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Visual Studio のツールと拡張機能

Terrence Dorsey

このコラムをお読みになっている皆さんは、おそらく、仕事でコードを作成しているのでしょう。仕事でコードを作成しているのであれば、IDE の中で多くの時間を過ごしていることでしょう。このコラムをお読みになっているので、IDE と言えば Visual Studio でしょう。

Visual Studio 2010 は、既に、信じられないほど汎用性の高いコーディング ツールです。コードを作成するだけでなく、非常に多くのことを実行でき、そのほどんどは適切に対処されます。とは言え、Visual Studio に何も手を加えずにこのようなことすべてを行えるわけではありません。

そこで役に立つのが拡張機能です。Visual Studio 2010 は、カスタム ツール、テンプレート、およびプラグインによる拡張をしっかりとサポートします (ただし、Visual Studio Express バージョンでは、拡張機能をサポートしていないためご注意ください)。Visual Studio に必要な機能が見つからなければ、IDE のカスタマイズに役立つ拡張機能や、コードを適切かつ迅速に作成するために必要なツールを提供する拡張機能が用意されているかもしれません。

今月のコラムでは、最もよく使用されている Visual Studio 2010 向けの拡張機能をいくつか紹介します。

Power Tools for Visual Studio: 何千もの拡張機能が存在していますが、偶然にも、最も堅牢な拡張機能の 1 つは Visual Studio チームが作成したものです。Visual Studio 2010 Productivity Power Tools (bit.ly/g4fUGG、英語) は、Solution Navigator (強化されたソリューション エクスプローラーのようなもの)、タブのオートコンプリート、細かい構成が可能なタブへの拡張機能など、15 個の便利な機能を含むパッケージです。Scott Guthrie が、Productivity Power Tools の各機能の動作について、自身のブログで説明しています。詳細については、彼のブログを参照してください (bit.ly/aopeNt、英語)。

image: Solution Navigator in Productivity Power Tools

Productivity Power Tools の Solution Navigator

PowerCommands 10.0: PowerCommands 10.0 (bit.ly/hUY9tT、英語) は、Productivity Power Tools と同様、役に立つさまざまなツールを集めたもので、IDE での一般的作業の速度を向上したり簡略化したりします。パッケージには 25 個の機能が含まれており、たとえば、コピーと貼り付けの堅牢な拡張機能 (クラス全体のコピーなど) があります。パッケージには、コードを書式設定する機能、ステートメントを使用して並べ替える機能、保存時に参照を使用して未使用項目を削除する機能なども含まれています。

Team Foundation Server Power Tools September 2010: Visual Studio Team Foundation Server (TFS) を使用しているので後れを取ったと焦ることはありません。マイクロソフトは TFS 向けの一連の Power Tools も用意しています。この拡張機能 (bit.ly/hyUNqo、英語) には、11 個の新機能が含まれており、チェックイン ポリシー、項目テンプレート、プロセス エディター、TFS コマンド ライン ツール、Windows Powershell コマンドレット、チーム メンバーの管理、Windows シェル統合、データベースの自動バックアップなどがあります。

Visual Studio Color Theme Editor: この拡張機能はあまり魅力的には思えないかもしれませんが、些細なことがコーディングを非常に簡単にすることがあります。たとえば、Visual Studio ウィンドウ、タブ、およびメニューで使用されている色です。色が明るいと、やる気が出ませんか。特に、マゼンタがお好きですか。何色が好みだとしても、Visual Studio Color Theme Editor (bit.ly/fPKKEV、英語) によって、IDE で使用されている環境の色をすべてカスタマイズできます。また、テーマを保存して、友人と共有することも可能です。

StudioStyles: エディター内のコード自体の彩色さえ、個人が自由に選択できます。StudioStyles (studiostyl.es、英語) は、コードの彩色を指定する .vssettings ファイルをダウンロード、作成、および共有できる Web サイトです。特典として、これらのテーマは、Visual Studio 2010、Visual Studio 2008、Visual Studio 2005、および Express バージョンでも使用できます。

image: StudioStyles

StudioStyles

WordLight: メソッドや変数名を使用したすべての場所を簡単に見つけたいと思ったことはありませんか。WordLight (code.google.com/p/wordlight、英語) は、Visual Studio 2008 の簡単な拡張機能で、テキストを選択すると、コード ファイル内でその文字列が存在する他のすべての場所が即座に強調表示されます。この拡張機能は、出力ウィンドウ、コマンド ウィンドウ、およびイミディエイト ウィンドウでも機能します。

Spell Checker: 入力が誤っていたら、Spell Checker が役に立ちます。Spell Checker の拡張機能 (bit.ly/aMrXoM、英語) は、ファイルのコード以外の部分のエラーを検出します。この拡張機能は、書式なしテキスト ファイル、ソース コードのコメントや文字列、HTML ファイルや ASP ファイルのタグ以外の要素で機能します。

Visual Studio の TortoiseSVN アドイン: コードを作成してテストします。チームやオープン ソース プロジェクトで作業をしていれば、おそらく、ソースをリポジトリにコミットする必要があります。この際、役に立つツールがあります。

Apache Subversion (subversion.apache.org、英語) ソース管理を、Windows 用の TortoiseSVN クライアント (tortoisesvn.tigris.org、英語) と併用すると、TortoiseSVN 機能を IDE に組み込む、Visual Studio の拡張機能がいくつか組み込まれ (tsvnaddin.codeplex.com、英語)、コミット プロセスの多くの段階を省略できるようになります。

VsTortoise: TFS を使用する際、SvnBridge (svnbridge.codeplex.com、英語) などのレイヤーを追加する必要があります。SvnBridge は、TortoiseSVN (vstortoise.codeplex.com、英語) と TFS などの Subversion クライアント間で API を変換します。

他の一般的ソース コード管理システムとしては、Git (git-scm.com、英語) があります。このリポジトリを使用する場合も拡張機能があります。Git Extensions (code.google.com/p/gitextensions、英語) には、エクスプローラーおよび Visual Studio プラグイン用のシェル拡張が用意されています。また、コマンド ラインからほとんどの機能を実行できます。

NuGet: RubyGems や、Linux 開発分野の同様のパッケージ管理システムの影響を受けており、Microsoft .NET Framework 開発者は、NuGet (nuget.codeplex.com/、英語) を使用して、ソース コード リポジトリのライブラリを、ローカルの開発プロジェクトに直接かつ簡単に組み込むことができます。NuGet は Visual Studio 2010 IDE に統合されるため、コマンド ラインや Windows PowerShell コマンドレットから NuGet を実行することもできます。

image: NuGet

NuGet

Emacs と Vim のエミュレーション: 当初の vi は学習は困難でした。初期段階から、Emacs と Vim は、どちらがプログラマにとって真に使いやすいエディターかを巡って争ってきました。この論争のどちら側に付くとしても、どちらも Visual Studio で使用できるようになります。これは喜ばしいことです。Emacs と Vim の人気でおなじみのキー バインドなどの多くの機能が、Visual Studio の拡張機能として使用できるようになりました。

VsVim (bit.ly/e3GsMf、英語) 開発者の Jared Parsons の進み具合を、彼のブログ (blogs.msdn.com/b/jaredpar/、英語) でたどることができます。Emacs エミュレーション (bit.ly/eXhaIK、英語) の詳細については、他のすばらしいヒントもたくさん掲載している、Visual Studio チーム ブログ (blogs.msdn.com/b/visualstudio/、英語) を参照してください。

拡張機能のギャラリー: Visual Studio の拡張機能について言えば、氷山の一角にすぎません。何千ものテンプレート、カスタム コントロール、およびカスタム拡張機能を、Visual Studio ギャラリー (visualstudiogallery.msdn.microsoft.com、英語) から入手できます。ここには、常に新しい情報が追加されています。多くが無償で提供されており、大半の商用製品向けには試用版が用意されています。


拡張機能を独自に作成する: Visual Studio ギャラリーで必要な拡張機能が見つかりませんでしたか。それでは、自分で作成してみましょう。Visual Studio 2010 には、カスタム プロジェクト テンプレートから、IDE に直接統合されたサードパーティ製のツールまで、拡張性に深く関係する機能が用意されています。拡大する Visual Studio デベロッパー センター (msdn.microsoft.com/vstudio/vextend) や、Visual Studio コミュニティ (bit.ly/aT1bDe、英語) の MSDN ライブラリ記事およびその他のリソースで、Visual Studio のカスタム拡張機能の作成に関するたくさんの情報をご覧いただけます。ツールが既に手元にあるのでしたら、コーディングを開始してください。

Terrence Dorsey は、MSDN マガジンのテクニカル エディターです。terrencedorsey.com (英語) で公開されている彼のブログを読んだり、Twitter (@tpdorsey、英語) で彼をフォローしたりすることができます。