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Hyper-V VM のフェールバックの実行

この記事では、Azure Site Recovery を使用して、Hyper-V VM をオンプレミス サイトから Azure にフェールオーバーした後に作成された Azure VM をフェールバックする方法について説明します。

  • Azure からオンプレミス サイトへの計画フェールオーバーを実行することで、Azure から Hyper-V VM をフェールバックします。 フェールオーバーの方向が Azure からオンプレミスの場合、フェールバックと見なされます。
  • Azure は高可用性環境であり、VM は常に利用可能であるため、Azure からのフェールバックは計画的なアクティビティです。 オンプレミスでワークロードの実行を再開できるよう、短いダウンタイムを計画することができます。
  • 計画フェールバックによって Azure の VM がオフになり、最新の変更がダウンロードされます。 データの損失は想定されていません。

開始する前に

  1. 使用できるフェールバックの種類 (元の場所への復旧と別の場所への復旧) を確認してください。
  2. Azure VM でマネージド ディスクが使用されていることを確認します。 マネージド ディスクを使用して Azure マシンにフェールオーバーした Hyper-V 仮想マシンのフェールバックがサポートされています。 ストレージ アカウントは 2025 年 9 月 30 日に完全に廃止されるため、使用はお勧めしません。
  3. オンプレミスの Hyper-V ホスト (または、Site Recovery と共に使用している場合は System Center VMM サーバー) が実行されていて、Azure に接続されていることを確認します。
  4. VM のフェールオーバーとコミットが完了していることを確認します。 Azure から Hyper-V VM をフェールバックするために、特定の Site Recovery コンポーネントを設定する必要はありません。
  5. データの同期を完了してオンプレミスの VM を開始するために必要な時間は、さまざまな要因によって異なります。 データのダウンロードを高速化するために、より多くのスレッドを使用してダウンロードを並列処理するように Microsoft Recovery Services エージェントを構成することができます。 詳細については、こちらを参照してください

注意

復旧計画を使用する場合、別の場所にフェールバックすることはできません。

元の場所にフェールバックする

Azure 内の Hyper-V VM を元のオンプレミス VM にフェールバックするには、次の手順に従って、Azure からオンプレミス サイトへの計画フェールオーバーを実行します。

  1. [コンテナー] >[レプリケートされたアイテム] で、VM を選択します。 VM を右クリックして >[計画されたフェールオーバー] を選択します。 復旧計画をフェールバックする場合は、計画名を選択して [フェールオーバー]>[計画されたフェールオーバー] をクリックします。

  2. [計画されたフェールオーバーの確認] で、ソースとターゲットの場所を選択します。 フェールオーバーの方向に注意してください。 プライマリからのフェールオーバーが想定どおりに機能し、すべての仮想マシンがセカンダリの場所にある場合には、これは情報の提供のみを目的としています。

  3. [データの同期] で、オプションを選択します。

    • [フェールオーバーの前にデータを同期する (差分変更のみを同期する)] - VM をシャットダウンせずに同期するため、VM のダウンタイムが最小限に抑えられます。
      • フェーズ 1: Azure VM のスナップショットを取得し、オンプレミスの Hyper-V ホストにコピーします。 マシンは Azure での実行を継続します。
      • フェーズ 2: 新しい変更が行われないように Azure VM をシャットダウンします。 差分変更の最終セットがオンプレミス サーバーに転送され、オンプレミスの VM が起動されます。
    • [フェールオーバー中にのみデータを同期する (すべてダウンロードする)] : ディスクの大部分が変更されたと仮定し、チェックサムの計算には時間をかけたくないため、このオプションの方が高速です。 このオプションを選択しても、チェックサム計算は実行されません。
      • ディスクのダウンロードが実行されます。
      • Azure を長期間 (1 か月間以上) 実行している場合、またはオンプレミスの VM を削除した場合にこのオプションを使用することをお勧めします。
  4. (VMM のみ) クラウドのデータ暗号化が有効になっている場合には、 [暗号化キー] で、VMM サーバーへのプロバイダーのインストール中にデータ暗号化を有効にしたときに発行された証明書を選択します。

  5. フェールオーバーを開始します。 フェールオーバーの進行状況は、 [ジョブ] タブで確認できます。

  6. フェールオーバー前のデータを同期するオプションを選択した場合、初期データの同期が完了した後、Azure で仮想マシンをシャットダウンする準備ができたら、[ジョブ]> [ジョブ名] >[フェールオーバーの実行] の順にクリックします。 次の処理が実行されます。

    • Azure マシンをシャットダウンします。
    • 最新の変更をオンプレミスの VM に転送します。
    • オンプレミスの VM を開始します。
  7. オンプレミスの VM マシンにサインインして、想定どおりに使用できることを確認できるようになりました。

  8. 仮想マシンは、コミット保留中の状態になります。 [コミット] をクリックして、フェールオーバーをコミットします。

  9. フェールバックを完了するには、 [レプリケーションの反転] をクリックして、オンプレミス VM の Azure へのレプリケーションを再開します。

別の場所にフェールバックする

次のようにして、別の場所にフェールバックします。

  1. 新しいハードウェアを設定する場合は、サポートされているバージョンの Windows と Hyper-V のロールをコンピューターにインストールします。

  2. 元のサーバーに保存していたものと同じ名前を使用して、仮想ネットワーク スイッチを作成します。

  3. [保護された項目]>[保護グループ]><ProtectionGroupName> -><VirtualMachineName> で、フェールバックする VM を選択してから [計画されたフェールオーバー] を選択します。

  4. [計画されたフェールオーバーの確認] で、 [Create on-premises virtual machine if it does not exist](オンプレミスの仮想マシンが存在しない場合は作成する) を選択します。

  5. [ホスト名] で、VM を配置する、新しい Hyper-V ホスト サーバーを選択します。

  6. [データの同期] で、フェールオーバー前にデータを同期するオプションを選択することをお勧めします。 このオプションを指定すると、VM をシャットダウンせずに同期するため、ダウンタイムを最小限に抑えることができます。 その後、次の処理を実行します。

    • フェーズ 1: Azure VM のスナップショットを取得し、オンプレミスの Hyper-V ホストにコピーします。 マシンは Azure での実行を継続します。
    • フェーズ 2: 新しい変更が行われないように Azure VM をシャットダウンします。 変更の最終セットがオンプレミス サーバーに転送され、オンプレミスの仮想マシンが起動します。
  7. チェックマークをクリックして、フェールオーバー (フェールバック) を開始します。

  8. 初期の同期が終了し、Azure VM をシャットダウンする準備ができたら、[ジョブ]><計画フェールオーバー ジョブ>>[フェールオーバーの実行] の順にクリックします。 これにより Azure マシンがシャットダウンされ、最新の変更がオンプレミスの VM に転送され、オンプレミスの VM が起動します。

  9. オンプレミスの VM にサインインして、すべてが想定どおりに動作していることを検証できます。

  10. [コミット] をクリックして、フェールオーバーを完了します。 コミットすることによって Azure VM とそのディスクが削除され、再びオンプレミスの VM が保護された状態になります。

  11. [レプリケーションの反転] をクリックして、オンプレミスの VM の Azure へのレプリケーションを開始します。 Azure で VM がオフにされてからの差分変更のみがレプリケートされます。

    Note

    • データの同期中にフェールバック ジョブを取り消した場合、オンプレミスの VM は破損状態となります。 データの同期によって Azure VM ディスクからオンプレミスのデータ ディスクに最新のデータがコピーされるので、同期が完了するまでは、ディスク データの一貫性が保たれていない可能性があるためです。 データの同期を取り消した後でオンプレミスの VM を開始する場合、その VM は起動しないおそれがあります。 この場合は、フェールオーバーを再実行してデータの同期を完了します。
    • 復旧計画を使用する場合、別の場所にフェールバックすることはできません。

次のステップ

オンプレミスの VM を Azure にレプリケートした後、必要に応じて Azure への別のフェールオーバーを実行することができます。