2023 年リリース サイクル 1 の Dynamics 365 Business Central に向けた計画と準備
重要
このコンテンツはアーカイブされており、更新されていません。 最新のドキュメントについては、「Dynamics 365 Business Central の新機能と予定されている機能」を参照してください。 最新のリリース計画については、「Dynamics 365、Power Platform、Cloud for Industry のリリース計画」を参照してください。
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2023 年リリース サイクル 1 の計画は、2023 年 4 月から 2023 年 9 月までに市場に投入される予定のすべての新機能を対象としています。 この記事では、Dynamics 365 Business Central の製品概要および新機能と予定されている機能について説明します。
概要
Business Central は、ビジネス プロセスを自動化して効率化する、中小規模の組織向けビジネス管理アプリケーションです。 企業は、適応性が高く機能が豊富な Business Central を使うと、財務、サプライ チェーン、製造、出荷、プロジェクト管理、サービスなどを管理できます。 また、事業を展開している地域に関連する機能を簡単に追加し、専門性の高い業界をサポートするようアプリをカスタマイズできます。 Business Central はすばやく実装して簡単に構成でき、製品の設計、開発、実装、使いやすさにイノベーションを持たすための簡単なガイドとなります。
2023 年リリース サイクル 1 では、会社間機能の強化など、複数の会社の管理のサポートが強化されています。 このリリースでは、Microsoft とパートナーによる質の高いコンテンツによってサポートされるシームレスなオンボード エクスペリエンスを作成することにより、お客様のオンボーディングにかかる時間が短縮されます。 規制タスクを自動化する機能が備わっているため、組織がさまざまな政府規制への準拠を維持することができ、本来のビジネスに集中できるようになります。 たとえば、W1 バージョンには非控除 VAT のサポートが追加され、その後、VAT をサポートする Microsoft の各国のバージョンに段階的に追加されていきます。 常に使いやすさが重視されており、このリリースでは、レコードのリストを操作する際の効率が向上しています。 テーブルから任意のフィールドを追加して列をパーソナライズしたり、複数の行に対して一括操作を実行したり、よりすばやくスマートに作業できる包括的なビューを取得したりできます。
Microsoft は、Visual Studio Code AL Explorer を導入することにより、開発者とコンサルタントの生産性向上に投資しています。このツールにより、GitHub を通じた開発のシームレスなコラボレーションが可能になり、アプリと環境を管理する管理者向けにセルフサービス機能が追加されます。 さらに、ISV が AppSource マーケットプレースを通じてトランザクションを実行できるようになります。
2023 年リリース サイクル 1 のその他の更新には次のものが含まれます。
Microsoft Power Platform を使ってすばやく適応する: Business Central では承認ワークフローの設定がより簡単になっているため、より多くのプロセスを自動化してユーザーの生産性を向上できます。 さらに、Power Apps の作成者が早く取りかかれるようにサンプル アプリも用意されています。
アプリケーション: 財務分野では、Microsoft は会社間機能に投資しており、一般会計決済を可能にしています。 すべての国で SAF-T 監査ファイルをエクスポートできるようになる予定です。 Business Central のサプライ チェーン機能は、在庫および倉庫プロセスをいっそう効率的に実行できるようにする、いくつかの最適化と強化によって改善されます。
国と地域: さらに多くの国と地域が追加されたことで、Business Central が 100 を超える国と地域で利用できるようになります。
開発ツール: Visual Studio Code に完全に移行しました。Microsoft では、開発者の生産性を高める領域への取り組みを続けています。 たとえば、Visual Studio Code ビジュアル デザイナーを使うと、コンサルタントは各顧客に合わせたシンプルな拡張機能を作成できます。 開発者は、コンパイラ リソースの管理とコード アナライザーのパフォーマンスも強化できます。 Microsoft では、開発者がわかりやすいアクセス許可を簡単に定義および維持できるように、アクセス許可システムの最新化に取り組んでいます。
ガバナンスと管理: Business Central には、管理者が環境を管理するのに役立つ一連のセルフサービス機能が追加されています。
法律: このリリースの W1 バージョンでは、非控除 VAT がサポートされます。これは、今後のマイナー リリースで各国のバージョンにアップグレードされる予定です。
オンボード: アプリ内ガイダンスとユーザー アシスタンスが強化されているため、組織はアプリケーションをすぐに生産的に使用できるようになります。
Microsoft 365 に関する向上: Microsoft では、Microsoft Teams のコラボレーション ビジネス プロセスの効率を高めています。
レポート作成およびデータ分析: Microsoft では、リスト ページに新しいモードを追加し、ユーザーがクライアントでデータを直接分析およびピボットできるようにしています。
サービスとプラットフォーム: Microsoft では、パフォーマンス、安定性、リソース ガバナンス、セキュリティ、コンプライアンスに重点を置きつつ、サービスの基盤に投資を続けています。
Dynamics 365 Business Central の 2023 年リリース サイクル 1 の更新情報
投資分野
ユーザー エクスペリエンス
Business Central には、インストール可能なデスクトップ アプリ、ブラウザー Web アプリケーション、モバイル アプリなど、お客様が場所やデバイスに関わらずデータを操作できるようにする、幅広いユーザー インターフェイスのポートフォリオが備わっています。 ユーザーが高速でデータを入力する必要がある場合も、ユーザーに意識させずにエントリを更新する必要がある場合も、リレーショナル データを分析する必要がある場合も、Business Central には、必要に応じて簡単に使用できる強力な機能が多数用意されています。
すべてのリリースには、使いやすさ、アクセシビリティ、パフォーマンス、および信頼性の向上が含まれます。 2023 年リリース サイクル 1 では、アクションとレコードのリストを操作する際の効率が向上しています。 さらに、お客様やコンサルタントが既存のテーブル フィールドから選択してページ上のフィールドをパーソナライズできるようになるため、ワークスペースを最適化する時間と労力が軽減されます。
アプリケーション
アプリケーションは、Business Central の機能を指しており、お客様がビジネスを管理するのに役立つ機能が含まれます。 2023 年リリース サイクル 1 では、お客様のビジネスの成長に合わせてより高度な機能を提供していくため、財務と運用プロセスの最新化が続けられています。
複数の会社における会計プロセス
Microsoft は、財務管理の分野において、会社間環境で複数の会社の会計タスクを管理しやすくすることに重点を置いています。 会社間転記機能が強化されてセットアップしやすくなり、概要を掴みやすくなったほか、会社間取引プロセスがよりシームレスかつ柔軟になりました。
会計の期末処理および分析
分析コードに加えて、統計勘定を使って分析用にデータを追加できます。 統計勘定を使うと、分析に使用できる一般会計 (G/L) トランザクションの数値データを入力できます。
トランザクション量の多いビジネスの会計を管理する際、期末処理の進捗状況の概要を把握しやすくなりました。 経理部門は、G/L 決済を使って、調整タスク中に一般会計エントリを適用することができます。
在庫および倉庫シナリオ
Microsoft では、在庫機能のさまざまな側面での取り組みを続けています。 提供される設定とデモのデータを改善し、インベントリ機能の構成をより容易にしました。 引き続きデータ移行の向上を図り、さまざまな分野でプロセスをシームレスにするよう取り組んでいます。 たとえば、倉庫および品目追跡機能を構築しています。
お客様からの要望に基づく継続的な改善
このリリースには、コミュニティから aka.ms/bcideas ページを通じて提出されたすばらしいアイデアに応えて実装された、いくつかの機能と機能強化も含まれています。
開発
開発者の需要は高まっているため、Microsoft では Business Central AL 開発者を引き付けて生産性を高めるための取り組みを続けています。 また、開発者の作業効率を高める機能の開発に引き続き重点を置いています。 さらに、コンサルタント、市民開発者、ユーザー向けの機能も提供することで、開発者の負担を軽減して、俊敏性を高め、変更コストを削減できるようにしています。
このリリース サイクルでは、AL コード上に視覚的な抽象化を追加して、開発者やコンサルタントが簡単に概要を把握し、ワークスペースやプロジェクトのすべての AL オブジェクトをナビゲートできるようにすることにより、Visual Studio Code エクスペリエンスへの投資が継続されています。 これにより、アプリケーションの境界を十分に把握し、ソースまたは実行オブジェクトに簡単にジャンプできるようになります。 開発者は、コンパイラ リソースの管理とコード アナライザーのパフォーマンスを強化でき、通常のデバッガーを使ってユーザー セッションにアタッチすることができます。
さらに、AppSource の公開元は一部のお客様向けにプレビュー アプリをリリースして、ランタイム パッケージの処理を改善し、AppSource マーケットプレースを通じてアプリを収益化することができます。 最後の点として、お客様は既存のテーブル フィールドをノーコードのパーソナル化またはカスタマイズとして既存のページに追加できます。
サービスとプラットフォーム
このリリースでは、パフォーマンス、安定性、リソース ガバナンス、セキュリティ、コンプライアンスに重点を置きつつ、サービスの基盤に投資を絶え間なく続けています。 これにより、お客様のニーズに合わせて、Business Central の規模を拡大し続けることができます。
このリリースでは、インタラクティブ ユーザーのサインインの安定性をさらに高め、ユーザー セッションの中断回数をさらに減らすことに取り組んでいます。 また、すべてのページ タイプとコントロールでクライアント側のページ レンダリング時間にさらに改善を加え、クライアントの応答性をさらに高めることを計画しています。 コールド スタート OData 呼び出しのパフォーマンスを改善することで、Teams、倉庫用スキャナー、Dataverse アプリなどの Web サービスをベースとするクライアントやその他の統合にメリットをもたらします。 言語 (AL) ランタイムをさらに最適化することで、データベースのロックを最小限に抑え、頻繁に使用されるアプリケーション シナリオ (国固有の規制レポート、一般仕訳入力の番号の振り直し、品目追跡、予約エントリ、引当可能在庫数量の計算) に調整を加えます。
レポート作成およびデータ分析
データ ファーストは、Business Central におけるレポート作成の指針となる原則です。 このサイクルでは、ユーザーが簡単に利用できる方法ですべてのデータにアクセスできるようになる機能が提供されます。 ビッグ データの世界では、予測分析レポートはもはや、ビジネスの履歴ビューをカバーする事前定義された一連のレポートではなく、大小を問わず重要なイベントに対応し、ビジネスを最適化するためにデータを整理して使用する手段のことです。
このリリースでは、Business Central でリストのデータを直接グループ化、フィルター処理、ピボットできるようにすることで、拡張された分析機能を提供します。
数値を確認したり、簡単なレポートを作成したりする場合は、任意のリストでデータ分析を有効にし、1 つ以上の分析タブを使用してデータの分析を開始できます。 各分析タブには、さまざまなオプションがあります。
- 表示する列を選択する
- 日付階層を使用する
- データ フィルターを設定する
- データをピボットする
- 迅速な統計のためにセルをマークする
- データをエクスポートする
分析タブはリストに保存されるので、必要なときにいつでも使用できます。
法律
Microsoft は、2023 年リリース サイクル 1 において、法律分野における最も一般的な改善要求に基づいて更新を行います。 政府機関により制定されたさまざまな規制に準拠した法律上の自動化および機能も提供されているため、ユーザーは本来のビジネスに集中できるようになります。 これらの改善すべてを、関連するサポート対象のすべての国と地域で標準機能として提供できるように、機能の標準化に向けて一歩を踏み出す予定です。
このリリース サイクルでは、法律上の試みとして主にベース アプリケーションの非控除 VAT に重点が置かれています。 どちらの機能も一部のローカライズで利用できるものですが、ほぼすべての地域で必要とされています。 標準化されて拡張可能になる予定のため、パートナーは必要に応じて簡単に拡張できるようになります。
国と地域
追加の国と地域への拡大はパートナー主導のローカライズによって実現します。 関連するローカライズ アプリがパートナーによって作成され、AppSource に公開されています。 組み込みの言語オファリングと組み合わせると、世界のより多くの国と地域のお客様が Business Central を利用できます。
さらに多くの国と地域が追加され、130 を超える国で Business Central が提供されるようになりました。 また、Microsoft がローカライズを担当している国では、規制機能のすべての更新が提供されます。
Microsoft 365 での生産性向上
ビジネス アプリを生産性アプリと組み合わせると、個人個人がよりスマートに作業できるようになり、チームのパフォーマンスが向上します。 Business Central は、Outlook、Excel、Word、OneDrive、Teams などのクラス最高の Microsoft 365 アプリやサービスとシームレスに統合して、データを作業の流れに取り込みます。
現在の機能には、次のものが含まれます。
- Outlook から生成された見積書と請求書を添付することにより、問い合わせにすばやく対応することができます。
- Excel でレコードを共有、分析、または一括編集できます。
- Teams でレコードに関する会話を開始したり、主要なデータポイントを中心にチームを結集したりできます。
- OneDrive for Business を使ってビジネス ドキュメントを表示、共有、共同作成できます。
- Word で美しいレポートや他のテンプレートを作成できます。
2023 年リリース サイクル 1 は、Microsoft Teams のコラボレーション アプリの流れに応じて構築されており、より広範な製品エンゲージメントとデータへのアクセスを組織全体で促します。
このリリースでは、次のことに重点を置きます。
- Teams のアダプティブ カードの強化による、サムネイル ビューの最適化と、アクセス許可のエクスペリエンス向上。
- Teams カードのセキュリティ制御を構成するための新しい設定ページ。
Microsoft Power Platform で適応を加速する
2023 年リリース サイクル 1 では、引き続き Business Central と Power Platform の統合方法の改善に努めます。 Business Central ユーザーが簡単に着手して Power Platform の使用効率を向上できるようにするための機能が引き続き提供されます。
このリリースでは、Business Central 内での承認ワークフローの設定がより簡単になっているため、より多くのプロセスを自動化してユーザーの生産性を向上できます。
さらに、Power App の作成者が誰でも Power App の開発にすぐに着手できるように、サンプル アプリが提供されます。 また、環境や企業の柔軟性を高めることにより、移植性の高い Power Apps および Power Automate フローを構築するため、能力のある作成者を簡単に分配できるようになります。 これにより、パートナーとお客様は、さまざまな Power Apps と Power Automate のフローを活用できます。
オンボード
Dynamics 365 Business Central のようなクラウドベースのソリューションに迅速にオンボードすることは、企業の収益に大きな影響を与える可能性があります。 操作方法を短期間で習得することにより、企業はコストを削減し、全体的な財務パフォーマンスを向上させることができます。 Business Central を迅速に導入することで、企業では、十分な情報に基づいた意思決定を行い、変化する市場状況に対応し、ビジネスを前進させることが容易になります。
Business Central では、企業が自社のビジネス ドメインに合わせてカスタマイズされた試用版をセルフオンボードするためのユニークな機会が提供されます。 カスタマイズされた試用版は、実装プロセスの効率化に役立つだけでなく、パートナーがビジネスを拡大するうえでも効果的です。 企業がセルフオンボードできるようにすることで、パートナーは従来のオンボード支援に費やされていた時間とリソースを節約することができ、再販業者は顧客ベースの拡大に専念できるようになり、コンサルタントは専門知識の提供により多くの時間をかけられるようになります。
セルフオンボードの成功体験は、信頼の構築につながり、企業と再販業者の間の良好な関係にも寄与し、ひいてはリピート客の増加や新規顧客の紹介にもつながります。 カスタマイズされた使用版エクスペリエンスを作成することで、パートナーは Dynamics 365 Business Central に関する専門知識を示し、ソリューションが各顧客に提供できる具体的な価値を強調できます。
このリリース サイクルでは、ISV のコア ビジネス生産性向上ソリューションの製品内一覧に銀行接続アプリを追加するという以前のサイクルからの投資も継続されています。これにより、組織はクラウド ソリューションを自由に選択し、期待される連携したエクスペリエンスを実現できます。
ガバナンスと管理
Business Central の管理者には、環境とアプリを管理するのに必要なツールが用意されています。 管理者の目標は、自立し、自身の顧客のニーズを解決して、さまざまな管理シナリオを扱えるようになることです。
このリリースでは、セルフサービスと自動化を促す機能がさらに追加されています。 管理者は、データを維持しながら管理された方法で別の組織に環境を移行できます。 ISV アプリの更新を管理するオプションが追加され、ISV アプリに加えて管理センターでテナントごとの拡張機能を管理する機能が導入される予定です。 アイドル状態のサンドボックス環境は、非アクティブ状態が 45 日間続くと期限切れになり、新しい環境を作成できるように容量が解放されます。 管理者は、有効期限のオプトアウトを選択できます。 オンプレミスからクラウドへの Business Central データの移行を実行するツールが強化される予定です。 管理者には、カスタマイズを処理する追加機能と、移行プロセス中にテーブルを追加または除外する機能が提供されます。
Copilot と AI イノベーション
ビジネス トレンドに関する最近の調査によると、10 人中 9 人近くの作業者が、AI を使用して職務の反復作業を減らすことを望んでいます。 しかし今日まで、AI はほとんどの SMB が実際に投資できる商品ではありませんでした。
Microsoft Dynamics 365 Copilot を使用すると、専門家は近くにある最先端の AI の助けを借りて日常業務を行うことができます。 Business Central の Copilot を使用すると、お客様は、作業者が直感的な AI ツールを使用して、データ サイエンティストにならなくても、より少ない労力でより多くのことを成し遂げられるようにすることができます。
2023 年リリース サイクル 1 では、最初の Copilot 機能 (AI で生成された製品説明) が導入され、キャッシュ フロー予測や支払遅延予測などの AI 搭載機能のカタログに追加されます。
このリリース サイクル中に提供される機能セット全体の詳細については、以下の Dynamics 365 Business Central のリリース計画をご確認ください。
アプリケーション管理者向け
自動的に有効になる、ユーザー エクスペリエンスに影響を与えるユーザー機能
ユーザーに影響を与える機能は、アプリケーション管理者が確認する必要があります。 これにより、リリース変更管理が容易になり、市場にリリースされた新機能のオンボーディングを成功させることができます。 完全なリストについては、リリース計画で「ユーザー向けで、自動的に有効化される」とタグ付けされたすべての機能を探してください。
アプリケーション管理者が有効にする必要のある機能
このリリース サイクルには、ユーザーが利用できるように管理者、作成者、またはビジネス アナリストによって有効化または構成される必要のある機能が含まれています。 完全なリストについては、リリース計画で「ユーザー向けで、管理者、作成者、またはアナリストによる有効化/構成が必要」とタグ付けされたすべての機能を探してください。
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