Exchange 2013 でトランスポート ルールを構成するためのベスト プラクティス
製品: Exchange Server 2013
Exchange トランスポート ルールに関する以下のベスト プラクティス推奨に従って、一般的な構成エラーを防いでください。 各推奨事項は、例と詳細な手順を示すトピックにリンクしています。
ルールをテストする
予期せぬ事態がユーザーの電子メールに生じることを防ぐため、またルールが持つビジネス、法律、法令遵守上の意図を間違いなく実現するため、テストを徹底的に行います。 多数のオプションがあり、ルールどうしが相互に関係し合うことがあるため、ルールに一致するはずのメッセージと、一致しないはずのメッセージの両方に対してテストを実施し、不用意に一般的すぎるルールを作成してしまった場合に備えることが重要です。 ルールをテストするためのすべてのオプションについては、「トランスポート ルールのテスト」を参照してください。
ルールのスコープを決める
意図したメッセージだけにルールが適用されることを確認してください。 例を挙げます。
組織が受信するメッセージと、送信するメッセージのどちらか一方にルールを制限する
既定では、新しいルールは組織内のユーザーが送信または受信するメッセージのどちらか一方に適用されます。 したがって、ルールを一方向だけに適用したい場合は、そのことをルールの条件に必ず指定します。 例については、「 トランスポート ルールの一般的な添付ファイルのブロックシナリオ」を参照してください。
送信者または受信者のドメインに基づいてルールを制限する
既定では、新しいルールは送信元または受信先のドメインに関係なくメッセージに適用されます。 1 つのドメインを除く全ドメインにルールを適用したい場合もあれば、1 つのドメインだけにルールを適用したい場合もあります。 例については、「Create a Domain or User-Based Safe Sender or Blocked Sender List Using Transport Rules」を参照してください。
トランスポート ルールで使用できるすべての条件と例外の完全な一覧については、「 Exchange 2013 のトランスポート ルールの条件と例外 (述語)」を参照してください。
2 つのルールが必要な状況を見分ける
必要な操作を行うには、2 つのルールが必要な場合があります。 トランスポート ルールは順番に処理されるため、複数のルールを同じメッセージに適用できます。 たとえば、いずれかのアクションがメッセージをブロックし、送信者のマネージャーにメッセージをコピーしたり、通知メッセージの件名を変更したりするなど、適用する別のアクションがある場合は、2 つのルールが必要です。 最初のルールでは、送信者のマネージャーにメッセージをコピーして件名を変更し、2 つ目のルールでメッセージをブロックできます。
このような 2 つのルールを使用する場合は、条件が同一であることを確認します。 例については、「 一般的なメッセージ承認シナリオ」の例 3、「 トランスポート ルールの一般的な添付ファイル ブロックシナリオ」の例 3、 および Exchange 2013 の組織全体の免責事項、署名、フッター、またはヘッダーを参照してください。
スレッド内のすべての電子メールで同じアクションを繰り返さない
スレッド内の一連の電子メールには多数のメッセージが含まれており、スレッド内の各メッセージにアクションを繰り返し実行するのは煩わしい場合もあります。 たとえば、免責事項を追加するなどのアクションなら、スレッドの最初のメッセージだけに適用すれば十分と考えられるかもしれません。 その場合は、既に免責事項のテキストが含まれているメッセージのための例外を追加します。 例については、「 Exchange 2013 の組織全体の免責事項、署名、フッター、またはヘッダー」を参照してください。
ルール処理を中止すべき時を判断する
1 つのルールが一致した時点でルール処理を停止するのが合理的な場合があります。 たとえば、添付ファイル付きのメッセージをブロックするルールと、パターンに一致するメッセージに免責事項を挿入するルールがある場合、メッセージがブロックされた時点でルール処理を停止すべきと考えられます。 さらにアクションを実行する必要はありません。
1 つのルールがトリガーされたらルール処理を停止するには、ルールで [これ以上の処理を中止する] チェック ボックスをオンにします。
照合するキーワードまたはパターンが多い場合は、ファイルから読み込む
たとえば、許容できない、あるいは不適切な単語のリストが含まれている電子メールの送信を禁止したいとします。 それらの単語または語句を記したテキスト ファイルを作成し、それらの単語または語句を使用しているメッセージをブロックするトランスポート ルールを Windows PowerShell でセットアップできます。
テキスト ファイルにはパターンの正規表現を含めることができます。 これらの式では、大文字と小文字は区別されません。 一般的な正規表現には、次のものが含まれます。
Expression | 一致 |
---|---|
. | 任意の 1 文字 |
* | 任意の追加文字 |
\d | 任意の 10 進数字 |
[character_group] | 文字グループに含まれる任意の 1 文字。 |
正規表現を含んだテキスト ファイルと、使用する Exchange モジュール Windows PowerShell コマンドとを示す例については、「単語、語句、またはパターンの一覧に基づいてメールをルーティングするトランスポート ルールの使用」を参照してください。
正規表現を使用してパターンを指定する方法については、「正規表現言語 - クイック リファレンス」を参照してください。