Azure クラウド サービス (クラシック) のパフォーマンス カウンターを収集する
重要
Cloud Services (クラシック) は、2024 年 9 月 1 日をもって、すべてのお客様に対して非推奨になりました。 既存の実行中のデプロイはすべて Microsoft によって停止およびシャットダウンされ、2024 年 10 月以降、データは永久に失われます。 新しいデプロイでは、新しい Azure Resource Manager ベースのデプロイ モデル、 Azure Cloud Services (延長サポート) を使用してください。
パフォーマンス カウンターを使用すると、アプリケーションとホストがどの程度動作しているかを追跡できます。 Windows Server には、ハードウェア、アプリケーション、オペレーティング システムなどに関連したさまざまなパフォーマンス カウンターが多数用意されています。 パフォーマンス カウンターを収集して Azure に送信することにより、この情報を分析してより適切な決定を下すことができます。
使用可能なカウンターの検出
パフォーマンス カウンターは、セット名 (カテゴリとも呼ばれます) と 1 つ以上のカウンターという 2 つの部分で構成されています。 PowerShell を使用して、使用可能なパフォーマンス カウンターの一覧を取得できます。
Get-Counter -ListSet * | Select-Object CounterSetName, Paths | Sort-Object CounterSetName
CounterSetName Paths
-------------- -----
.NET CLR Data {\.NET CLR Data(*)\SqlClient...
.NET CLR Exceptions {\.NET CLR Exceptions(*)\# o...
.NET CLR Interop {\.NET CLR Interop(*)\# of C...
.NET CLR Jit {\.NET CLR Jit(*)\# of Metho...
.NET Data Provider for Oracle {\.NET Data Provider for Ora...
.NET Data Provider for SqlServer {\.NET Data Provider for Sql...
.NET Memory Cache 4.0 {\.NET Memory Cache 4.0(*)\C...
AppV Client Streamed Data Percentage {\AppV Client Streamed Data ...
ASP.NET {\ASP.NET\Application Restar...
ASP.NET Apps v4.0.30319 {\ASP.NET Apps v4.0.30319(*)...
ASP.NET State Service {\ASP.NET State Service\Stat...
ASP.NET v2.0.50727 {\ASP.NET v2.0.50727\Applica...
ASP.NET v4.0.30319 {\ASP.NET v4.0.30319\Applica...
Authorization Manager Applications {\Authorization Manager Appl...
#... results cut to save space ...
CounterSetName
プロパティはセット (またはカテゴリ) を表し、パフォーマンス カウンターが何に関連しているかを適切に示しています。 Paths
プロパティは、セットのカウンターのコレクションを表します。 また、カウンター セットの詳細については、Description
プロパティを取得することもできます。
セットのすべてのカウンターを取得するには、CounterSetName
値を使用し、Paths
コレクションを展開します。 各パス項目は、照会できるカウンターです。 たとえば、Processor
セットに関連した使用可能なカウンターを取得するには、Paths
コレクションを展開します。
Get-Counter -ListSet * | Where-Object CounterSetName -eq "Processor" | Select -ExpandProperty Paths
\Processor(*)\% Processor Time
\Processor(*)\% User Time
\Processor(*)\% Privileged Time
\Processor(*)\Interrupts/sec
\Processor(*)\% DPC Time
\Processor(*)\% Interrupt Time
\Processor(*)\DPCs Queued/sec
\Processor(*)\DPC Rate
\Processor(*)\% Idle Time
\Processor(*)\% C1 Time
\Processor(*)\% C2 Time
\Processor(*)\% C3 Time
\Processor(*)\C1 Transitions/sec
\Processor(*)\C2 Transitions/sec
\Processor(*)\C3 Transitions/sec
このような個々のカウンター パスは、クラウド サービスで使用される診断フレームワークに追加できます。 パフォーマンス カウンター パスの構築方法の詳細については、「Specifying a Counter Path (カウンター パスの指定)」を参照してください。
パフォーマンス カウンターの収集
パフォーマンス カウンターは、Azure Diagnostics または Application Insights のクラウド サービスに追加できます。
Application Insights
Cloud Services 用の Azure Application Insights では、収集するパフォーマンス カウンターを指定できます。 プロジェクトに Application Insights を追加すると、ApplicationInsights.config という名前の構成ファイルが Visual Studio プロジェクトに追加されます。 この構成ファイルでは、Application Insights で収集して Azure に送信する情報の種類を定義します。
ApplicationInsights.config ファイルを開き、ApplicationInsights>TelemetryModules 要素を見つけます。 各 <Add>
子要素では、収集するテレメトリの種類をその構成と共に定義します。 パフォーマンス カウンター テレメトリ モジュールの種類は Microsoft.ApplicationInsights.Extensibility.PerfCounterCollector.PerformanceCollectorModule, Microsoft.AI.PerfCounterCollector
です。 この要素が既に定義されている場合は、再度追加しないでください。 収集する各パフォーマンス カウンターは、<Counters>
という名前のノードの下で定義されます。 ドライブ パフォーマンス カウンターを収集する例を次に示します。
<ApplicationInsights xmlns="http://schemas.microsoft.com/ApplicationInsights/2013/Settings">
<TelemetryModules>
<Add Type="Microsoft.ApplicationInsights.Extensibility.PerfCounterCollector.PerformanceCollectorModule, Microsoft.AI.PerfCounterCollector">
<Counters>
<Add PerformanceCounter="\LogicalDisk(C:)\Disk Write Bytes/sec" ReportAs="Disk write (C:)" />
<Add PerformanceCounter="\LogicalDisk(C:)\Disk Read Bytes/sec" ReportAs="Disk read (C:)" />
</Counters>
</Add>
</TelemetryModules>
<!-- ... cut to save space ... -->
各パフォーマンス カウンターは、<Counters>
の下にある <Add>
要素として表されます。 PerformanceCounter
属性では、収集するパフォーマンス カウンターを定義します。 ReportAs
属性は、Azure Portal に表示されるパフォーマンス カウンターのタイトルです。 収集したパフォーマンス カウンターは、ポータルの [カスタム] というカテゴリに分類されます。 Azure Diagnostics とは異なり、これらのパフォーマンス カウンターを収集して Azure に送信する間隔を設定することはできません。 Application Insights では、1 分ごとにパフォーマンス カウンターが収集され、送信されます。
Application Insights は自動的に次のパフォーマンス カウンターを収集します。
- \Process(??APP_WIN32_PROC??)% Processor Time
- \Memory\Available Bytes
- .NET CLR Exceptions(??APP_CLR_PROC??)# of Exceps Thrown / sec
- \Process(??APP_WIN32_PROC??)\Private Bytes
- \Process(??APP_WIN32_PROC??)\IO Data Bytes/sec
- \Processor(_Total)% Processor Time
詳細については、「Application Insights のシステム パフォーマンス カウンター」および「Azure Cloud Services 向けの Application Insights」を参照してください。
Azure Diagnostics
重要
これらすべてのデータがストレージ アカウントに集計されますが、データのグラフを作成するポータル固有の方法は用意されていません。 Application Insights などの他の診断サービスをアプリケーションに統合することを強くお勧めします。
Cloud Services 用の Azure Diagnostics 拡張機能では、収集するパフォーマンス カウンターを指定できます。 Azure Diagnostics を設定するには、クラウド サービスの監視の概要に関するページを参照してください。
収集するパフォーマンス カウンターは、diagnostics.wadcfgx ファイルで定義されています。 このファイルを Visual Studio で開き、DiagnosticsConfiguration>PublicConfig>WadCfg>DiagnosticMonitorConfiguration>PerformanceCounters 要素を見つけます。 新しい PerformanceCounterConfiguration 要素を子として追加します。 この要素には、counterSpecifier
と sampleRate
の 2 つの属性があります。 counterSpecifier
属性では、収集するシステム パフォーマンス カウンター セット (前のセクションで説明) を定義します。 sampleRate
値は、その値がポーリングされる頻度を示します。 全体として、すべてのパフォーマンス カウンターは、親 PerformanceCounters
要素の scheduledTransferPeriod
属性値に従って Azure に転送されます。
PerformanceCounters
スキーマ要素の詳細については、Azure Diagnostics スキーマに関するページを参照してください。
sampleRate
属性で定義された期間は、XML 期間データ型を使用して、パフォーマンス カウンターのポーリング頻度を示します。 次の例では、頻度が PT3M
に設定されています。これは、[P]eriod[T]ime[3][M]inutes
(3 分ごと) を意味します。
sampleRate
と scheduledTransferPeriod
の定義方法の詳細については、W3 の XML の日付データ型と時刻データ型に関するチュートリアルの期間データ型に関するセクションを参照してください。
<?xml version="1.0" encoding="utf-8"?>
<DiagnosticsConfiguration xmlns="http://schemas.microsoft.com/ServiceHosting/2010/10/DiagnosticsConfiguration">
<PublicConfig>
<WadCfg>
<DiagnosticMonitorConfiguration overallQuotaInMB="4096">
<!-- ... cut to save space ... -->
<PerformanceCounters scheduledTransferPeriod="PT1M">
<PerformanceCounterConfiguration counterSpecifier="\Memory\Available MBytes" sampleRate="PT3M" />
<PerformanceCounterConfiguration counterSpecifier="\Web Service(_Total)\ISAPI Extension Requests/sec" sampleRate="PT3M" />
<PerformanceCounterConfiguration counterSpecifier="\Web Service(_Total)\Bytes Total/Sec" sampleRate="PT3M" />
<PerformanceCounterConfiguration counterSpecifier="\ASP.NET Applications(__Total__)\Requests/Sec" sampleRate="PT3M" />
<PerformanceCounterConfiguration counterSpecifier="\ASP.NET Applications(__Total__)\Errors Total/Sec" sampleRate="PT3M" />
<PerformanceCounterConfiguration counterSpecifier="\ASP.NET\Requests Queued" sampleRate="PT3M" />
<PerformanceCounterConfiguration counterSpecifier="\ASP.NET\Requests Rejected" sampleRate="PT3M" />
<PerformanceCounterConfiguration counterSpecifier="\Processor(_Total)\% Processor Time" sampleRate="PT3M" />
<!-- This is a new perf counter which will track the C: disk read activity in bytes per second, every minute -->
<PerformanceCounterConfiguration counterSpecifier="\LogicalDisk(C:)\Disk Read Bytes/sec" sampleRate="PT1M" />
</PerformanceCounters>
</DiagnosticMonitorConfiguration>
</WadCfg>
<!-- ... cut to save space ... -->
</PublicConfig>
</DiagnosticsConfiguration>
新しいパーフォーマンス カウンターの作成
新しいパフォーマンス カウンターは、コードで作成して使用することができます。 新しいパフォーマンス カウンターを作成するコードは、管理者特権で実行されている必要があります。そうでなければ、失敗します。 クラウド サービスの OnStart
のスタートアップ コードではパフォーマンス カウンターを作成できるため、管理者特権のコンテキストでロールを実行することが必要になります。 また、管理者特権で実行され、パフォーマンス カウンターを作成するスタートアップ タスクを作成することもできます。 スタートアップ タスクの詳細については、「クラウド サービスのスタートアップ タスクを構成して実行する方法」を参照してください。
管理者特権で実行するようにロールを構成するには、.csdef ファイルに <Runtime>
要素を追加します。
<ServiceDefinition name="CloudServiceLoadTesting" xmlns="http://schemas.microsoft.com/ServiceHosting/2008/10/ServiceDefinition" schemaVersion="2015-04.2.6">
<WorkerRole name="WorkerRoleWithSBQueue1" vmsize="Large">
<!-- ... cut to save space ... -->
<Runtime executionContext="elevated">
</Runtime>
<!-- ... cut to save space ... -->
</WorkerRole>
</ServiceDefinition>
数行のコードで新しいパフォーマンス カウンターを作成して登録することができます。 カテゴリとカウンターの両方を作成する System.Diagnostics.PerformanceCounterCategory.Create
メソッド オーバーロードを使用します。 次のコードでは、まずカテゴリが存在するかどうかを確認し、存在しない場合にカテゴリとカウンターの両方を作成します。
using System.Diagnostics;
using Microsoft.WindowsAzure;
using Microsoft.WindowsAzure.ServiceRuntime;
namespace WorkerRoleWithSBQueue1
{
public class WorkerRole : RoleEntryPoint
{
// Perf counter variable representing times service was used.
private PerformanceCounter counterServiceUsed;
public override bool OnStart()
{
// ... Other startup code here ...
// Define the category and counter names.
string perfCounterCatName = "MyService";
string perfCounterName = "Times Used";
// Create the counter if needed. Our counter category only has a single counter.
// Both the category and counter are created in the same method call.
if (!PerformanceCounterCategory.Exists(perfCounterCatName))
{
PerformanceCounterCategory.Create(perfCounterCatName, "Collects information about the cloud service.",
PerformanceCounterCategoryType.SingleInstance,
perfCounterName, "How many times the cloud service was used.");
}
// Get reference to our counter
counterServiceUsed = new PerformanceCounter(perfCounterCatName, perfCounterName);
counterServiceUsed.ReadOnly = false;
return base.OnStart();
}
// ... cut class code to save space
}
}
カウンターを使用する場合は、Increment
メソッドまたは IncrementBy
メソッドを呼び出します。
// Increase the counter by 1
counterServiceUsed.Increment();
アプリケーションでカスタム カウンターが使用されているため、カウンターを追跡するように Azure Diagnostics または Application Insights を構成する必要があります。
Application Insights
既に説明したとおり、Application Insights のパフォーマンス カウンターは ApplicationInsights.config ファイルで定義されています。 ApplicationInsights.config を開き、ApplicationInsights>TelemetryModules>Add>Counters 要素を見つけます。 <Add>
子要素を作成し、PerformanceCounter
属性を、コードで作成したパフォーマンス カウンターのカテゴリと名前に設定します。 ReportAs
属性を、ポータルに表示するわかりやすい名前に設定します。
<ApplicationInsights xmlns="http://schemas.microsoft.com/ApplicationInsights/2013/Settings">
<TelemetryModules>
<Add Type="Microsoft.ApplicationInsights.Extensibility.PerfCounterCollector.PerformanceCollectorModule, Microsoft.AI.PerfCounterCollector">
<Counters>
<!-- ... cut other perf counters to save space ... -->
<!-- This new perf counter matches the [category name]\[counter name] defined in your code -->
<Add PerformanceCounter="\MyService\Times Used" ReportAs="Service used counter" />
</Counters>
</Add>
</TelemetryModules>
<!-- ... cut to save space ... -->
Azure Diagnostics
既に説明したとおり、収集するパフォーマンス カウンターは、diagnostics.wadcfgx ファイルで定義されています。 このファイルを Visual Studio で開き、DiagnosticsConfiguration>PublicConfig>WadCfg>DiagnosticMonitorConfiguration>PerformanceCounters 要素を見つけます。 新しい PerformanceCounterConfiguration 要素を子として追加します。 counterSpecifier
属性を、コードで作成したパフォーマンス カウンターのカテゴリと名前に設定します。
<?xml version="1.0" encoding="utf-8"?>
<DiagnosticsConfiguration xmlns="http://schemas.microsoft.com/ServiceHosting/2010/10/DiagnosticsConfiguration">
<PublicConfig>
<WadCfg>
<DiagnosticMonitorConfiguration overallQuotaInMB="4096">
<!-- ... cut to save space ... -->
<PerformanceCounters scheduledTransferPeriod="PT1M">
<!-- ... cut other perf counters to save space ... -->
<!-- This new perf counter matches the [category name]\[counter name] defined in your code -->
<PerformanceCounterConfiguration counterSpecifier="\MyService\Times Used" sampleRate="PT1M" />
</PerformanceCounters>
</DiagnosticMonitorConfiguration>
</WadCfg>
<!-- ... cut to save space ... -->
</PublicConfig>
</DiagnosticsConfiguration>