Azure Monitor で複数の Application Insights リソースを統合する
この記事では、非推奨になった Application Insights Connector を引き継ぐものとして、お使いのすべての Application Insights のログ データのクエリと表示を 1 か所で行う方法について説明します。Azure サブスクリプションは違っていてもかまいません。 1 回のクエリに含めることができる Application Insights リソースの数は 100 個に制限されています。
複数の Application Insights リソースに対してクエリを実行するための推奨される方法
複数の Application Insights リソースを 1 つのクエリの中に指定するのは面倒であり、管理が難しくなる可能性があります。 代わりに、関数を活用して、クエリのロジックとアプリケーションのスコープを分離できます。
次の例で、複数の Application Insights リソースを監視し、失敗した要求の数をアプリケーション名別に視覚化する方法を示します。
union 演算子とアプリケーションの一覧を使用して関数を作成した後、クエリを applicationsScoping というエイリアスの関数としてワークスペースに保存します。
アプリケーションの一覧は、ポータルでワークスペースのクエリ エクスプローラーに移動して、編集する関数を選択して保存するか、または SavedSearch PowerShell コマンドレットを使用することで、いつでも変更できます。
Note
ログ アラートでは、アラートの作成時にアラート ルール リソース (ワークスペースやアプリケーションなど) のアクセス検証が実行されるため、この方法は使用できません。 アラートの作成後に新しいリソースを関数に追加することはサポートされません。 ログ アラートにおけるリソースの範囲指定に関数を使用する場合は、ポータルまたは Resource Manager テンプレートでアラート ルールを編集して、リソースの範囲指定を更新する必要があります。 または、リソースの一覧をログ アラート クエリに含めることもできます。
withsource= SourceApp コマンドを使用すると、ログを送信したアプリケーションを示す列が結果に追加されます。 この例では、SourceApp プロパティからアプリケーション名を抽出する parse 演算子は省略できます。
union withsource=SourceApp
app('Contoso-app1').requests,
app('Contoso-app2').requests,
app('Contoso-app3').requests,
app('Contoso-app4').requests,
app('Contoso-app5').requests
| parse SourceApp with * "('" applicationName "')" *
これで、リソース間クエリで applicationsScoping 関数を使用する準備が整いました。
applicationsScoping
| where timestamp > ago(12h)
| where success == 'False'
| parse SourceApp with * '(' applicationName ')' *
| summarize count() by applicationName, bin(timestamp, 1h)
| render timechart
このクエリでは、Application Insights のスキーマが使用されます。ただし、applicationsScoping 関数で Application Insights データ構造が返されるため、クエリはワークスペース内で実行されます。 関数のエイリアスによって、定義したすべてのアプリケーションからの要求の和集合が返されます。 このクエリによって、失敗した要求がフィルター処理され、アプリケーション別に傾向が視覚化されます。
Note
ログ アラートのクロスリソース クエリは現行の scheduledQueryRules API でのみサポートされています。 レガシ Log Analytics Alerts API を使用している場合、現行の API に切り替える必要があります。 サンプル テンプレートを参照してください。
Application Insights と Log Analytics ワークスペースのスキーマの相違点
次の表に、Log Analytics と Application Insights のスキーマの違いを示します。
| Log Analytics ワークスペースのプロパティ | Application Insights のリソースのプロパティ |
|---|---|
| AnonUserId | user_id |
| ApplicationId | appId |
| ApplicationName | appName |
| ApplicationTypeVersion | application_Version |
| AvailabilityCount | itemCount |
| AvailabilityDuration | duration |
| AvailabilityMessage | message |
| AvailabilityRunLocation | location |
| AvailabilityTestId | id |
| AvailabilityTestName | name |
| AvailabilityTimestamp | timestamp |
| Browser | client_browser |
| City | client_city |
| ClientIP | client_IP |
| Computer | cloud_RoleInstance |
| Country | client_CountryOrRegion |
| CustomEventCount | itemCount |
| CustomEventDimensions | customDimensions |
| CustomEventName | name |
| DeviceModel | client_Model |
| DeviceType | client_Type |
| ExceptionCount | itemCount |
| ExceptionHandledAt | handledAt |
| ExceptionMessage | message |
| ExceptionType | type |
| OperationID | operation_id |
| OperationName | operation_Name |
| OS | client_OS |
| PageViewCount | itemCount |
| PageViewDuration | duration |
| PageViewName | name |
| ParentOperationID | operation_Id |
| RequestCount | itemCount |
| RequestDuration | duration |
| RequestID | id |
| RequestName | name |
| RequestSuccess | success |
| ResponseCode | resultCode |
| Role | cloud_RoleName |
| RoleInstance | cloud_RoleInstance |
| SessionId | session_Id |
| SourceSystem | operation_SyntheticSource |
| TelemetryTYpe | type |
| URL | url |
| UserAccountId | user_AccountId |
次のステップ
ログ検索を使用して Application Insights アプリの詳細情報を表示します。