D シリーズのパフォーマンス制限
このポストは、10 月 6 日に投稿された D-Series Performance Expectations の翻訳です。
新しい D シリーズの VM は、高速なローカル (一時) ストレージまたは CPU を必要とするアプリケーションで優れたパフォーマンスを実現します。ただし、最適なパフォーマンスを得るためには、システムが構成されるしくみについて多少理解することが重要です。
クラウドは共有環境であるため、VM の大半は 1 つ以上の他の VM とサーバーを共有しています。1 つの VM が共有リソースを妥当な分量以上に使用することを防ぐため、VM が利用できる仮想 CPU のコア数、RAM、ローカル ディスクの容量、IO スループットには VM の種類に応じて制限が適用されています。これらの制限により、すべてのユーザーがシステムから一貫性の高い予測可能なパフォーマンスを得ることができます。
新しい D シリーズには、VM の種類に応じてローカル SSD に以下のようなコア数と RAM が割り当てられ、容量およびパフォーマンスの制限が適用されています。
名称 |
コア |
メモリ (GB) |
ローカル SSD のサイズ (GB) |
ローカル SSD の最大 IOPS |
ローカル SSD の最大読み取り速度 (MB/s) |
ローカル SSD の最大書き込み速度 (MB/s) |
Standard D1 |
1 |
3.5 |
50 |
3,000 |
48 |
24 |
Standard D2 |
2 |
7 |
100 |
6,000 |
96 |
48 |
Standard D3 |
4 |
14 |
200 |
12,000 |
192 |
96 |
Standard D4 |
8 |
28 |
400 |
24,000 |
384 |
192 |
Standard D11 |
2 |
14 |
100 |
6,000 |
96 |
48 |
Standard D12 |
4 |
28 |
200 |
12,000 |
192 |
96 |
Standard D13 |
8 |
56 |
400 |
24,000 |
384 |
192 |
Standard D14 |
16 |
112 |
800 |
48,000 |
768 |
384 |
IO 処理は、最大 IOPS または最大読み取り/書き込みスループット (MB/s) のうち、先に上限に達した方によって制限されます (混在ワークロードの場合、書き込み制限は事実上読み取り制限の 1/2 となります)。一般的に、IO サイズが小さい場合は、帯域幅の制限に達する前に IOPS の制限に達し、IO サイズが大きい場合は、IOPS の制限に達する前に帯域幅の制限に達します。
最大 IOPS と最大ディスク スループットの制限は、ローカル SSD にのみ適用されます。OS、データ ディスク、Azure Files の永続ストレージの各パフォーマンス レベルについては、Azure Storage のスケーラビリティおよびパフォーマンスのターゲットに関するドキュメントを参照してください。
レイテンシを短くする必要があり、高い IOPS または帯域幅を必要としないアプリケーションの場合は、下位の SKU のいずれかが適しています。レイテンシを短くする必要があり、高い IOPS または帯域幅を必要とするアプリケーションの場合は、上位の SKU のいずれかを検討することをお勧めします。
ローカル SSD は動的 VHD として実装されるため、VHD ファイルが拡大するにつれて、これらのディスク上のセクターへの初回の書き込みが遅くなります。最適なパフォーマンスを得るためには、アクティブなワークロードで使用する前に、ファイルまたはディスクへの事前の書き込みを行う必要があります。
特に、アプリケーションで容量全体を利用するために必要なワークロードを実現できない場合には、十分なパフォーマンスを得られない場合があります。