赤シャツ Scott Guthrie、Windows Azure を語る ~ クラウドカバー Episode 53
みなさん、こんにちは。
さて、今回のクラウドカバーは ASP.NET/Silverlight などの開発リードのポジションから、Azure のアプリケーションプラットフォームの開発リードに移動した Scott Guthrie (Corporate Vice President)をゲストに迎えて Azure トーク。
Scott Guthrie は今回もいつもの赤いポロシャツで登場。
では、いつものようにニュースから。
◆ Windows Azure Toolkit for iOS Now Supports the Access Control Service
iOS アプリケーションにおいて Windows Azure を活用するための Toolkit のアップデートです。
Windows Phone 用の Windows Azure Toolkit でもおなじみ(?)の Access Control Service を活用するための機能が強化され、ウィザードベースで Access Control Service を利用した認証基盤との統合が可能になっています。
ちなみにこの Toolkit、先日来日し開発者向けセッションを行った Simon Guest と Wade Wegner によるオープンソースプロジェクト。コードは Codeplex ではなく、GitHub からどうぞ。
◆ Announcing the Windows Azure AppFabric July Release
前回紹介した管理ポータルでの右クリックサポート と、AppFabric の7月リリースの話題。
AppFabric においては、ACS において2か所からのクレームを受け取れるようになりました。
◆ Windows Phone "Mango" has been Released to Manufacturing!
Windows Phone の次期バージョン “Mango” (マンゴ)が、ついに RTM (Released to manufacturing。「工場への出荷を開始」=「開発が完了」の意味です)を迎えました。
日本においては Windows Phone のリリースが行われていませんので、この “Mango” が日本における初めての Windows Phone 端末になります(au から IS12T として発売されます)。
◆ Microsoft Visual Studio LightSwitch 2011 is Available Today
Visual Studio の新しい製品ライン “LightSwitch” (ライトスイッチ) が登場しました。
LightSwitch を使用すると、テンプレートベースのアプリケーション開発が可能になります。さらに LightSwitch では最初から Azure への展開機能が用意されているので、Azure 上でホストするアプリケーション開発環境としても利用いただけます。
ということで、本題の Scott とのディスカッションが続きます。
以下は簡単な要約です(勘違い等あれば連絡いただけると幸いです)。
Steve Marx の質問:「What’s your job 」
初夏から Azure チームに参加しており、Azure の開発者サイドのシナリオに関する開発を担当している。たとえば、AppFabric や Visual Studio のツール、管理者ポータル、といったものが範囲に入る。
Steve Marx の質問:「ここ最近の仕事は?」
チームに参加してからは Azure のについての理解を深めているのはもちろん、これまでいくつかのチームに分かれて急成長してきた Azure 開発部門において、どのようにそれらチームを連携し、価値を高めていくかについて考えている。
特にエクスペリエンスについては気にしていて、チームに移動した頃に実施した試みの一つに、オフサイトでシニアリーダー60人をホテルにあつめて、みんなで Azure を使ったコードを書くという体験を行った。25ドル分のクレジットカードを用意し、実際に Azure のサービスにサインアップし、コードを書く、といったことを行いました。
これを通じて、思ったより「Getting Start」が簡単でない、この部分がやりづらい、といった実体験から自分たちのサービスをよりよくするアイディア交換を行いました。
次に考えているのは、Azure ならではの差別化、より高度な機能をどのように提供するか、ということで、これに関しては今後進めていくつもりです。
簡素化(simplify) は管理プロセス(サインアップなど)と開発シナリオの両面で進めたいと思っていますし、それらの Productivity (生産性)向上とならんで、(サービスとしての)Capability の向上に努めたいと思います。
Wade Wegner の質問:「Azure において一番エキサイトなところは?」
その「可能性」です。(今後のソフトウェア/クラウド業界全体の動きとして)ストレージや帯域、コンピューティングのコストがゼロに近づいていっている、ということを興味深く思っている。
テラバイト、ペタバイト級のデータ、それも構造化だけでなく、非構造化データも安価に保存できるようになり、またそれらに対する簡易な操作方法が提供されることで、これまでに考えもできなかったことができるようになってくる。
開発者にとっては本当に楽しい時代だと思う。
いろんな機能も開発を進めているよ(笑)。
現機能でおもしろいとおもっているのは Service Bus。
クラウドとオンプレミスのブリッジが可能で、クラウドから Firewall を超えてオンプレミスに接続できるこの機能は、他社のクラウドサービスでは見られない機能だ。
現行のバージョン1 に続いてリリースの準備をしているバージョン2 では、キューによって非同期の連携が可能になる他、Topic によって Pub/Sub パターンの実装もできる(Service Bus のキューと Topic に関しては以前のクラウドカバー Episode 47 も参照ください)
Service Bus のアーキテクチャによってフロントエンドとバックエンドを疎結合にし、負荷に応じたインスタンス数の調整が可能になるし、組織を超えてシステムを結合することも可能になる。
また、Service Bus の利用に関しても管理ポータルで新しく名前空間を作るだけで使えるようになるし、使った分だけ支払というのもいいと思う。
ということで、ここで Corporate Vice President な Scott Guthrie による Service Bus のデモ タイム!
アプリケーションとしてはシンプルで、Web 画面から入力されたメッセージを、Service Bus のキューに対して送り出す、というもの。
一方、オンプレミスなコマンドラインアプリケーションは、Service Bus に対してメッセージの受信要求を行っており、メッセージを受信するとコンソールに出力する、というもの。
実際に実行すると、クラウド上の Web で登録したメッセージが、オンプレミスのコマンドラインアプリに対して届くのがわかります。
ということで、最後は赤シャツに身を包んだ Three “Micsoroft Coding” Amigo による Tip of the Week。
さて、Service Bus は HTTP 上で動作する REST な API を持つ基盤、ということで .NET じゃない言語、そう例えば C++ からも操作することが可能です。
Michael Washam がブログにおいてそのやり方を詳しく大切しているので、C++ でも Service Bus という方は是非チェックくださいませ。
Windows Azure AppFabric Queues with Native C++
以上、赤シャツ Scott Guthrie を迎えてお送りしたクラウドカバー Episode 53 でした。
それでは!