プロトコル設定
概要
企業は、組織内の部門を反映したビジネス プロファイルを作成した後に、ビジネス プロファイル間でどのように通信が実行されるのかを定義するパラメーターを宣言する必要があります。 この通信パラメーターは、プロトコル設定として定義されます。 プロトコル設定により、特定の B2B プロトコルに対してどのように取引がサポートされるのかが定義されます。 各ビジネス プロファイルにより、取引先が通信に使用できる各 B2B プロトコルに対するメッセージの処理 (エンコード) またはメッセージの送信 (トランスポート) のさまざまな設定が定義されます。 ビジネス プロファイルの通信パラメーターは、次の 2 つのカテゴリに定義されます。
エンコード プロトコルの設定: エンコード プロトコルは、B2B メッセージの構造とコンテンツを制御します。 ビジネス プロファイルのエンコード プロトコル設定により、部門が B2B メッセージの送受信に使用するエンコード プロトコルが定義されます。 エンコード プロトコルの例としては、X12、EDIFACT、HL7 などがあります。BizTalk Serverでサポートされているエンコード プロトコルの詳細については、「EDI 標準のサポート」を参照してください。 エンコード プロトコルの一部として、送信者パーティが受信確認を予期しているかどうか、メッセージはバッチ処理されるのか個別に送信されるのかなど、さまざまな設定を指定することができます。取引先アグリーメントの一部として、いつでもこれらの設定を上書きできます。 「取引先契約」を参照してください。
トランスポート プロトコルの設定: トランスポート プロトコルは、2 つのパートナー間でメッセージを送受信するために使用されるトランスポート チャネルを制御します。 トランスポートは基本的に 2 つのトランスポート エンドポイント間で行われるので、各ビジネス プロファイルにより、独自の "トランスポート エンドポイント" 設定が定義され、ビジネス プロファイルは取引先のビジネス プロファイルの 1 つの "トランスポート エンドポイント" と通信します。 サポートされているトランスポート プロトコルの詳細については、「BizTalk Server での AS2 サポート」を参照してください。 トランスポート プロトコルの一部として、メッセージに署名するかどうか、メッセージを暗号化するかどうかなど、さまざまな設定を指定できます。取引先アグリーメントの一部として、いつでもこれらの設定を上書きできます。 契約の詳細については、「 取引先契約」を参照してください。
ビジネス プロファイルでは、プロトコル設定を定義することで、取引先間での B2B メッセージの送信に使用できるメッセージ形式とトランスポート プロトコルが定義されます。
Note
ビジネス プロファイルの一部としてプロトコル設定を定義するかは任意です。 ビジネス プロファイルの一部としてプロトコル設定を指定しない場合は、アグリーメントでいつでもそれらの設定を指定できます。
次の図は、取引先、ビジネス プロファイル、およびプロトコル設定が TPM ソリューションにどのように関連するかを示しています。
上の図で、"Shipping" ビジネス プロファイルは、AS2 トランスポート プロトコルを介して送信された X12 エンコード形式のメッセージを送受信できます。 同様に、"Invoice" 出荷プロファイルは、AS2 トランスポート プロトコルを介して X12 および EDIFACT の両方のエンコード形式のメッセージを送受信できます。
ビジネス プロファイルの定義が、BizTalk Serverでの TPM ソリューションの作成にどのように役立つのかは明らかになりました。 現在のところ、図に示すように、"Shipping" ビジネス プロファイルは X12 メッセージの送受信のみを行うことできます。 したがって、"Shipping" ビジネス プロファイルと通信する任意のビジネス プロファイルは、"Shipping" ビジネス プロファイルのプロパティ設定に従う必要があります。 ただし、将来は、"Shipping" ビジネス プロファイルは EDIFACT エンコードのメッセージの受け入れを開始する予定なので、EDIFACT のサポートを含むように関連プロパティを設定するだけで済みます。 取引先の組織は、同じ出荷部門に対して新しいビジネス プロファイルを作成する必要はありません。
ビジネス プロファイルの作成時に、常にプロトコル設定を指定する必要があるか。
理論的には、その答えは "はい" です。ビジネス プロファイルには、プロトコル設定の定義が含まれている必要があります。 ただし、このことは、TPM ユーザー インターフェイスでビジネス プロファイルを作成中に、プロトコル設定を定義しなければならないことを意味するものではありません。 TPM では、ビジネス プロファイルの作成中、または取引先アグリーメントの作成中に、プロトコル設定を指定できます。 ビジネス プロファイルの一部としてプロトコル設定を定義すると、そのプロファイル用の取引先アグリーメントの作成中に、そのプロトコル設定を利用できるようになります。 ただし、アグリーメントの一部としてプロトコル設定を定義する場合、アグリーメントの一部としてすべての値を提供する必要があります。
重要
ビジネス プロファイルの一部としてプロトコル設定を定義しない場合は、そのビジネス プロファイル用の各アグリーメントの一部として値を入力する必要があり、新しい TPM ソリューションのスケーラビリティ モデルが無効になります。 したがって、ビジネス モデルごとにプロトコル設定を定義することをお勧めします。 取引先アグリーメントの作成中に、必要に応じて、いつでもそれらの設定をオーバーライドすることができます。