ワークフローの参加者
適用: Microsoft Dynamics AX 2012 R3, Microsoft Dynamics AX 2012 R2, Microsoft Dynamics AX 2012 Feature Pack, Microsoft Dynamics AX 2012
ここでは、ワークフロー システムへの各種参加者について説明します。次の図は、経費精算書のワークフローと参加者を示しています。
システム管理者
Microsoft Dynamics Ax のシステム管理者は、ワークフロー システムを設定して管理します。システム管理者は、任意のタイプのワークフローを作成し、ワークフロー インスタンスのステータスを確認できます。
ワークフローの所有者
"ワークフローの所有者" は、特定のワークフローに対して責任を負います。たとえば、会計監査役の律子が経費精算書ワークフローの所有者である場合、律子は経費精算書ワークフローを設定し、変更できます。また、経費精算書ワークフローの処理時にエラーが発生すると、メッセージを受け取ります。
作成者
作成者は、処理および承認のためにドキュメントを提出します。たとえば、前述の図では、康介が経費精算書の作成者です。
タスク割り当て先
タスク割り当て先のユーザーは、処理のために提出されたドキュメントに関連するタスクを完了する必要があります。タスクは、複数のユーザーに割り当てることも、複数のユーザーが監視する作業項目キューに割り当てることもできます。ただし、タスクを完了できるユーザーは 1 人だけです。
たとえば、康介が経費精算書を送信し、確認用の領収書を Adventure Works の経費精算書部門に提出したとします。経費精算書部門のメンバーは、キューを監視します。その部門のメンバーであるジュリーが、康介の経費精算書と領収書を確認するタスクを受け入れたとします。ジュリーがこのタスクを完了すると、経費精算書はワークフローの次のステップに移動します。
意思決定者
意思決定者は、処理のために提出されたドキュメントに関連付けられている質問に回答します。質問に対する回答は、通常 [はい] または [いいえ] または [True] または [False] です。意思決定者が選択する回答によって、ワークフローのどの分岐が使用されるかが決まります。
たとえば、康介の経費精算書が John に割り当てられているとします。一郎は、経費精算書の情報を見て、康介のマネージャーに電話をかける必要があるかどうかを決定しなければなりません。電話の必要があると John が決定すると、経費精算書は Aretha に割り当てられ、Aretha が康介のマネージャーに電話をする必要があります。電話は不要であると John が判断すると、経費精算書は承認のために卓也に割り当てられます。
承認者
承認者は、処理のために提出されたドキュメントを確認して、承認または却下します。承認者がドキュメントを承認した場合、ドキュメントは、ワークフローの次のステップがあれば、そのステップに移動します。承認者がドキュメントを却下した場合、ドキュメントは作成者に返されます。そこで、作成者は、ドキュメントを変更して再提出できます。
たとえば、卓也、政美、および綾が承認者です。
委任
委任は、他の人の代わりにアクションを実行できます。たとえば、ある承認者が長期間オフィスを離れる予定であれば、ワークフロー上の責務を当該ワークフローにおけるもう 1 人の承認者に委任できます。
たとえば、政美が何週間かの休暇を予定している場合、彼女はその責務を卓也または綾に委任できます。