ビジネス継続性のために Azure VM にスケジュール パッチ適用を構成する

適用対象: ✔️ Windows VM ✔️ Linux VM ✔️ Azure VM。

この記事では、ビジネス継続性を確保するために新しい前提条件を使用して、Azure VM 上でスケジュール パッチ適用とゲスト仮想マシン (VM) の自動パッチ適用を構成する方法の概要について説明します。 Azure Arc VM 上で両方のパッチ適用オプションを構成する手順は変わりません。

現時点では、Azure portal でパッチ モードを [Azure-orchestrated] または REST API で [AutomaticByPlatform] に設定することで、ゲスト VM の自動パッチ適用 (自動パッチ) を有効にできます。この場合、パッチはピーク外の時間帯に自動的に適用されます。

修正プログラムのインストールの制御をカスタマイズするために、スケジュール パッチ適用を使用してメンテナンス期間を定義できます。 Azure portal でパッチ モードを [Azure-orchestrated]に設定するか、REST API で [AutomaticByPlatform] に設定し、Azure VM スケジュールをアタッチすることで、スケジュール パッチ適用を有効にできます。 そのため、VM のプロパティは両方のパッチ モードが [Azure-orchestrated] に設定されているため、スケジュール パッチ適用ゲスト VM の自動パッチ適用を 区別できませんでした。

場合によっては、VM からスケジュールを削除すると、VM の自動パッチが適用されて再起動される可能性があります。 この制限を解決するために、新しい前提条件が導入されました。この前提条件 ByPassPlatformSafetyChecksOnUserScheduletrue に設定することで、スケジュール パッチ適用を使用して VM を識別できるようになりました。 これにより、このプロパティが true に設定されている VM は、関連付けられたメンテナンス構成がない場合、自動パッチ適用されなくなります。

重要

スケジュール パッチ適用を継続するには、2023 年 6 月 30 日までにスケジュールがアタッチされているすべての Azure VM (既存または新規) で、新しい VM プロパティである BypassPlatformSafetyChecksOnUserSchedule が有効になっていることを確認する必要があります。 この設定により、自動パッチ適用ではなく、構成したスケジュールを使用してマシンにパッチが適用されます。 2023 年 6 月 30 日までに有効にしないと、前提条件が満たされていないというエラーが発生します。

可用性セットでのパッチ適用をスケジュールする

共通の可用性セット内のすべての VM が同時に更新されることはありません。

共通の可用性セット内の VM は、更新ドメインの境界内で更新されます。 複数の更新ドメインにまたがる VM が同時に更新されることはありません。

同じ可用性セットのマシンに異なるスケジュールで同時にパッチが適用されるシナリオでは、メンテナンス期間を超えた場合にパッチが適用されないか、障害が発生する可能性が高くなります。 これを回避するには、メンテナンス期間を長くするか、同じ可用性セットに属するマシンを異なる時間の複数のスケジュールに分割することをお勧めします。

関連付けられたスケジュールを持つ VM を検索する

新しい VM プロパティを有効にする必要があるスケジュールが関連付けられている VM の一覧を特定するには、次の手順を実施してください。

  1. [Azure Update Manager] ホーム ページに移動し、[マシン] タブを選択します。

  2. [パッチ オーケストレーション] フィルターで、[Azure マネージド - 安全なデプロイ] を選択します。

  3. [すべて選択] オプションを使用してマシンを選択し、[CSVにエクスポート] を選択します。

  4. CSV ファイルを開き、[関連付けられたスケジュール] 列で、エントリがある行を選択します。

    対応する [名前] 列で、ByPassPlatformSafetyChecksOnUserSchedule フラグを有効にする必要がある VM の一覧を表示できます。

Azure VM でパッチ適用のスケジュールを有効にする

Azure VM でスケジュール パッチ適用を有効にするには、次の手順に従います。

前提条件

パッチ オーケストレーション = カスタマー マネージド スケジュール

パッチ オーケストレーション オプションを[カスタマー マネージド スケジュール]として選択します。 新しいパッチ オーケストレーション オプションを使用すると、お客様からの同意後、お客様に代わって次の VM プロパティを有効にします。

  • パッチ モード = Azure-orchestrated
  • BypassPlatformSafetyChecksOnUserSchedule = TRUE

新しい VM に対して有効にする

スケジュールに関連付けられる新しい VM のパッチ オーケストレーション オプションを選択できます。

パッチ モードを更新するには、次の手順を実施ください。

  1. Azure portal にサインインします。
  2. [仮想マシン] に移動し、[作成] を選択して [仮想マシンの作成] ページを開きます。
  3. [基本] タブで、すべての必須フィールドを入力します。
  4. [管理] タブの [ゲスト OS の更新プログラム][パッチ オーケストレーション オプション] で、[Azure-orchestrated]を選択します。
  5. [監視][詳細設定][タグ] タブでエントリを入力します。
  6. [確認および作成] を選択します。 [作成] を選択して、適切なパッチ オーケストレーション オプションを使用して新しい VM を作成します。

新しく作成された VM にパッチを適用するスケジュールを設定するには、次のセクション「既存の VM に対して有効にする」の手順 2 に従います。

既存の VM に対して有効にする

既にスケジュールに関連付けられている、または新たにスケジュールに関連付けられる予定の既存の VM に対して、パッチ オーケストレーション オプションを更新できます。

パッチ オーケストレーション[Azure-orchestrated] または [Azure マネージド - 安全なデプロイ (AutomaticByPlatform)] として設定されていて、BypassPlatformSafetyChecksOnUserSchedulefalse に設定され、スケジュールが関連付けられていない場合、VM は自動パッチ適用されます。

パッチ モードを更新するには、次の手順を実施ください。

  1. Azure portal にサインインします。
  2. Azure Update Manager に移動し、[更新設定] を選択します。
  3. [更新設定の変更] で、[マシンの追加] を選びます。
  4. [リソースの選択] で VM を選び、[追加] を選びます。
  5. [更新設定の変更] ウィンドウの [パッチ オーケストレーション] で、[カスタマー マネージド スケジュール] を選び、[保存] を選びます。

上記手順実施後、スケジュールをアタッチします。

BypassPlatformSafetyChecksOnUserSchedule が有効になっているかどうかを確認するには、[仮想マシン] ホーム ページに移動し、[概要]>[JSON ビュー] を選択します。

Note

現時点では、Azure portal、REST API、PowerShell を使っている場合のみ、スケジュール パッチ適用の新しい前提条件を有効にできます。 Azure CLI を使って有効にすることはできません。

Azure VM でゲスト VM の自動修正プログラムの適用を有効にする

現時点でAzure VM でゲスト VM の自動修正プログラムの適用を有効にするには、次の手順に従います。

前提条件

パッチ モード = Azure-orchestrated

新しい VM に対して有効にする

スケジュールに関連付けられる新しい VM のパッチ オーケストレーション オプションを選択できます。

パッチ モードを更新するには、次の手順を実施ください。

  1. Azure portal にサインインします。
  2. [仮想マシン] に移動し、[作成] を選択して [仮想マシンの作成] ページを開きます。
  3. [基本] タブで、すべての必須フィールドを入力します。
  4. [管理] タブの [ゲスト OS の更新プログラム][パッチ オーケストレーション オプション] で、[Azure-orchestrated]を選択します。
  5. [監視][詳細設定][タグ] タブでエントリを入力します。
  6. [確認および作成] を選択します。 [作成] を選択して、適切なパッチ オーケストレーション オプションを使用して新しい VM を作成します。

既存の VM に対して有効にする

パッチ モードを更新するには、次の手順を実施ください。

  1. Azure portal にサインインします。
  2. [Update Manager] に移動し、[更新設定] を選択します。
  3. [更新設定の変更] ウィンドウで、[マシンの追加] を選択します。
  4. [リソースの選択] ウィンドウで VM を選び、[追加] 選択します。
  5. [更新設定の変更] ウィンドウの [パッチ オーケストレーション] で、[Azure マネージド - 安全なデプロイ] を選び、[保存] を選択します。

ユーザー シナリオ

シナリオ Azure で調整 BypassPlatformSafetyChecksOnUserSchedule 関連付けられているスケジュール Azure での想定される動作
シナリオ 1 はい はい スケジュール パッチは、ユーザーの定義に従って実行されます。
シナリオ 2 はい いいえ 自動パッチとスケジュール パッチは実行されません。
シナリオ 3 はい False はい 自動パッチとスケジュール パッチは実行されません。 スケジュール パッチの前提条件が満たされていないというエラーが表示されます。
シナリオ 4 はい False いいえ VM に自動パッチが適用されます。
シナリオ 5 いいえ True はい 自動パッチとスケジュール パッチは実行されません。 スケジュール パッチの前提条件が満たされていないというエラーが表示されます。
シナリオ 6 いいえ True いいえ 自動パッチとスケジュール パッチは実行されません。
シナリオ 7 いいえ False はい 自動パッチとスケジュール パッチは実行されません。 スケジュール パッチの前提条件が満たされていないというエラーが表示されます。
シナリオ 8 いいえ False いいえ 自動パッチとスケジュール パッチは実行されません。

次のステップ