トレースとメッセージ ログの推奨設定
このトピックでは、さまざまな動作環境における、推奨されるトレースとメッセージ ログの設定について説明します。
本運用環境での推奨される設定
本運用環境で WCF トレース ソースを使用する場合は、switchValue
を Warning に設定します。 WCF System.ServiceModel
トレース ソースを使用する場合は、switchValue
属性を Warning
に設定し、propagateActivity
属性を true
に設定します。 ユーザー定義のトレース ソースを使用する場合は、switchValue
属性を Warning, ActivityTracing
に設定します。 これは、構成エディター ツール (SvcConfigEditor.exe) を使用して手動で行うことができます。 前述のすべての場合において、パフォーマンスに影響しないと思われる場合は、switchValue
属性を Information
に設定できます。これにより、相当な量のトレース データが生成されます。 次の例に、これらの推奨設定を示します。
<configuration>
<system.diagnostics>
<sources>
<source name="System.ServiceModel"
switchValue="Warning"
propagateActivity="true" >
<listeners>
<add name="xml"/>
</listeners>
</source>
<source name="myUserTraceSource"
switchValue="Warning, ActivityTracing">
<listeners>
<add name="xml"/>
</listeners>
</source>
</sources>
<sharedListeners>
<add name="xml"
type="System.Diagnostics.XmlWriterTraceListener"
initializeData="C:\logs\Traces.svclog" />
</sharedListeners>
</system.diagnostics>
<system.serviceModel>
<diagnostics wmiProviderEnabled="true">
</diagnostics>
</system.serviceModel>
</configuration>
展開またはデバッグでの推奨される設定
展開またはデバッグ環境では、Information
または Verbose
を選択すると共に、ユーザー定義のトレース ソースまたは ActivityTracing
トレース ソースの場合は System.ServiceModel
を選択します。 また、デバッグ機能を向上させるには、トレース ソース (System.ServiceModel.MessageLogging
) を構成に追加してメッセージ ログを有効にする必要があります。 switchValue
属性はこのトレース ソースに影響しません。
次の例に、XmlWriterTraceListener
を利用した共有リスナーを使用する推奨設定を示します。
<configuration>
<system.diagnostics>
<sources>
<source name="System.ServiceModel"
switchValue="Information, ActivityTracing"
propagateActivity="true" >
<listeners>
<add name="xml"/>
</listeners>
</source>
<source name="System.ServiceModel.MessageLogging">
<listeners>
<add name="xml"/>
</listeners>
</source>
<source name="myUserTraceSource"
switchValue="Information, ActivityTracing">
<listeners>
<add name="xml"/>
</listeners>
</source>
</sources>
<sharedListeners>
<add name="xml"
type="System.Diagnostics.XmlWriterTraceListener"
initializeData="C:\logs\Traces.svclog" />
</sharedListeners>
</system.diagnostics>
<system.serviceModel>
<diagnostics wmiProviderEnabled="true">
<messageLogging
logEntireMessage="true"
logMalformedMessages="true"
logMessagesAtServiceLevel="true"
logMessagesAtTransportLevel="true"
maxMessagesToLog="3000"
/>
</diagnostics>
</system.serviceModel>
</configuration>
WMI を使用した設定変更
WMI を使用して実行時に構成設定を変更できます (前述の構成例で説明したように構成の wmiProviderEnabled
属性を有効にします)。 たとえば、CIM Studio 内で WMI を使用し、実行時にトレース ソース レベルを Warning から Information に変更できます。 この方法でライブ デバッグを実行した場合のパフォーマンスへの負荷は非常に高くなる可能性があるので注意が必要です。 WMI の使用方法の詳細については、「診断用の WMI (Windows Management Instrumentation) の使用」トピックを参照してください。
ASP.NET トレースでの相関イベントの有効化
ASP.NET イベントでは、ASP.NET イベントのトレースが有効になっていないと、相関 ID (ActivityID) が設定されません。 相関イベントを適切に表示するには、 [スタート] 、 [ファイル名を指定して実行] をクリックして「cmd」と入力することで起動するコマンド コンソールで、次のコマンドを使用して ASP.NET イベントのトレースを有効にします。
logman start mytrace -pf logman.providers -o test.etl –ets
ASP.NET イベントのトレースを無効にするには、次のコマンドを使用します。
logman stop mytrace -ets