Studio Tools for Unity (VSTU) も忘れてはいけません。Microsoftブースでは、VSTUが展示されていて、Jb Evain と Sebastien Lebreton と再会しました。彼らは昨年 Unite Tokyo 2014 で講演とブース出展で日本に来ており、「今年のUnite Tokyoも行きたいなー」と話していました。MSDN上にVSTUの公式ドキュメントが展開されており、今後、日本語対応しなければね、と話をしました

写真左: Jb Evain 写真右: Sebastien Lebreton

ちなみに、GDCの2日目に、Unity Technologies のサンフランシスコオフィスにお邪魔してきました。米国の各地でUnity User Groupを展開しているコミュニティーリーダーと話をしてきました。オフィス内なので、写真はありません…。

Cocos2d-X (forged by Chukong Technoglogies)

OpenGL ベース、C++による2Dゲーム開発で人気のCocos2d-x。GDC Expo会場には、Chukong Technologiesの展示があり、GDC最終日に、Chukong USAのGeneral Manager のLei Zhangさんと少しだけお話してきました。

Cocos2d-x は、iOS, Android, Windows, Windows Phone, Mac OS X, Linux とマルチプラットフォームに対応しています。

Windows ストア アプリ、Windows Phone アプリへの対応は、Microsoft OpenTechnologies によって行われています。WinRT対応を担当している Dale Stammen とGDC期間中に Microsoft San Francisco オフィスで会うことができました。

さて、https://windows.cocos.com/ というサイトでは、Cocos2d-xに関するコンテストの予告が行われています。Cocos2d-xで開発されている方は、ぜひ参加してみてください。

今後、Windows 10 への対応も進むことでしょう。こちらもWindows 10対応ゲーム開発の重要な選択肢の一つです。

Windows 10 + DirectX 12 + Xbox Live + Xbox App (Microsoft)

GDC期間中、Microsoft は大きなブースを構え、たくさんのお客様がいらしてました。

GDC 2015のMicrosoft セッションは、Channel 9にアーカイブが掲載されています。ビデオが公開されていないセッションもありますので、ご注意ください。

写真は Don Boxのセッションより。

参加できたセッションのスピーカーにはそれぞれ声を掛け、「コンテンツを日本語化して日本の開発者向けに展開していいですか?」と突撃してきました。それぞれ、「問題ないよ、ぜひやって!」と快諾してくれました。

GDC Expo会場では、主にDirectXチームと話をしてきました。Intel, NVIDIA, AMDのGPUに対応したデモや、Unity 5, Unreal Engine 4, Visual Studio 2015のグラフィックス診断機能、DXCAPなどの展示がありました。

 

DirectX 12 では、GPUリソースの割り当て、GPUへのコマンド発行など、開発者が書くべきコードは増えるのですが、CPU、GPU、メモリの利用を計画的に行え、並列処理を活かしながら、最良のパフォーマンスを得ることができます。

DirectX 12を直接知らなくても、Unreal Engine や Unity が DirectX 12 に対応するので、ゲームエンジンを利用している開発者は、知らずして、DirectX 12のパワーを活用できます。

さらにWindows 10では Xbox Live への接続、Xbox Appによるソーシャル機能の活用、Game DVR (ゲームのプレー画面のキャプチャー)、Xbox One から Windows 10 PCへのゲームストリーミング (家庭内ネットワーク)など、ゲームシナリオで様々な機能拡張が行われます。

もっと詳しい情報は、来月開催される //Build 2015 で発表される予定です。

ゲームとクロスプラットフォーム対応

Windows 10, iOS, Android と ゲームとクロスプラットフォーム対応は今後、より高度な機能を備えたゲームエンジンによって、新しい世界が広がることでしょう。

開発者の皆さんが考えることは、プログラミング言語の選択、ゲームエンジンの選択、高度なアセットを開発できる人たちとのコラボレーションです。

ネイティブを活用するという観点では、Windows であれば DirectX 、DirectX 上に構築された ANGLE (OpenGL ES の呼び出しを DirectXの呼び出しに変えるプロジェクト)、iOSやAndoidであればOpenGL ESが主軸になります。ゲーム開発全体で考えると、グラフィックス以外にはサウンドが必要となり、オーディオやメディアを制御する機能についても知る必要があります。ゲーム開発の先端を走るためには、プログラマとして努力を惜しまないことでしょう。

GDCに参加して、いつかは、スピーカーの立場で講演できたら、って思いました。加えて、人とコミュニケーションするのが得意な人たちが集まっていて、いろんなコミュニティの形があるのだな、と思いました。コミュニティへ参加して、情報を交換することは今後、ますます重要となっていきます。日本からも世界に情報を発信していきましょう。