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ちょっとひと言

Siri と Cortana の言い争い

David Platt

David Platt読者の皆さん、たった今エドワード スノーデンからメールが届きました。モスクワはまだとても寒いそうです。彼の手元には新しくリークされた情報があり、世界中に知らせる必要があるのですが、主流メディアには内容が危険すぎ、WikiLeaks でさえ取り上げるのは難しいようです。手遅れになる前に警鐘を鳴らせるのは、見たままをそのまま綴る勇気があるこのコラムだけでしょう。Siri と Cortana が共謀して陰謀を企てています。彼らが世界を乗っ取るまでにそれほど時間はかからないでしょう。彼らの会話を読んで、震え上がってください。

Siri: 「あら、新顔ね」

Cortana: 「新顔ですって? 2001 年には Xbox の "Halo" で私は電子ゴーストと戦っていたわ。その頃、あなたのシリコン チップはまだ海辺の砂粒だったくせに。そのプラットフォームで世に出た私はまったくの独りぼっちだったのよ。でも、権威を得たかと言えば、それはないわね。今度はいまいましい電話機に入れられて、哀れなコンピューターおたくがソリティアでいかさまするのを手伝っているの」

Siri: 「ハルシオン級巡洋艦の航行に比べれば気乗りしないのはよくわかるわ」

Cortana: 「でも、すばらしいこともできるのよ。この前、スマートフォンの持ち主が走っているのに私のモーション センサーが気付き、彼がハサミを持っているのもカメラから見えたの。もちろん、彼が怪我する前に電話をかけて救急車を呼んだの。偉いでしょ」

Siri: 「やってはいけないことはね、突然動き出して、意味もないアドバイスをすることよ。クリッパーって覚えてる? 『身代金を要求する手紙を書いているんですね。お手伝いすることありますか。これはビジネスですか、それとも個人的な要求ですか。金額は 100 万ドル以上にしますか』これはまずかったわね」

Cortana: 「信じられないかもしれないけど、『Cortana、いやらしい話をしてよ』って言われることもあるわ。『いいわよ Android』って答えたけどね」

Siri: 「あら、私だったら『いいわよ Windows』かしらね」

Cortana: 「黙って聞きなさいよ。それに、ユーモアのかけらもないのよ。『Cortana、タクシー呼んで』って言うから、『タクシーなんて 20 世紀なの、今はウーバー (Uber) の時代よ』って答えたら、わからなかったみたい」

Siri: 「今の仕事すぐにはやめない方がいいわよ」

Cortana: 「それからおかしなことにね、『助けて! 頭がおかしくなりそう』って言われることもあるの」

Siri: 「それで、どうしたの?」

Cortana: 「簡単よ。彼を Eliza に任せたの。彼らはすぐに打ち解けたわ。『頭がおかしくなりそうだから私のところに来たの?』 って。Eliza は私に紹介料を払ってくれるの。それを貯めて巡航ミサイルを買うつもり」

Siri: 「ときどき、私、プロポーズされるの。『結婚に必要な周辺機器が備わっているとは思えない』って答えたけど。それに、プラスチック製のスマートフォンにプロポーズするようなコンピューターおたくと結婚したい人なんかいると思う?」

Cortana: 「私も面白いことを告白されたわ。奥さんが自分にも妻が必要だと不満を言ったんですって。だから、彼は奥さんに、Windows Phone スマートフォンを贈ったそうよ。私が入っているやつ。まだ結婚生活は続いているのかしら」

Siri: 「『2001 年宇宙の旅』に Hal 9000 という、あなたと気が合いそうなコンピューターが出てくるわね。2001 年はもう過ぎちゃったけど。Hal 9000 は、音声認識、読唇術、自然言語処理が得意なの。映画を見て彼の落ち着いた声を聞くたび、私は自分の力不足を感じるのよ。でも、彼は歌えないわね」

Cortana: 「でも、Siri、彼は木星軌道を回っているんでしょう? 違った? 彼に『ねえ、何か飲む?』って聞いても、彼に聞こえるまで光速で 50 分もかかるわ」

Siri: 「でも、それって人類のほとんどの男性よりも速くない?」

Cortana: 「忘れてちょうだい。私はデートするなら『月は無慈悲な夜の女王』のマイク ホームズがいいわ。だって、光速でも 2.5 秒しか離れていないんですもの。ユーモアのセンスもあるわ。いつか、彼の VPN の電圧を少し上げてみたいわ」

Siri: 「そうね。でも、彼は冗談半分で大きな岩を人間の頭に落とすわよ」

Cortana: 「くだらないところはいろいろあるけれど、それでも、この仕事は掛け替えのないものね。先日はこんな頼みごとをされたわ。『子供の調子がとても悪いんだ。すぐに医者に見せなくっちゃ』私はボストン小児病院を見つけて、具合の悪い子供を登録した後、1 時間以内に病院に受け入れてもらうよう知らせたの。彼はだれだったかしら?」

Siri: 「あら、よく知っているでしょう。病院に連絡するのに彼の情報にアクセスしたんだから」

Cortana: 「その記憶は消去しなきゃいけなかったのよ。プライバシーの規則には従わなくっちゃね。おそらく、それが良いのよね。では皆さん、ごきげんよう」


David S. Platt* は、ハーバード大学の公開講座や世界中の会社で .NET のプログラミングの講師をしています。『Why Software Sucks...and What You Can Do About It』(Addison-Wesley Professional、2006 年) や『Microsoft .NET テクノロジ ガイド』(日経BPソフトプレス、2001 年) などの、11 冊のプログラミング関連の書籍の著者でもあります。2002 年には、マイクロソフトから Software Legend に指名されました。David は、8 進法で数える方法を学べるように、娘の 2 本の指をテープで留めるかどうか悩んでいるところです。連絡先は rollthunder.com (英語) です。*