2023 年リリース サイクル 2 の Dynamics 365 Business Central に向けた計画と準備

重要

2023 年リリース サイクル 2 の計画は、2023 年 10 月から 2024 年 3 月までに市場に投入される予定のすべての新機能を対象としています。 この記事では、Dynamics 365 Business Central の製品概要および新機能と予定されている機能について説明します。

概要

Business Central は、ビジネス プロセスを自動化して効率化する、中小規模の組織向けビジネス管理アプリケーションです。 企業は、適応性が高く機能が豊富な Business Central を使うと、財務、サプライ チェーン、製造、出荷、プロジェクト、サービスなどを管理できます。 また、事業を展開している地域に関連する機能を簡単に追加し、専門性の高い業界をサポートするようアプリをカスタマイズできます。 Business Central はすばやく実装して簡単に構成でき、製品の設計、開発、実装、使いやすさにイノベーションを持たすための簡単なガイドとなります。

このリリースで、Copilot への投資は次のレベルに進みます。 ユーザーが Copilot のガイダンスに従ってプロセスを最適化し、タスクをより速く完了できるよう、提供する機能を増やしています。 開発者は既に Visual Studio Code の Copilot と AL エクスペリエンスを利用していますが、この分野ではさらに多くの機能が提供される予定です。

財務データを統合し、複数の Business Central 環境の複数の企業間のパートナーシップに参加するための機能を改善しました。

新規顧客のオンボードにかかる時間を短縮しました。 特定のエラーが発生する理由を理解しやすくなり、問題を解決して作業を続行する方法がメッセージで提案されます。 規制タスクを自動化することで、組織が主要なビジネスに集中しながら、さまざまな政府規制への準拠を維持できるようにします。 焦点は常に使いやすであり、このリリースでは、キーボード アクセスを高速化するための重要なヒントを導入することで、ドキュメントの行を操作するときの効率が向上しています。 また、ドリルダウンする必要なしに編集可能なフィールドでデータの分析情報を簡単に確認できる機能も導入されています。

コンサルタントや開発者が、Visual Studio Code エディターや、GitHub リポジトリ内のソース コードにリンクされたデバッガーを、Business Central の Web クライアントから直接起動できるようにすることで、生産性の向上に投資しています。

2023 年リリース サイクル 2 のその他の更新には次のものが含まれます。

  • Microsoft Power Platform により迅速に適応する: いっそう簡単に Business Central でワークフローをセットアップできます。 より多くのプロセスを自動化して生産性を高めることができるよう、すぐに使えるシナリオをいっそう多くサポートするテンプレートを提供しています。 さらに、Business Central Power Automate コネクタではビジネス イベントを使用できます。

  • アプリケーション: 会社間機能と統合機能が環境をまたいで動作するようになり、複数企業機能をさらに広い範囲で使用できます。 Business Central のサプライ チェーン機能は、在庫および倉庫プロセスをいっそう効率的に実行できるようにする、いくつかの最適化と強化によって改善されます。 たとえば、ピッキング プロセス、フルフィルメントの提案、SKU 管理を改善し、製造とジョブのためのきめ細かい倉庫構成を追加しました。

  • 国と地域: 世界でサービスを利用できる範囲を拡大しました。 130 を超える国と地域で Business Central を利用できます。

  • 開発ツール: Visual Studio Code に完全に移行しました。Microsoft では、開発者の生産性を高める領域への取り組みを続けています。 依存関係を管理するお客様、VAR、ISV のために AL GO がこれらのテストを処理できるようにすることで、依存拡張機能をテストするプロセスを最新化しています。 必要なテストはすべて、手動介入なしに ISV アプリの最新リリース バージョンで実行されます。

  • ガバナンスと管理: Business Central には、管理者がいっそうきめ細かく管理権限を管理するのに役立つ一連のセルフサービス機能が追加されています。

  • 法律: このリリースでは、デンマークの SAF-T やフランスの FAC などのデジタル レポート用の新しい監査形式が提供され、電子請求書や現地の法律のサポートが強化されています。

  • オンボード: フィールドのヒントでは、短いテキストで説明するには複雑すぎる値を説明するコンテンツへの、より適切な [詳細情報] リンクが提供されます。

  • Microsoft 365による生産性の向上: Business Central Teams アプリをインストールすることなくカードを公開する機能を開発することで、Microsoft Teams でのコラボレーション ビジネス プロセスの効率を向上させています。

  • レポートとデータ分析: 分析モードにさらに多くの機能を追加し、レポートを強化して、Business Central のすべてのレポートを探索できる概要を追加しています。

  • サービスとプラットフォーム: パフォーマンス、安定性、リソース ガバナンス、セキュリティ、コンプライアンスに重点を置きながら、サービスの基盤に投資を続けています。

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投資分野

投資分野

Power Platform で適応を加速する
Business Central と Power Platform のシームレスな統合により、反復的なタスクを自動化し、組織の効率アップを図ることができます。 Power Automate テンプレートを使用して、独自の要件に合わせてビジネス プロセスを最適化するワークフローを自動化します。 Power Platform との緊密な統合に引き続き取り組み、それをより強力にして、ビジネス データを効果的に使用する方法をさらに多く提供していきます。 たとえば、Power Platform 製品のクラウド フローにコパイロット機能を使用して、接続されたビジネス ワークフローとエクスペリエンスを作成できます。 さらに、手早く簡単な自然言語表現を通じてそれを行うことができます。

アプリケーション
私たちはお客様からの要望が多い機能を優先し、市場のトレンドに対応して、アプリケーションに組み込まれる機能をリリースごとに決めています。 たとえば、ビジネス プロセスを最適化するためのお客様による Copilot の使用の支援への取り組みなどです。

境界を越えて複数の企業を管理するために Business Central を使用する企業が増えているため、過去数回のリリースでは複数企業の機能に取り組んできました。 Business Central を使用して複数の企業を管理するためのエクスペリエンスを引き続き改善していきます。 アプリケーション全体に投資し、在庫管理とサービスおよびプロジェクト管理のエクスペリエンスを向上させ、他の Dynamics 365 アプリケーションとの統合を改善します。

Copilot と AI イノベーション
ビジネス トレンドに関する最近の調査によると、10 人中 9 人近くの作業者が、AI を使用して職務の反復作業を減らすことを望んでいます。 しかし最近まで、AI はほとんどの SMB (中小規模企業) が実際に投資できる商品ではありませんでした。

Microsoft Dynamics 365 Copilot を使用すると、専門家は近くにある最先端の AI の助けを借りて日常業務を行うことができます。 Business Central の Copilot を使用すると、お客様は、作業者が直感的な AI ツールを使用して、データ サイエンティストにならなくても、より少ない労力でより多くのことを成し遂げられるようにすることができます。

このサイクルでは、さらに幅広い SMB ロールの生産性を向上できるように、コパイロット機能の用途をさらに広げます。

国と地域
引き続き Business Central を利用できる国や地域を増やします。 この拡大は、主にパートナー手動のローカライズによって実現されます。 Microsoft のパートナーは特定の国や地域向けのアプリを作成して保守し、そのアプリを AppSource で公開します。 組み込みの言語オファリングと組み合わせると、世界の 170 を超える国と地域のお客様が Business Central を利用できます。 また、Microsoft がローカライズを担当している国では、すべての規制機能に対する更新プログラムを Microsoft が提供します。

開発
AL 開発者に力を与え、生産性を向上させるため、プラットフォームとアプリケーションに名前空間のサポートを導入するための基盤を構築しました。 名前空間のサポートにより、アプリの構造化、より適切なオブジェクト名の作成、識別子の衝突の回避が容易になります。 アプリが成熟すると、リファクタリングの必要性が避けられないため、テーブルとそのデータの所有権を拡張機能間で移動する機能を追加しました。 さらに、開発者は特定の変数データを非表示にして、デバッグ中に他のユーザーがアクセスできないようにすることができ、これにより内部データが保護されます。

開発者は、データの分析とレポートをよりいっそう制御できるようになります。 たとえば、ページの分析モードをオフにして、Power BI からコンテンツを埋め込む方法を指定できます。

コンサルタントと開発者は、運用環境またはサンドボックス環境用の Visual Studio Code を簡単に開いて、インストールされている拡張機能全体のオブジェクトを調査して理解し、所有している拡張機能のコードを表示して、トラブルシューティングを行うことができます。そのすべてで、Visual Studio Code を手動でセットアップする必要はありません。 同様に、クライアントと Visual Studio Code からのプロファイルが改善されたので、データベース関連のパフォーマンスの問題をいっそう簡単に発見できます。

AppSource の公開元は CSP を通じて販売できるようになり、AppSource ランタイム パッケージの処理が向上したので、公開元と再販業者はアプリのさまざまな依存関係全体について、開発とトラブルシューティングをシームレスに行うことができます。

ガバナンスと管理
Business Central 管理者に、環境、アプリ、データ移行を管理するためのツールをさらに提供します。 管理者の目標は、自立し、自身の顧客のニーズを解決して、さまざまな管理シナリオを扱えるようになることです。

  • (委任された) 管理者に許可されるアクセスをよりいっそう制御できる、さらに詳細な管理者の役割。
  • 改善されたマイナー更新リリースのプロセス。
  • Business Central と Power Platform 環境をリンクして、統合を一貫してセットアップし、Power Platform 環境の設定を Business Central に適用するための機能。
  • クラウド移行のレプリケーションの実行を取り消す機能。

法律
Business Central は、地方自治体からの一般的な改善要求と刻々と変化する要件に基づいて、規制機能の更新を提供します。 お客様に安心して本業に集中していただけるよう、多くのプロセスを自動化し、機能が政府機関の定める規制に準拠していることを保証します。 たとえば、地域の規制により、取引の証拠および詳細な監査証跡として機能する伝票を作成することが求められている場合、そのプロセスを自動化できます。 Business Central では伝票を自動的に生成して一般会計エントリに添付できるため、会計士は追加の手順を踏むことなく、準拠していることを安心して確認できます。 アイテム保持ポリシー機能を使用すると、伝票をクリーンアップするまでの保存期間を指定できるため、保存するデータ量をより詳細に制御できます。

関連する国や地域全体にすぐに改善を提供できるよう、規制機能を Business Central の標準部分にすることに取り組んでいます。 たとえば、電子文書モジュールは販売と購入の請求プロセスをサポートする基盤であり、パートナーは電子請求用の国固有のアプリを構築することで簡単に拡張できます。

オンボード
お客様が Business Central をすぐに稼働させられることが重要です。 新しいビジネス管理アプリケーションを導入したからといって、日々の業務が止まるわけではありません。 迅速な移行の実現に取り組んでおり、オンボード フレームワークに基づく構築を続け、パートナーが Business Central に迅速にオンボードできるツールとリソースへの投資を継続します。

レポート作成およびデータ分析
現代世界において、データは非常に貴重なリソースとなり、あらゆる部門全体で意思決定と進歩の基盤を形成しています。 AI テクノロジーとデータ分析ツールの最近の進歩により、企業が複雑な情報を実用的なインテリジェンスとして抽出し、隠れたパターンや傾向を明らかにして、これまで隠されていた相関関係を見つけるための根本的に新しい方法がもたらされました。 データ分析から得られる重要な分析情報は、組織が戦略の最適化、顧客エクスペリエンスの向上、潜在的なリスクの特定を行い、業務と環境の詳細についてこれまでにない分析情報を獲得して、これまでは考えられなかった方法で革新することを可能にします。

データがイノベーションを促進し、革新的な進歩を推進し続ける中、中小企業が競争力を維持し、より効率的で持続可能な未来を形作るためには、その可能性を活用することが不可欠になっています。

レポート戦略は、Business Central エクスペリエンス内でのユニバーサル BI と分析の構築を中心に展開されています。 ファースト パーティとサード パーティからのコンテキストに沿った、リッチで没入型の BI および分析コンテンツを、Business Central にシームレスに統合することを目指しています。 柔軟なセルフサービス機能に加えて、データに簡単にアクセスして活用し、最大限の価値を得ることができます。

サービスとプラットフォーム
ユーザーの中断は少なくなり、Business Central は一般的に速く感じられ、Web サービスと特定のシナリオでは顕著にそうなります。 パフォーマンス、安定性、リソース ガバナンス、セキュリティ、コンプライアンスに重点を置いて、サービスの基盤に投資を続けています。 この集中により、お客様のニーズに合わせて、Business Central の規模を拡大し続けることができます。

全体的なエクスペリエンスを向上させるため、対話型ユーザーのサインインをいっそう安定させ、セッションでのユーザーの中断を少なくします。 データベースのロックおよびテーブル拡張のパフォーマンスへの影響を最小限に抑えるため、言語 (AL) ランタイムを最適化しています。

さらに、お客様が頻繁に使用するいくつかのアプリケーション シナリオを微調整しています。

ユーザー エクスペリエンス
Business Central が提供する幅広いユーザー インターフェイスのポートフォリオを使用すると、お客様はどこからでも、任意のデバイスでデータを操作できます。 ユーザー インターフェイスには、インストール可能なデスクトップ アプリ、ブラウザー ベースの Web アプリ、モバイル アプリが含まれます。 高速のデータ入力、簡単なエントリの更新、リレーショナル データの分析のいずれが必要であっても、Business Central には、必要に応じて簡単に使用できる強力な機能が多数用意されています。

すべてのリリースには、使いやすさ、アクセシビリティ、パフォーマンス、および信頼性の向上が含まれます。 このリリース サイクルでは、レコードのリストで複数の選択を対象とするアクションを実行するときと、データ入力ミスを簡単に修正するときに役立つ要約データを表示するときの、効率を向上させます。

このリリース サイクル中に提供される機能セット全体の詳細については、以下の Dynamics 365 Business Central のリリース計画をご確認ください

アプリケーション管理者向け

自動的に有効になる、ユーザー エクスペリエンスに影響を与えるユーザー機能
ユーザーに影響を与える機能は、アプリケーション管理者が確認する必要があります。 これにより、リリース変更管理が容易になり、市場にリリースされた新機能のオンボーディングを成功させることができます。 完全なリストについては、リリース計画で「ユーザー向けで、自動的に有効化される」とタグ付けされたすべての機能を探してください。

アプリケーション管理者が有効にする必要のある機能
このリリース サイクルには、ユーザーが利用できるように管理者、作成者、またはビジネス アナリストによって有効化または構成される必要のある機能が含まれています。 完全なリストについては、リリース計画で「ユーザー向けで、管理者、作成者、またはアナリストによる有効化/構成が必要」とタグ付けされたすべての機能を探してください。

Business Central を最大限に活用する

Business Central を最大限に活用する

便利なリンク 説明
リリース計画 このリリースに含まれるすべての機能を表示します。
ライセンス Business Central のライセンスを取得する方法について理解を深めます。
製品ドキュメント Business Central のドキュメントが見つかります。
ユーザー コミュニティ コミュニティの Business Central エキスパートや他のユーザーと交流します。
近日開催のイベント 対面およびオンラインでのイベントを検索して登録します。
製品の試用版 Business Central の使用を開始します。