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WCF アダプタについて

Windows Communication Foundation (WCF) アダプタには、受信アダプタと送信アダプタの 2 つがあります。 WCF 受信アダプタは、WCF サービス要求を受信するために使用します。 WCF 受信アダプタは、要求の受信、BizTalk メッセージ オブジェクトの作成、および関連するプロパティのメッセージ コンテキストへの昇格を行います。 WCF 送信アダプタは、WCF サービスを呼び出すときに使用します。 WCF 送信アダプタは、型宣言が不要なコントラクトを使用して WCF サービスを呼び出します。

Note

WCF アダプタは、リモート プロシージャ コール (RPC) スタイルの Web サービスの使用をサポートしていません。これは、WCF アダプタがメッセージ部分の要素を使用しているメッセージ要素ではなく、メッセージの種類を RPC スタイルの Web サービスが参照するためです。 BizTalk プロジェクトで Web サービスを使用する場合、Web 参照の追加ウィザードを使用して RPC スタイルの Web サービスを追加することをお勧めします。

Web サービスの標準サポート

WCF アダプタは、WS-Addressing、WS-Security、WS-AtomicTransaction など、WS 標準のサポートを提供しています。 WCF アダプタの現在のリリースでは、WS-ReliableMessaging はサポートされていません。 WCF でサポートされる仕様の一覧については、「」を参照してください https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=88314

WS-Addressing

WCF アダプタは、WCF が提供している WS-Addressing 標準サポートに依存します。 WCF アダプタでは、次の機能を使用できます。

  • メタデータ交換要求時に取得される送信ポートのエンドポイント アドレスの構成

  • 送信ポートのエンドポイント アドレス用のアドレス指定ヘッダーの構成

  • BizTalk 受信場所で公開されるエンドポイント用のアドレス指定ヘッダーの構成

WS-Security

WCF アダプタは、WCF が提供しているセキュリティ標準サポートに依存します。 WCF アダプタでは、次の標準がサポートされています。

  • Web サービス セキュリティ: SOAP メッセージ セキュリティ (WS-Security) 1.0 および 1.1

  • Web Services Secure Conversation Language (WS-SecureConversation)

  • Web Services Trust Language (WS-Trust)

  • Web Services Security X.509 Certificate Token Profile

  • Web Services Security Username Token Profile 1.0

  • Web Services Security Kerberos Token Profile 1.0

サービス認証の種類

次の WCF サービス認証の種類がサポートされています。

  • なし

  • Windows

  • Certificate

クライアント認証の種類

次の WCF クライアント認証の種類がサポートされています。

  • Anonymous

  • UserName

  • Windows

  • Certificate

セキュリティ モード

次のセキュリティ モードがサポートされています。

  • トランスポート

  • Message

  • Mixed (トランスポート レベルのセキュリティとメッセージ レベルの認証)

WS-AtomicTransaction

WCF-WsHttp、WCF-NetTcp、および WCF-NetMsmq の各アダプタは WS-AtomicTransaction プロトコルをサポートしています。 このサポートにより次のシナリオが有効となります。

  • メッセージ ボックス データベースへのメッセージのトランザクション送信

  • メッセージ ボックス データベースからのメッセージのトランザクション送信

Note

トランザクション スコープは、メッセージ ボックスにより制限されます。 たとえば、BizTalk オーケストレーションはクライアントのトランザクションに参加できません。 同様に、送信先エンドポイントは、BizTalk オーケストレーションが開始したトランザクションに参加できません。

トランザクション送信

WCF-WsHttp アダプターと WCF-NetTcp アダプターの場合、BizTalk Serverへのトランザクション送信は、[受信場所トランスポートのプロパティ] ダイアログ ボックスの [トランザクション チェックを有効にする] ボックスを選択することで有効になります。 WCF-NetMsmq アダプターでは、[トランザクション チェック] ボックスが既定で選択されています。 メッセージの抽出元のメッセージ キューがトランザクションとして指定されていない場合、このチェック ボックスをオフにする必要があります。オフにしないと、エラー メッセージを受け取ります。

トランザクション機能が有効の場合、クライアントのトランザクションを使用して、メッセージがメッセージ ボックス データベースに送信されます。 クライアントがトランザクションのスコープ外のメッセージを送信しようとすると、アダプタはそのクライアントに例外を返します。 ただし、メッセージは中断されません。 トランザクション機能が無効の場合、クライアントのトランザクションを使用せずに、メッセージがメッセージ ボックスに送信されます。 クライアントがトランザクション スコープ内のメッセージを送信しようとすると、アダプタはそのクライアントに例外を返し、メッセージは中断されません。

トランザクションと受信場所の種類

トランザクション送信は、一方向の受信場所に対してのみ使用できます。 クライアントが、双方向の受信場所に対し、トランザクション スコープ内のメッセージを送信しようとすると、例外がそのクライアントに返され、メッセージは中断されません。

トランザクション転送

WCF-WsHttp アダプターと WCF-NetTcp アダプターでは、[送信ポート トランスポートのプロパティ] ダイアログ ボックスの [トランザクション チェックを有効にする] ボックスをオンにすると、BizTalk Serverからのトランザクション転送が有効になります。 WCF-NetMsmq アダプターでは、[トランザクション チェック] ボックスが既定で選択されています。 メッセージの送信先のメッセージ キューがトランザクションとして指定されていない場合、このチェック ボックスをオフにする必要があります。オフにしないと、エラー メッセージを受け取ります。

トランザクション機能が有効の場合、トランザクションでメッセージが送信され、そのメッセージがメッセージ ボックス データベースから削除されます。 メッセージ受信後、送信先サービスがなんらかの操作を実行した場合、メッセージはメッセージ ボックスから削除されず、トランザクションは中止され、サービスのすべてのトランザクション操作がロールバックされます。 トランザクション機能が無効の場合、トランザクションを使用せずにメッセージが送信され、そのメッセージがメッセージ ボックスから削除されます。

シングル サインオンのサポート

エンタープライズ シングル サインオン (SSO) チケットを借用および取得することで、SSO を WCF アダプタで使用できます。 WCF アダプターで SSO を使用する方法の詳細については、「単 一 Sign-On WCF アダプターのサポート」を参照してください。

次の表に、WCF 受信アダプタで SSO サポートを使用する場合にサポートされないシナリオを示します。

[セキュリティ モード] 資格情報
なし なし
トランスポート なし
Message なし
TransportWithMessageCredentials なし
TransportCredentialOnly なし

WCF 拡張機能

次の拡張機能を開発し、WCF-Custom アダプタおよび WCF-CustomIsolated アダプタでこれらの拡張機能を使用することで、WCF の機能を拡張できます。

  • カスタム バインド

  • カスタム バインド要素

カスタム バインディング

カスタム バインドを開発するには、特定の使用シナリオのために構成プロパティのサブセットを公開するコンテナ内に個々のバインド要素をパッケージ化します。 アセンブリをグローバル アセンブリ キャッシュ (GAC) 内にインストールし、その後、拡張機能の要素をコンピュータの構成ファイルに追加することで、バインド拡張機能を登録する必要があります。 カスタム バインドを使用するには、BizTalk グループ内のすべてのサーバーでバインドを設定する必要があります。 バインドは、インストールすると、WCF-Custom アダプタおよび WCF-CustomIsolated アダプタによって認識されるようになります。 WCF-Custom アダプタと WCF-CustomIsolated アダプタは、バインド構成要素に対しリフレクションを使用することで、バインド構成プロパティを取得します。

カスタム バインド要素

カスタム バインド要素は、特定のトランスポート チャネル コンポーネントを追加または変更することで開発します。 たとえば、カスタム圧縮解除コンポーネントをバインド要素としてパッケージ化したり、UDP トランスポートをバインド要素として表したりします。 これらのバインド要素は、WCF アダプタ内で使用できます。 他の既定要素またはカスタム バインド要素と組み合わせて、カスタム バインド要素を使用するチャネル スタックを定義できます。 アセンブリを GAC 内にインストールし、その後、拡張機能の要素をコンピュータの構成ファイルに追加することで、バインド要素拡張機能を登録する必要があります。 カスタム バインドを使用するには、BizTalk グループ内のすべてのサーバーでバインドを設定する必要があります。 カスタム バインド要素を使用するには、 CustomBinding バインドの種類を選択し、必要な順序でバインド要素を追加、変更、または再配置します。

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