チュートリアル: ローカルの Service Fabric クラスターでデプロイされた Java アプリケーションをデバッグする
このチュートリアルは、シリーズの第 2 部です。 Eclipse を使用して Service Fabric アプリケーション用にリモート デバッガーをアタッチする方法について説明します。 さらに、実行中のアプリケーションから開発者にとって都合のよい場所にログをリダイレクトする方法について説明します。
このチュートリアル シリーズで学習する内容は次のとおりです。
- Java Service Fabric Reliable Services アプリケーションをビルドする
- ローカル クラスターでアプリケーションをデプロイおよびデバッグする
- アプリケーションを Azure クラスターにデプロイする
- アプリケーションの監視と診断を設定する
- CI/CD を設定します
シリーズの第 2 部で学習する内容は次のとおりです。
- Eclipse を使用して Java アプリケーションをデバッグする
- 構成可能な場所にログをリダイレクトする
前提条件
このチュートリアルを開始する前に
- Mac または Linux の開発環境を設定します。 Eclipse プラグイン、Gradle、Service Fabric SDK、および Service Fabric CLI (sfctl) を手順に従ってインストールします。
投票サンプル アプリケーションをダウンロードする
このチュートリアル シリーズの第 1 部で投票サンプル アプリケーションをビルドしていない場合は、ダウンロードすることができます。 コマンド ウィンドウで、次のコマンドを実行して、サンプル アプリのリポジトリをローカル コンピューターに複製します。
git clone https://github.com/Azure-Samples/service-fabric-java-quickstart
ローカル環境クラスターでアプリケーションをビルドしてデプロイします。
Eclipse を使用して Java アプリケーションをデバッグする
マシンで Eclipse IDE を開き、[ファイル] -> [インポート....] の順にクリックします
ポップアップ ウィンドウで、[一般] -> [既存のプロジェクトをワークスペースへ] オプションの順に選択し、[次へ] をクリックします。
[Import Projects](プロジェクトのインポート) ウィンドウで、[Select root directory](ルート ディレクトリの選択) オプションを選択し、Voting ディレクトリを選択します。 チュートリアル シリーズの第 1 部を完了している場合、Voting ディレクトリは Eclipse-workspace ディレクトリ内にあります。
デバッグするサービスの entryPoint.sh を更新して、リモートのデバッグ パラメーターで Java プロセスを開始するようにします。 このチュートリアルでは、ステートレス フロントエンドを使用します (Voting/VotingApplication/VotingWebPkg/Code/entryPoint.sh)。この例では、デバッグ用にポート 8001 が設定されています。
java -Xdebug -Xrunjdwp:transport=dt_socket,address=8001,server=y,suspend=n -Djava.library.path=$LD_LIBRARY_PATH -jar VotingWeb.jar
アプリケーション マニフェストを更新して、デバッグするサービスのインスタンス数またはレプリカ数を 1 に設定します。 この設定により、デバッグに使用されるポートの競合を回避できます。 たとえば、ステートレス サービスについては、
InstanceCount="1"
と設定し、ステートフル サービスについては、TargetReplicaSetSize="1" MinReplicaSetSize="1"
のように設定して、レプリカ セット サイズのターゲット値と最小値を 1 にします。Eclipse IDE で、[実行] -> [デバッグ構成] -> [リモート Java アプリケーション] の順に選択し、[新規] ボタンを押します。次に、以下のとおりプロパティを設定して、[適用] をクリックします。
Name: Voting Project: Voting Connection Type: Standard Host: localhost Port: 8001
Voting/VotingWeb/src/statelessservice/HttpCommunicationListener.java ファイルの 109 行にブレークポイントを設定します。
パッケージ エクスプローラーで、Voting プロジェクトを右クリックし、[Service Fabric] -> [アプリケーションの発行...] の順にクリックします
[Publish Application](アプリケーションの発行) ウィンドウで、ドロップダウンから [Local.json] を選択し、[Publish](発行) をクリックします。
Eclipse IDE で、[実行] -> [デバッグ構成] -> [リモート Java アプリケーション] の順に選択し、作成した投票の構成をクリックしてから、[デバッグ] をクリックします。
Web ブラウザーに移動し、localhost:8080 にアクセスします。 これにより、ブレークポイントに自動的にヒットし、Eclipse がデバッグ パースペクティブに入ります。
同様の手順を適用して、Eclipse で任意の Service Fabric アプリケーションをデバッグできます。
アプリケーション ログをカスタムの場所にリダイレクトする
次の手順では、既定の場所 /var/log/syslog からカスタムの場所にアプリケーション ログをリダイレクトする方法について説明します。
現在、Service Fabric Linux クラスターで実行されているアプリケーションでは、単一のログ ファイルの取得のみがサポートされています。 ログが常に /tmp/mysfapp0.0.log に記録されるようにアプリケーションを設定するには、Voting/VotingApplication/VotingWebPkg/Code/logging.properties 内に logging.properties という名前のファイルを作成し、次の内容を追加します。
handlers = java.util.logging.FileHandler java.util.logging.FileHandler.level = ALL java.util.logging.FileHandler.formatter = java.util.logging.SimpleFormatter # This value specifies your custom location. # You will have to ensure this path has read and write access by the process running the SF Application java.util.logging.FileHandler.pattern = /tmp/mysfapp0.0.log
Java 実行コマンドのために、Voting/VotingApplication/VotingWebPkg/Code/entryPoint.sh で次のパラメーターを追加します。
-Djava.util.logging.config.file=logging.properties
次の例では、デバッガーを接続したサンプル実行を示しています。これは前のセクションの実行に似ています。
java -Xdebug -Xrunjdwp:transport=dt_socket,address=8001,server=y,suspend=n -Djava.library.path=$LD_LIBRARY_PATH -Djava.util.logging.config.file=logging.properties -jar VotingWeb.jar
これで、Service Fabric Java アプリケーションの開発中にデバッグを行う方法とアプリケーション ログにアクセスする方法について確認できました。
次のステップ
チュートリアルのこの部分で学習した内容は次のとおりです。
- Eclipse を使用して Java アプリケーションをデバッグする
- 構成可能な場所にログをリダイレクトする
次のチュートリアルに進みます。